顔は変わる
皆さん、おはようございます。
先日、鏡を見ながら歯磨きをしていたら、娘がやってきて、鏡の中の私の顔を見て、「お父さんの顔って鏡で見るとなんか感じが違う」と言うものですから、鏡を2枚使って、鏡に映った顔を更に鏡に映して自分の顔を見せたら、自分の顔も思っているものと違うということに気づいたようです。自分の顔は、写真や鏡で見て知っているでしょうが、自分の顔は直接で見ることは出来ません。案外、人は、自分の本当の顔を知らないものです。
同じように、自分のことは自分が一番よく知っているようで、案外、自分の長所や欠点も知らないことが多いものです。自分のことを知るには、やはり、人の意見に耳を傾けることが大切だと思います。
ところで、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた『最後の晩餐』はサンタ・マリア・デッリ・グラッツェ教会付属の食堂の壁画として描かれた、420× 910 cm の巨大なものです。ダ・ヴィンチはテンペラという手法でこの絵を描いたので、痛みが激しく、近年修復されて、その姿が明らかになっています。
NHKによるCG画像
2003年、アメリカで出版されたダン・ブラウン著作の長編推理小説『ダ・ヴィンチ・コード』(The Da Vinci Code)では、イエスの右、こちらから見てイエスのすぐ左の3人の弟子が話題となりました。イエスの右隣に座る人物は弟子のマタイではなく、マグダラのマリアとされ、裏切り者は殺してやりましょうと言わんばかりに立ち上り、ナイフを握る右手を腰にしたのがペトロ。そして、右手にはイエスを売り渡して得た銀貨を入れた袋を握り、自分のことが言われていると分かっているのか、身を引いているのが裏切り者のユダです。
さて、イタリアで語られている伝説の顔の話です。
ダ・ヴィンチが『最後の晩餐』を描くのに、なんと20年かかったそうです。(公式記録では1495年から制作に取りかかり、1498年に完成したとされていますが…。)
ダ・ヴィンチが最初に描いたのがキリストでした。
町を出て、公園を歩いていた時に、非常に目が澄んでいて、肌がきれいで、すがすがしい好青年をみつけ、モデルになってくれるよう頼んだそうです。その後、徐々に12人の弟子を描くのですが、最後に残ったのが裏切り者のユダでした。ユダだけが描けなくて、10年以上苦しんでいたのだそうです。
ある日、ダ・ヴィンチは酒場の薄暗い片隅に、人生の悲哀とか、裏切りとか、憎しみ、妬み、嫉みみたいなものを全身に背負っているような男を見つけました。その男にモデルになって欲しいと頼み、『最後の晩餐』は完成したのです。
「ああ、やっと描けた」とダ・ヴィンチが安堵の息を吐いた時、そのモデルの男の目から涙がこぼれます。
「どうされたか。」と問うダ・ヴィンチに、そのモデルの男は、「あなたは私を忘れたのですか。20年前にモデルとしてキリストの絵を描いてもらったのに、20年たって再び描いてもらったら、裏切り者のユダであったからです。」と答えました。
この20年間、このモデルの男は、常に人の悪口を言い続けていました。世の中のこと、人のこと、恨み言、憎しみ言をずっと言い続けていたそうです。あの人はひどい人だとか、不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句を言い続けてきた結果、キリストのモデルになった人が、人生の敵意と憎しみを一身に背負った裏切り者のユダの顔のモデルになってしまったのです。
自分の顔に責任を!
アメリカ第16代大統領エイブラハム・リンカーンは、「40歳以上の人間は自分の顔に責任を持て」(Man over forty is responsible for his face.)と述べていますが、人間は、普段考えていることが顔に出るのです。
毎日、「嬉しい」「楽しい」「幸せ」と考えている人は、人から頼まれやすい笑顔になり、反対に、不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句ばかりを言っている人は、人から嫌われる顔になっていくのです。
私たち教師は生徒たちに単に勉強を教えているのではなく、人生の考え方や生き方を学ばせているのですから、教師としての顔に責任を持たなければならないと思います。
「一笑一若」
「笑う門には福来たる。」,「笑いは百薬の長」,といわれますが、笑いがストレスを発散させるのに効果があることは、誰でも経験的に感じているでしょう。よく笑う人は病気にもなりにくいそうです。
ガン患者とヨーロッパ・アルプス登山に挑戦し、「生きがい療法」をすすめている伊丹 仁朗先生が、患者に吉本興業の漫才を見せて、3時間後にガンなどの腫瘍細胞を殺す働きを持つナチュラル・キラー細胞の活性度を調べた結果、笑った後の検査では、すべて正常値に向かっていたそうです。
反対に「一怒一老」と言われるように、人間は、怒ると脳内にノルアドレナリンなどのホルモンが分泌され、体を老化させます。
ストレス学説の権威ハンス・セリエも、無理してでも笑うことを勧めています。よく笑う人は、ジョギングしたのと同じくらい、肉体を使うので、「笑いは体のジョギング」だという人もいます。
笑顔のコツは「口の形」
毎日、鏡を見よう!
ビジネススキルトレーニング会社を経営しているアメリカ人作家、マイケル・E・ガーバーは、「仕事は人間の心を映し出す鏡」と述べています。
どうですか、一度、じっくり鏡に映る自分の顔を見てみましょう。
鏡に映った顔は、他人が見ている顔とは違いますが、自分の顔に自分の人生の生き様が見えませんか? 仕事がつまらないと言う人は、やっぱりつまらない顔をしているものです。反対に、「毎日楽しい」と思って生活している人は、楽しい顔をしているものです。
また、机に向かって仕事をしたり勉強をしたりする際に、机に鏡を置いておくと、楽しく仕事や勉強がはかどるそうです。これは、心理学的には、「メタ認知」とか「ホーソン効果」という現象として認められています。
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