日本は世界第6位の海洋国家
皆さん、おはようございます。
2月は「北方領土返還運動全国強調月間」です。
今回は、日本の領土について、少し考えてみる機会にしましょう。
まず、日本の最西端、最東端、最南端、最北端の島は、それぞれ何かわかりますか?
答えは、
・最西端:与那国島(沖縄県)
・最東端:南鳥島(東京都)
・最南端:沖ノ鳥島(東京都)
・最北端:択捉島(北海道)
です。
日本は小さな島国のように見えますが、実は、海の領土を入れると、世界第6位の面積を持つ海洋国家なのです。
沖縄
1429年、南山(なんざん)、中山(ちゅうざん、北山(ほくざん)の3国に分かれ争っていた三山時代、中山王の尚巴志(しょうはし)は王国を統一し、首里(現在の那覇市)に首里城を築いて琉球王国を作りました。
16世紀後半、豊臣秀吉や徳川幕府は琉球王国に対して支配下に入るよう圧力をかけていましたが、琉球王国は明との関係を重視して、歴代の王たちははっきりとした態度をとりませんでした。
1609年、徳川幕府の許可を得た薩摩藩は、3,000人の兵力によって琉球を制服し、首里に在番奉行所をおいて琉球の内政と外交を監視しました。琉球はその後270年間、幕藩制支配下に組み込まれ、薩摩の支配下に置かれることになりました。
1872年、明治政府は琉球藩を設置しましたが、1879年、明治政府は軍隊や警官を送って廃藩置県を強行、琉球藩を廃して沖縄県を設置しました。この「琉球処分」により、琉球王国450年の歴史は幕を閉じることになります。
そして、第二次世界大戦が勃発、沖縄は民間人を巻き込んだ戦場地になりました。
1945年8月、日本は無条件降伏を受け入れ、アメリカを中心とする連合国に占領されます。1952年、日本はサンフランシスコ講和条約によって独立を回復しますが、沖縄は、奄美(1953年復帰)や小笠原(1968年復帰)とともに日本から切り離され、27年間もアメリカの占領統治下にありました。
ようやく沖縄が本土復帰を果たしたのは、1972年5月15日のことでした。
復帰と同時に通貨がドルから円に変わり、パスポートが廃止されました。1975年には、沖縄国際海洋博覧会が開催されましたが、自動車が右側通行から左側通行へ変更されたのは、その3年後の1978年でした。
ただ、今でも、日本にあるアメリカ軍専用施設の75%が沖縄に集中し、沖縄本島の総面積の15%がアメリカ軍のものです。
北方領土
2月7日は、「北方領土の日」に制定されています。
北方領土とは、歯舞群島(はぼまいぐんとう)、色丹島(しこたんとう)、国後島(くなしりとう)及び択捉島(えとろふとう)の島々(北方四島)をいいます。
1855年2月7日、日魯(にちろ)通好条約が調印され、北方四島は正式に日本の領土となりました。しかし、1945年8月9日、ソ連は日本との中立条約(1941年4月25日発効、1946年4月24日まで5年間有効)を無視して対日参戦し、8月18日より千島列島への攻撃を開始、9月5日までに北方領土を占領しました。そして、1951年のサンフランシスコ平和条約において、日本が千島列島を放棄しています。1981年、閣議了解により、北方領土問題に対する国民の関心と理解を深め、返還運動の一層の推進を図るために、北方領土の日が制定されました。
竹島
2月22日は「竹島の日」です。
1905年、日本は、どこの国も竹島を自国の領土だとしていないこと、日本人しか実際に漁業を行ってないことを確認し、竹島の領土編入を閣議決定しました。これを受けて、島根県は同年2月22日、竹島が島根県隠岐の管轄になったことを正式に告示しました。
1952年,韓国の李承晩大統領は「海洋主権宣言」を行い、いわゆる「李承晩ライン」を国際法に反して一方的に設定し,同ラインの内側の広大な水域への漁業管轄権を主張するとともに,そのライン内に竹島を取り込みました。なお、竹島は、韓国では「独島」と呼称されており、中立の立場をとる第三国では「リアンクール岩礁」と呼んでいます。
しかし、竹島は、歴史的事実からみても、国際法上からも、明らかに日本固有の領土です。韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠であり、韓国がこのような不法占拠に基づいて竹島に対して行ういかなる措置も法的な正当性を有するものではありません。
