適時期について
皆さん、おはようございます。
人の生き方には、次の3つのタイプがあるように思います。
一つ目は、過去のことばかり振り返って、「昔は・・・だった。」と言って生きて いるタイプの人。
二つ目は、「明日があるさ、明日がある。」と夢と希望(?)を持って未来のこと ばかり考えて、極力、現在や過去をみようとしないタイプの人。
三つ目は、「今」という時間を大切にし、「今」を生きている人。
皆さんは、どのタイプでしょうか?
今回は、まず、「適時期」の話をします。
皆さんの多くは自転車に乗れると思いますが、コマ(補助輪)なしの自転車に乗るのを覚えるのはいつがベストだと思いますか?
2歳では少し早すぎるでしょうし、中学生になって初めてコマなし自転車に乗ろうとすると、少し苦労するでしょう。
いろんな研究の結果、左右のバランスが取れ、足の筋力のつく5歳がベストだということが分かっています。
つまり、5歳になった頃にコマを外して練習すると、一番ストレスがなく覚えられるということです。 「適時期」の考え方をグラフで表すとこんな感じです。
運動やスポーツには適時期があって、クラウチングスタートを覚えるには中学2年生、竹馬乗りは9歳、走り高跳びの背面跳びは小学6年生、バレーボールも小学6年生から始めるのがいいという研究結果があります。
運動やスポーツだけでなく、物事にはすべてこういう適時期があると思います。逆にいうと、今しか出来ないこともあるということです。
「今でしょ」
仏教の浄土真宗を開いた親鸞聖人が、9歳の時に「明日ありと 思う心の あだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」という歌を詠まれています。
周りの人が「今日は夜も遅いので、明日になさいませ」と言った時に、今日はやめて明日見に行こうと思っていると、夜半に春の嵐が吹いて、散ってしまうかもしれない。今出来ることは今しておくべきだという意味ですね。
東進という予備校の国語の先生で、よくテレビにも出演されている林 修先生の「いつやるの? 今でしょ!」も同じニュアンスでしょう。
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性格形成にも適時期
「三つ子の魂、百まで」とも言われますが、人間の気性は3歳までで決まるそうです。
NHKのアナウンサーだった鈴木健二氏は、「人間の性格なんてのは、青年期のほんの2,3年間で作られてしまうものだ」と言っています。私もこれには同感です。中学生から高校生にかけてのほんの2,3年間で、人間の性格というのは殆ど完成されるのじゃないかと思っています。
「鉄は熱いうちに打て」ともいいます。若い時期には、しっかり、自分を鍛え、努力することがないと駄目だと思います。この時期に、『忘れ物をしても平気な性格』,『無責任な行動をしても反省しない性格』,『他人を傷つけても何とも思わない性格』…etc.,そういう性格を形成しないようにしなければなりません。
「若いうちの苦労は買ってでもせい!」というではありませんか!
「経験がすべて」ではない。
さて、皆さん。今、中学生だとしたら、しなければならないことは何でしょうか?
「何事も経験することが大切」と教えられたことがあると思います。
Experience is the best teacher.(経験は最良の師)
Experience is the mother of wisdom.(経験は知恵の母)
そんなことわざもあります。
では、次の8項目、中学生の皆さんにとって、経験した方がいいことでしょうか? あるいは、経験しない方がいいでしょうか?
①アルバイト
②一人旅
③バイクに便乗すること
④河川で泳ぐこと
⑤異性とのキス
⑥ワインをたしなむ
⑦骨折の経験
⑧殴り合いの喧嘩
⑧の「殴り合いの喧嘩」について、2,3歳の幼児同士がつかみ合いの喧嘩をしていても、むしろ微笑ましいと感じますが、さすがに小学生同士がつかみ合いの喧嘩をすると大けがのもとです。これが、中学生同士、大人同士だったらどうでしょうか? 場合によっては、一命を失うことにもなりかねません。大人になってつかみ合いの喧嘩をすることがいけないのは、経験しなくてもわかることでしょう。
喧嘩のエスカレートしたものが、戦争です。
今、本気になって世界中の人々が戦争をすれば、人類が滅ぶでしょう。経験してみなければわからないというのは、何と愚かな考えであるかわかりますね。
「経験がすべて」なのではありません。大人は、経験しなくてもわかることがあるということを知っています。
Experience is the teacher of fools.(賢者は経験せずとも学ぶ)
ということわざもあります。
でも、世の中には、経験(体験)してこそわかるものもあります。要は、その見極め,判断力が大切だということでしょう。
どうか、今しか出来ないことを優先し、二度とない一日一日を大切に過ごしましょう。
最後に、相田みつを氏の詩「そのうち」を紹介しましょう。
そのうち お金がたまったら
そのうち 家でも建てたら
そのうち 子どもから手が放れたら
そのうち 時間のゆとりができたら
そのうち…
そのうち…
そのうち…と
できない理由をくりかえしているうちに
結局は 何もやらなかった
空しい人生の幕がおりて
頭の上には淋しい墓標が立つ
そのうちそのうち日が暮れる
いま きた この道 かえれない。
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