皆さん、おはようございます。
1月27日は、国旗制定記念日です。
日本の国旗
日本の国旗は、白地に紅色で丸が描かれた旗です。法律上は「日章旗」と呼ばれ、日本では古くから、一般的に「日の丸」と呼ばれています。日本には聖徳太子が遣隋使に託した文書以来、自国を「日出づる国」とする考え方があり、赤い日の丸は日の出の太陽を象徴しています。また、紅白は日本の伝統色で、めでたいものとされ、赤は博愛と活力、白は神聖と純潔を意味するとも言われています。。
しかし、この日章旗(日の丸)が正式に日本の国旗となったは、1999(平成11)年に公布・施行された「国旗及び国歌に関する法律」(通称:国旗・国歌法)によってです。その規定によると、「旗の形は縦が横の3分の2の長方形。日章の直径は縦の5分の3で中心は旗の中心。地色は白色、日章は紅色」とされています。

なお、他国では、アメリカの国旗は、1959年、アイゼンハワー大統領によって縦横比10:19が定められました。

また、スイスやバチカン市国は、縦:横が1:1、つまり正方形です。

スイス国旗

バチカン市国国旗
ただ、国連やオリンピックでは、公平のためという理由でアメリカやスイスの旗も日本と同じ2:3に変形した国旗を使っています。
ただし、ネパールだけは、四角形ではない形状です。

ネパール国旗
国旗掲揚の位置
(1)自国傍+外国旗
世界的には、向かって左側に上位外国旗を掲揚します。
国によっては自国旗を上位に掲揚する場合もありますが、同じポールに上下に並べるのはマナー違反です。
なお、自国の国旗を掲げないで、外国の国旗のみを掲げてはならないとされています。つまり、外国旗を掲げる時は、必ず自国の国旗を同時に掲揚しなければならないのです。
また、国旗は原則として自国の国旗に優先権が与えられるので、日本において外国の旗を並べる場合には、日の丸を内側から見て最右翼、すなわち、外側から見て最左翼に掲揚します。
但し、官公庁や公館で外国の元首や国賓などを迎える場合、その滞在期間中、その国の国旗と日の丸を掲揚する場合は、敬意を表する意味で、礼儀上外国旗を日の丸の上位に掲げます。
(2)3カ国以上
国旗を国連方式による国名アルファベット順に従って、向かって左側から右側へ掲揚します。
(3)奇数の場合
国の数が奇数で、日本がホスト国や議長国の場合は、日本国旗を中央に配置します。
また、両側の外国国旗は国連方式による国名アルファベット順に中央より向かって左側から左右交互に掲揚することもあります。

(4)国旗+団体旗
国旗を外側から見て優位の左側に掲揚します。なお、国旗と団体旗を並べて掲揚する際は、国を重んじるという意味で、国旗よりも小さい団体旗を用いるのが正しい掲揚です。

<参考>「右に立つ者はない」
日本の朝廷では、左側が上座、右側が下座でした。例えば帝を支える左大臣、右大臣も、向かって右に上位の左大臣、向かって左に右大臣が位置します。これは、内裏雛から見た位置を表しており、ひな人形を飾る人から見ると逆になります。
「天子南麺す」ので、東の上座に位置するのが左大臣、西の下座に位置するのが右大臣と考えてもいいでしょう。ちなみに、京都市では、東に右京区、西に左京区が位置しています。
また、「帝の右に立つ者はない」と言われているので、2人並ぶ場合は、向かって左に位置するものが上位の者となります。
今の現代雛では、一般的に向かって左が男雛、右が女雛です。これは、結婚式での新郎・新婦の並び方も一緒です。つまり、向かって左が新郎、右が新婦(女性の右に男性)となります。
これは、国旗と団体旗を並べて掲揚する場合、国旗を外側から見て左側に掲揚するのと同じです。
ただ、古式のひな人形はその逆で、向かって右が男雛、左が女雛の、古き日本の「左上位」「左上座」の考え方を再現しています。
現在、武家の流れを組む関東地方では、向かって左が男雛、右が女雛(関東雛)が一般的で、公家の流れを組む京都や関西地方の一部では、向かって右が男雛、左が女雛(京雛)が一般的です。
ちなみに、現在、男女が横に並んで写真を撮る時は、一般的に向かって左に男性、右に女性、つまり、関東のひな人形の並べ方が一般的になっています。明治時代までは、上座に男性、下座に女性とされていたので、向かって左に女性、右に男性でしたが、西洋化の影響を受け、初めて公式に向かって左に男性、右に女性と並んで写真撮影をしたのは大正天皇・皇后陛下であったと言われています。

国旗の縦置き掲揚
さて、国旗を掲揚するときに、国旗を縦置きに吊るす場合があります。
しかし、国旗というものは、縦横のサイズが決まっているので、縦置きにするのは特別なケースです。

特に、オランダ、ブラジル、イラク、イラン、サウジアラビアの国旗は基本、縦起きにしてはいけません。
ブラジルの国旗には円の中に「ORDEM E PROGRESSO(秩序と進歩)」という文字が含まれています。文字があるデザインは縦置きすると読みにくくなり、意図が失われる可能性があります。
イラクやイランの国旗にも文字が含まれており、特にアラビア文字は上下や左右に特定の向きがあるため、縦置きにすると不自然になります。
(1)右90度
国旗を縦にする時には、日本や中国の国旗のように、基本、右に90度回します。


(2)左90度
カナダやドイツの国旗は、反対に左に90度回します。


(3)その他
アメリカ合衆国の旗も左に90度回しますが、星の部分(カントン)は必ず左上にしなければなりません。

また、リヒテンシュタイン公国の国旗も左に90度回しますが、王冠の向きや位置を左上に持ってこなければなりません。

(4)例外

オランダの国歌は「赤は多くの戦いに臨んだ国民の勇気を、白は神の永遠の祝福を待つ信仰心を、青は祖国への忠誠心をあらわす」と謳われています。正式縦横比=2:3で、基本、縦置きにすることはできません。
オランダ国旗を右に90度回してしまうと、フランスの国旗のトリコロールカラーと同じになってしまいます。

フランス国旗
世界には三色旗を使っている国は数多くありますが、三色旗はオランダが元祖で、赤、白、青の順序にも厳格な決まりがあるのです。縦にする時には、左から右に「赤、白、青」の順序になるように配置しなければなりません。この順序を間違えると、意味が損なわれたり、不敬と見なされる可能性があるのです。つまり、オランダの国旗は左90度に回すことができるのです。

縦置きオランダ国旗
一方、フランスの国旗は、右90度回して縦置きにすることに何ら躊躇はありません。

縦置きフランス国旗
ただ、この旗は、ロシアやルクセンブルクとよく似ています。

ロシア国旗
ルクセンブルクの国旗は、赤・白・水色の三色旗で、縦横比は3:5です。

ルクセンブルク国旗
類似国旗

オランダ ルクセンブルク
さて、最後に、オランダとルクセンブルクのように、よく似た国旗をいくつか紹介して、国旗の話は終わりにします。









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まとめ
日章旗(日の丸)が正式に日本の国旗となったは、1999(平成11)年に公布・施行された「国旗及び国歌に関する法律」(通称:国旗・国歌法)によってです。
各国の国旗掲揚には、他の旗と一緒に掲揚する場合や縦置きにする場合に、様々な約束事やマナーがあります。世界の国旗を見ながら、常識を知っておきましょう。
