水泳のメリット
皆さん、おはようございます。
新型コロナの影響で、学校の水泳が2年間実施されませんでした。学校によっては、3年ぶりに実施となっているところもあります。
ところで、皆さんは泳げますか?
「私は泳げる」という基準は、 次の3点です。
①「息つぎ」が出来る。
② 100m続けて泳げる。
③ 2種目以上の泳ぎが出来る(それぞれ50m)。
水泳は、重力が普段の生活の1/6で水の中で体を動かすことが出来るスポーツなので、全身運動で消費カロリーが多く、ダイエットにも有効で,肺活量が増えて心肺機能が強化され、筋肉への適度な刺激となり、肩こりなどのストレス解消にも有効です。
学校で水泳授業があるのはなぜ?
2014年4月16日、韓国フェリーのセウォル号が海難事故をおこしました。
修学旅行中の高校2年生の生徒325人を含む476人が乗船していましたが、捜索作業員死者8人を入れると、死者・行方不明者312人を出す大惨事となりました。
沈没の原因には、基準の3倍以上超過で貨物を積載していたことや、船長が離席し経験の浅い航海士が操縦していたこと、不適切な船体改造をしていたなど、様々な要因があげられましたが、最大の原因は、韓国では学校の授業で水泳を教えておらず、小中学校の99%にはプールがないこと、韓国人の8割はほとんど泳げないことでした。
つまり、沈むフェリーから海に飛び込むという選択は、ほとんどの韓国人にとって、「死」を意味することであったということです。たとえ泳げなくても、救命ボートの使用法やライフジャケットを着て海上救助を待つ方法だけでも知っていれば、多くの命が助かったかもしれません。
日本でも、1955年5月11日、瀬戸内海で「紫雲丸」が貨物船と衝突・沈没し、修学旅行中の広島の小学生100名を含む168人が死亡するという事件が起こっています。
この事故後、同年7月28日に三重県津市の中学校で、海での水泳訓練中に女子生徒36人が溺死したこともあって、全国の小中学校に水泳プールが設置され、水泳が必修となったのです。
もちろん、日本は四方を海で囲まれた国で、川や池も多いので、古くから武術として水泳が取り入れられてきたという歴史もあります。しかし、いくら船が沈みそうだからといって、むやみに飛び込めばいいというわけではありません。
2022年4月22日におきた知床遊覧船KAZUⅠ沈没事故は知っていますね。26人の方が死亡・行方不明となっていますが、この時の海水温度は2~4℃だったそうです。水温と人間の耐性を表にしてみました。
救命胴衣を着ていても、低体温症で15分も浮いていられなかったのです。
もう1つ、海難事故を紹介しましょう。
それは、2020年11月19日に香川県で起きた与島沖旅客船沈没事故です。
「漂流物に衝突して小型船が浸水している」と118番通報がなされ、この時は11月であったにもかかわらず、船長が「飛び込んで船から離れるように」と指示し、修学旅行中の坂出市の小学校6年生児童・教員が海へ飛び込んで救助を待ちました。その結果、近くの漁師らが事故現場に駆けつけ、事故の発生から約1時間ほどで62名全員を無事救助しました。
バタフライを覚えよう!
水泳に対する取り組みは、都道府県で差が大きく、主なランキングを挙げてみましょう。
〇大人の泳げる割合 1位:東京都~47位:沖縄県
〇小中学生の泳げる割合 1位:東京都~47位:岩手県
〇学校のプール設置率 1位:東京都~47位:福井県
〇トビウオ県(バタフライの泳げる割合) 1位:新潟県~47位:北海道
さて、近代4泳法の中で、もっとも簡単な泳ぎ方は、実はバタフライなのです。
パーソナルトレーナーの花村 育彦氏も、「水泳で一番カンタンなのはバタフライ うがいができればバタフライはできるんです!」という書籍を出されています。
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バタフライを覚えると、水の中をグライドをかけて速く進むことが出来るようになるので、他の泳法で泳いでも速くなります。
また、現行の小学校・中学校の学習指導要領では、バタフライは必須となっています。
特に「グライドバタフライ」をマスターすると、こんなふうになります。
・水の抵抗が減り、推進力が高まる。
・「バタフライ」をすぐに身につけることが出来る。
・他の泳ぎ方のスピードも上がる。
・バサロ泳法などに応用出来る。
・呼吸法が自然に身につき楽に泳げるようになる。
・何よりも泳ぐことが楽しくなる。
「教養」としての水泳
大人の皆さんは、ほとんどの人が自転車に乗れるでしょう!?
学校で勉強したことはすぐに忘れてしまうことが多くありますが、身につけたものはあまり忘れません。それが「教養」です。
我が家は、家族スポーツとして水泳を楽しんでいます。
水泳好きの妻と一緒に、子どもが生まれる前から、週に1回はプールに行っていました。、長男は生まれて6か月、次男は4か月、そして長女は生まれてなんと2週間でプールに入れました。お陰で、子どもたちはお風呂で頭からお湯をかぶっても泣くようなことは全くなく、泳げないのに水を見ては飛び込むというくらい、水泳が好きになりました。
娘には今でもよく話すのですが、生まれてから2週間でプールに入れた時、本当に嬉しそうな顔をしていました。「それがこれまでの人生の中で一番かわいい顔だった」とからかうと、いつもすねてブスっとしています。
長男は、小学校で少年野球、中学校で柔道部に入って活躍していましたが、全国大会に行くことができなかったのが悔しかったようで、高校に入ってから、「どうしてもインターハイに出たい」と言い出し、水泳部を選びました。スイミングスクールにも通うことなく、高校3年生の時に、自由形・リレーで、みごとインターハイにも出場しました。
人の手には、水かきのあとが残っていますが、人は誰でも泳げるようになります。
「えー、私は泳げないわ!」
…決してそんなことはありません! お母さんのおなかの中では、泳いでいたのでは?
水泳は「生涯スポーツ」であり、泳げるようになると、自分の人生を豊かにすることが出来るのです。
水泳を覚えるということは、「教養」を身につけるということなのです。
学校水泳の行方?
1955年の「紫雲丸」の沈没事故や津市中学校の臨海水泳訓練中の溺死事件以降、全国の小中学校に水泳プールが設置され、必修となってきた水泳は、最近、大きな転換期を迎えています。
昔は、小学校で水泳検定をやり、泳ぐレベルに応じて水泳帽にマークをつけたりすることもありました。夏休みには開放プールをやっていたところも多くありました。しかし、最近の小学校の水泳授業では、泳法はほとんど教えていません。水に親しもうということで、水中じゃんけんをしたり、碁石を拾ったりなど、遊びばかりです。「泳げないのに、水の中で楽しめるか」と、私は大変疑問に思っています。
また、最近、小学校で水泳授業をすると、教師の専門的な指導もなく、プールの維持費などもかかるなどの理由で、スイミングスクールを利用しようという動きもあるようです。
子どもたちには、「教養」として、必ず、水泳を身につけてほしいと願っています。
最後に、先哲の言葉をご紹介しましょう。
ドイツの物理学者;アインシュタイン
「学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。」
アメリカの思想家・哲学者;エマーソン
「すべて忘れてしまって残ったものが教育である。」
日本の小説家;太宰治
「学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。」
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