また、日本では、10月28日を「奪還の日」と称して,各地で竹島奪還を訴える街宣活動などを行っている団体もあります。
尖閣諸島
1月14日は、「尖閣諸島開拓の日」です。
1895年1月14日、日本は尖閣諸島が無人島であるのみならず、他国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重に確認した上で、閣議決定を行って沖縄県に編入しました。そこで、石垣市は、この日を「尖閣諸島開拓の日」と条例で定めています
しかし、1970年代になって尖閣諸島周辺で石油埋蔵の可能性が指摘された頃から、中国は、尖閣諸島は古くから中国の領土であると主張を始めました。中国は,1943年の「カイロ宣言」、1945年の「ポツダム宣言」を日本が受け入れた結果、尖閣諸島は台湾の附属諸島として、台湾とともに中国に返還されたと主張しています。
「蛍の光」の歌詞にみる領土問題
さて、学校の卒業式で、在校生がよく歌う曲の1つとして現在も知られている『蛍の光』は、大晦日のNHK紅白歌合戦の最後にも全体合唱で行われているので、大変知られた歌ですが、実は、歌詞が4番まであるのをご存じでしょうか。
原曲は、スコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」で、稲垣 千頴が作詞です。 解説を入れてみました。
「蛍の光」
一、蛍の光、窓の雪 書(ふみ)読む月日、重ねつつ。
いつしか年も、すぎの戸を、開けてぞ今朝は、別れ行く。
【解説】
蛍を集めた光や雪の明かりを頼りにして、貧しくとも共に苦労して勉学に励んできた友よ、いよいよお別れの時が来ましたね。
二、止まるも行くも、限りとて、互(かたみ)に思う、千萬(ちよろず)の
心の端(はし)を、一言に、幸(さき)くと許(ばか)り、歌うなり。
【解説】
学舎にとどまる人も、また学を修めて卒業し、旅だってゆく人も、今日を限りと思って、お互いにかわした心の架け橋、永遠の絆を、無事にあれとばかりを念じて、この歌の一言に思いを託して歌います。
※「かたみにおもう」=お互いに思う
※「さき(幸)く」=無事に
三、筑紫の極み、陸(みち)の奥、海山遠く、隔つとも、
その眞心(まごころ)は、隔て無く、一つに尽くせ、國の為。
【解説】
九州の端や東北の奥まで、海や山々によって遠く離れていても、真心はただひとつにして互いに国の発展の為に尽くそう。
※「つくし(筑紫)」=九州の古い呼び方
※「みちのおく」=陸奥。東北地方
四、千島の奥も、沖繩も、八洲(やしま)の内の、護(まも)りなり、
至らん國に、勲(いさお)しく、努めよ我が背、恙(つつが)無く。
【解説】
千島列島の奥も沖縄も、日本の国土の守りだ。学を修め職を得て、どこの地に赴こうとも、日本各地それぞれの地域で、我が友よ、我が夫よ、我が兄弟よ、どうか無事にお元気で、勇気を持って任にあたり、務めを果たしていただきたい。
※「やしま」=八島、八洲。日本の国の古い呼び方
※「いたらんくにに」=国の至る所で
※「いさおしく」=勇ましく
※「せ」=背、夫、兄。兄弟とか友
※「つづがなく」=お元気で
『蛍の光』は2番までしか歌われないことがほとんどです。
3番と4番は、遠く離れ離れになっても、それがたとえ辺境の地であろうとも、国のために心をひとつにして元気にそれぞれの役割を果たそうという内容です。
しかも、沖縄はもちろん、北方領土も八洲(関東の相模(さがみ)・武蔵(むさし)・安房(あわ)・上総(かずさ)・下総(しもうさ)・常陸(ひたち)・上野(こうずけ)・下野(しもつけ)の八か国)の内にあると歌っています。
なお、台湾の私立大学の名門、淡江大学の卒業式では、毎年、『蛍の光』を4番まで歌っているそうです。「日本では1番と2番しか知りません」と言うと、台湾の学生たちは怪訝な顔をしていたと、全国教育問題協議会(全協)の山本豊常務理事が、日本教育再生ネットワークのブログで明かしています。
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