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1-6 家庭教育指導(幼児教育から見直す)

タイトル 1-6家庭教育
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大切な幼児教育

シカゴ大学のジェームズ・J・へックマン教授がこんな調査をしています。

3~4歳の子供123人を幼稚園に通わせるグループと通わせないグループに分け、その後どのように成長するかを比較しました。幼稚園に通ったグループの子供は、歌のレッスンや読み書きを週5日、2年間受けました。

その後、40年間、追跡調査した結果、幼稚園に通ったグループは、通わなかったグループと比べて、年収が60万円多く、持ち家率は3倍も多かったのです。反対に、危険ドラックの使用率など犯罪率は、幼稚園に通わなかった子供の方が通った子供と比べて高いということがわかりました。

北〇〇保育センター

私は私立の幼稚園に通っていましたが、年長の時に転居したので、途中から市立の幼稚園に通うことになりました。自由な雰囲気の私立幼稚園と違い、公立の幼稚園は制限が多く、そのため、反抗を繰り返していた私は、とうとう出席停止となり、最後の3学期は幼稚園に通いませんでした。

血は争えないもので、長男は、最初、市立の幼稚園に通っていましたが、迎えに行くたびに、「ちょっと園長室まで来てください。」と呼び出され、その日にあったわんぱくぶりを報告され、「ご家庭でよく話し合ってあげてください。」と言われて引き取っていました。

話を聞いてみると、フェンスによじ登って2階に入ったとか、〇〇ちゃんと遊ぼうと思って手を引っ張ったところ、こかせて泣かせたとか、体が大きく、元気者の長男の行動を抑制できないということでした。毎日毎日叱られていた長男は、そのうち表情が悪くなり、とうとう登園拒否を起こしてしまいました。

オロオロしていた母親に、私は「幼稚園なんていかせなくてもいい。義務教育ではないんだから。」と言い、その幼稚園をやめさせました。

その後、私立の幼保一元教育に取り組んでいた北〇〇保育センターに入れることになりました。

その保育センターは、子どもに自然環境に触れさせ、遊びの保育を通して、遊びの中から自主性、創造的な力、主体性などの「生きる力」を育てる教育をしていました。モットーは、「よく遊べ、もっと遊べ、うんと遊べ、元気になれ」でした。

また、園歌が素晴らしいものでした。

♪♪“大きくなったら何になる? 世界の人と手をつなぎ 平和な国を作る人

明日も元気に頑張ろう 僕と私の北〇〇保育センター”

公立の幼稚園をクビになった長男は、通った1日目から溶け込み、見る見る間に表情が元に戻りました。そして、その後、次男も長女もその保育センターでお世話になりました。

幼児教育の効果

この保育センターでは、子どもたちはいつも半袖の薄着で、草履を履いて登園します。園内では裸同然、裸足で過ごし、遊びにほとんど制限はありませんでした。皆、木登りも得意で、門から真っすぐに出入りする子どもいません。門の横の崖から入ったり、高さ1.2mの門を乗り越えて出入りしたりしています。「今日は何がしたい?」と先生から聞かれて、急に園外に出て山登りをしたり、海に行ったりすることもあります。迎えに行った時に、「今日はバスに乗って海まで行ったので100円ください。」などと言われることもしょっちゅうでした。近くの神社で祭りがある時は、10円を持って的屋(てきや)さんに交渉し、たこ焼き3個に値切ってくるとか、祭り的な行事もたくさんありました。親子マラソン大会では、年長ともなると3kmほどの距離を上半身裸で、親よりも速く走り切ります。毎日の泥んこ遊びはもちろん、創作活動も半端ではありませんでした。しかし、字を教えたり、楽器を演奏したりすることはありません。

この教育に賛同して、遠くの方から通ってくる子どももたくさんいましたが、そのほとんどは、近くのT小学校、T中学校に進学します。小学校に入って、字が書けない、真っすぐ並べない児童は、その保育センター出身なので、すぐわかるそうです。しかし、小学校の2年生頃から頭角を表わすようになり、勉強面でもリーダー面でも、保育センター出身の子どもが伸びてくるのです。

私は、そのT中学校にも勤務しましたが、運動の得意な生徒や部活動のキャプテン、生徒会のリーダーなど、そのほとんどは保育センター出身の生徒でした。また、体重の少し重い中学3年生の女子生徒で、いかにも運動嫌いだろうと思われる生徒が、苦もなく倒立運動をするので、「運動神経いいねえ!」と褒めると、「だって、北〇〇センターっ子だもん。」と自慢そうに答えていました。

幼児期の子どもの教育は、人生を左右します。幼稚園の中には、お遊戯会などの発表会に力を入れ、ドイツ語で歌わせるとか、ひらがな、カタカナは勿論、小学校の3年生でやるような漢字や計算問題をやらせているところもあります。何がいいのか、大人になった時に分かることですが、やはり、幼児期は、思う存分に自然の中で遊び、その中で仲間の大切さやルールを知ることが大切なのだと思います。

家庭教育の指導

非難を覚悟で主張しますが、私は「いじめの元凶は家庭にあり」と思っています。また、不登校の原因のほとんどは家庭教育に原因があると思っています。

子どもに対して、学校でいくらいい指導をし、感動的な話をし、感動体験をさせたとしても、子どもが家に帰って家族の者からそれらを否定されたら、全く効果はありません。

昔なら、教師は聖職で、「学校の先生の言うことに間違いはない」という風潮だったので、学校の指導は子どもたちにすっと入ったのですが、今や、学校はクレームを言われるのが当たり前になっています。また、家庭教育レベルはますます二極化をしています。子どもを教育するということに関して、学校がイニシャティブをとることが重要です。

ある時、中学校で不登校になった生徒の教育相談で、母親からの愛情不足を感じました。そこで、母親を呼び、どんな子育てをしてきたかを聞き、「添い寝」をしてあげては?と提案したところ、即効果が表れ、生徒は登校できるようになったことがあります。

特に、中学校から高校にかけてみられる第二反抗期というのは、幼児期からの親の子育ての善し悪しが問われているのだと思います。

もし、幼児期からの子育てで欠けていることがあったら、もう一度補えばいいのです。そのようなアドバイスができるような学校でありたいと思います。

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