ビッグボス誕生
皆さん、おはようございます。
2021年11月、北海道にビッグニュースが飛び込んできました。
「新庄剛志(SHINJOYシンジョイ)氏が、日本ハムファイターズの監督に就任!」
新庄選手は、型破りで「記録」よりも「記憶」に残る選手でした。
平成11年6月12日、阪神は7回裏に3対3に追いついたものの、8回表に1点を取られ、敗戦色が濃くなりました。しかし、その裏、新庄選手がファウルで何球も粘ったあげく、同点のホームランを打ち、4対4に追いついて、試合は振り出しに戻りました。それまで新庄選手は、あっさり三振に倒れることが多かったのですが、この年、野村監督の影響で、大変身をしていました。
それから延長11回裏、先頭バッターの新庄が、今度は3塁打を放ち、一打サヨナラという場面を迎えました。巨人は満塁策を取り、二者を敬遠してノーアウト満塁にします。ところが、そこからヒットも外野フライも出ず、阪神は絶好のチャンスを潰してしまったのです。新庄選手は、結局3塁ベースに釘付けのままでした。
そして次の12回裏、阪神は1アウトランナー1,3塁というチャンスで新庄選手がバッターボックスにたちました。巨人は、またも満塁策を取り、新庄選手を敬遠しようとしました。
ところが、その敬遠の2球目を、なんと新庄選手がサヨナラヒットにしてしまったのでした。
その前年の秋、野村監督が阪神に就任した時、新庄選手は、「野村監督が僕のことをどう思っているか知りたい。」なんてコメントをしていました。それを聞いて、私は、この新庄選手は、なんと傲慢な,自分知らずの駄目な若者だと思っていました。
その後、野村監督は新庄選手をピッチャーにしてキャンプを行いました。それが功を奏したのか、新庄選手はバッティングに粘りが出て、5月の月間MVPに輝く活躍をみせました。その時のコメントは、「僕の周りの人の中には、野村監督にピッチャーをさせられたりして潰されるかもしれないから気をつけろというアドバイスをしてくれた人もいたけれど、母が野村監督の言うことを信じてやりなさいと言ったものだから、信じてやることにしています。」でした。「母、偉し!」といったところでしょう。
それからの新庄選手のコメントにはいつも謙虚さが溢れていました。「お陰様で…」という発言が大変多くなったように感じました。
延長11回裏、先頭バッターで3塁打を打ったにもかかわらず、そのまま3塁に釘付けになっていた時も、「せっかく俺が打ったのに…」なんて顔はしていませんでした。母の言うことを素直に聞き、謙虚さが面に出るようになった新庄選手に、阪神ファンでもない私が、個人的に応援するようになったきっかけでした。
ハンカチ王子の斎藤佑樹選手が引退しましたが、日本ハムには、清宮幸太郎選手や吉田輝星投手など、伸び悩んでいる逸材がいます。監督が代わればチームも選手も変わります。
昨年最下位だったヤクルトやオリックスが、高津監督や中島監督に代わって、翌年に優勝しています。新庄監督のもと、どう復活するかが楽しみです。
そして、今年(2024年)、日ハムは新庄監督の采配のもと、ペナントレース2位に躍進しました。
“CHANGE” is “CHANCE”
さて。子どもを教育するうえで最も大切なことは、教育者の姿勢(在り方・覚悟)だと思います。
プロ野球の世界でも、指導者が変われば、あっという間に結果が変わるのですから・・・。
ところで、「CHANGE」という単語を「CHANCE」に変えるには、「CHANGE」の「G」の部分の「T」を取って「C」に変えることですね。
「G」の部分の「T」の横棒は「間口・総合化」,縦棒は「奥行き・専門家」の意味だそうです。すなわち、「T」は「TEACHER・先生」で、先生が変わらなければ、「CHANCE」は生まれないということでしょう。
Educationとは・・・
明治の初め、日本の近代化を目指した知識人たちは、欧米の文化を移入するため、それまで日本語になかった欧米の様々な概念を翻訳しました。たとえば、英語のfreedomを「自由」と翻訳したのは、福沢諭吉でした。
では、「教育」という言葉はどうだったのでしょうか。
これは、英語のeducationという言葉を、初代文部大臣の森 有礼が翻訳したとされています。文字通り、「教え、育てる」という意味です。
当時、このeducationの翻訳には、この他に2つの翻訳語が考案されていたそうです。その一つは、大久保利通が訳した「教化」,それと、福沢諭吉が訳した「開発」でした。
「教化」とは、教え導くことですが、上からの目線という感じがします。これに対し、「開発」には、子どもの自主性を尊重する視線を感じます。教え込ませるのか、自ら学ばせるのかの違いといっていいでしょう。本来、educationの元になったラテン語には、内にあるものを「引き出す」という意味がありますから、諭吉の翻訳の方が近いように思います。
educationするには・・・
さて、「教育」「教化」「開発」のいずれにせよ、子どもをeducationするには、忘れてはならない大切なことが2つあると考えます。
その一つは、「手本になる」ということです。
教育学者の斎藤 孝氏は、「教育という営みは、『憧れの伝染』である」と述べています。先生と生徒に限らず、親と子も,先輩と後輩も,上司と部下も,感化されて見習うものなのです。人を教育する立場にある人は、常に自ら学び続けるということが大前提です。
スポーツの世界には、監督やコーチを戒める「指導者は学ぶことをやめたとき、教える資格を失う。」という有名な言葉があります。学ぶ手本を示してこそ、本当に学ぶ意欲を引き出せるのです。
そして、もう一つ、教育の根幹に不可欠なものは、「愛」です。
愛に欠けた教育は、共感を持って受け入れられることはありません。ただし、身勝手で盲目的な愛情の押しつけではマイナス効果です。自制的で調和のとれた愛情、すなわち「愛和」の心が大切です。
Educatorであろう!
アメリカの教育者、ウィリアム・アーサー・ウォードがこんな言葉を残しています。
The mediocre teacher tells.
平凡な教師は言って聞かせる。
The good teacher explains.
よい教師は説明する。
The superior teacher demonstrates.
優秀な教師はやってみせる。
The great teacher inspires.
しかし、最高の教師は子どもの心に火をつける。
教師は、教えるプロ(Educator)を目指し、日々、研鑽に励みましょう。
to be relaxed
最後に、このサインをご存じですか?
一般に、手の平を相手に見せるアロハポーズでHang Loose(ハングルース)といわれています。
新庄剛志日本ハム監督も就任の記者会見でこのHang Looseをしていました。
意味は、「アロハ」「マハロ」「じゃあね」「気楽に行こう」「ありがとう」といった挨拶代わりに用いられるハワイのサインです。英語では、to be relaxed, easy going.といったところでしょうか。
これを手の甲を相手に向けた形で使うと、Saka(シャカ)と言われ、親しい間柄のくだけた感覚になるそうです。
そう、気楽に行こう!
Educatorは、子どもの可能性を引き出す時に、片意地貼っていてはいけません。
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