立春
皆さん、おはようございます。
今日は、まず、ある詩を聞いてください。
「自由」 T.U.
寒いのです、とっても寒いのです、それは自由の無い寒さか?
今夜もまた亀のように布団から顔を出し、2日に1回のテレビを見ているのです。
寒いのです、とっても寒いのです、それは自由の無い寒さか?
でも愛しい妻子に便りするとき、今夜も自由の無い寒さを忘れるのです。
寒いのです、とっても寒いのです、それは自由の無い寒さか?
2年目の冬、これが過ぎると、私にも自由がくるのです。
F刑務所の受刑者文集の中の詩です。
春を待ちのぞむのは、誰とて同じでしょう。
今年(2024年)は、2月4日が「立春」です。暦の上では、春を迎えます。
立春とは、「陰暦正月の節(旧暦で月の前半にくる節気)で、陽暦では節分の翌日の2月4日頃。二十四節気の最初の節であり、八十八夜、二百十日など、すべて立春の日から数える。暦の上では旧冬と新春の境い目にあたり、この日から春になる」とされています。
節分の日
そして、立春の前日(2024年は2月3日)は節分の日です。
もとは、立春、立夏、立秋、立冬の前日をすべて節分と呼んでいたそうですが、立春の前日は旧暦の大晦日に当たるので、いろいろと行事が行われてきました。豆撒きの風習なんかも、古く鎌倉時代からあったそうです。
皆さんは、節分の日は、豆撒きですか? それとも、恵方巻ですか?
豆撒き
豆撒きは、もともと散米、うちまきなどと名付けられた神事儀礼で、下級の精霊たちを供応する意味で神社などの周囲に米を撒いていたものが、民間に伝播していくうちに豆撒きに変わっていったとされています。
また、文武天皇の時代(706年)、疫病が流行して多数の死者が出た時に、中国の追儺の儀式を取り入れました。
これは、人々に疫病をもたらした悪鬼を想定し、鬼に扮装した者を、桃の弓や葦の矢で射たり、矛をもって大声で追い回す儀式でした。
江戸時代に入って、これら豆撒きと追儺鬼追いとが一緒になって、今のような「鬼は外、福は内」と大声で言いながら豆を撒く風習が完成したようです。
豆を年の数だけ食べると、その1年は無病息災であるとか。しかし、年をとって豆の食べ過ぎで体調を崩すのも困りますよね。
巻き寿司
節分の夜、その年の恵方に向かって、目を閉じて願い事を思い浮かべながら、無言で太巻きをまるかじりします。太い巻き寿司をラッパを吹くようにくわえて恵方に向かって私語を交えずに丸ごと食べる事により、1年間良い事があるそうです。
この恵方巻の起源は、豊臣秀吉の家臣、堀尾吉晴が節分の前日に巻きずしのような物を食べて出陣し、戦いに大勝利を収めたという故事を元にしていると言われていますが、「巻き寿司のまるかぶり」が節分のイベントとして世間に浸透してきたのは大阪が発祥の地で、大阪海苔問屋協同組合が道頓堀で行った行事をマスコミが取り上げ、全国の食品メーカーがそれに便乗して全国に広まったものだそうです。巻き寿司を使う理由は、「福を巻き込む」からで、また、まるごと食べるのは、「縁を切らないために包丁を入れない」ということだそうです。
ちなみに恵方は、5年ごとに同じパターンをたどります。
2024年は、東北東(東微北)。
来年以降は、西南西(西微南)→南南東(南微東)→北北西(北微西)→南南東(南微東)とくり返されます。
なお、2024年の恵方は、東北東(東微北)でも、「東北東やや東」(細かくいうと東北東微東)だそうです。
なお、恵方巻きの具材は何でも良いそうですが、七福神に因んで、かんぴょう、キュウリ、シイタケ、伊達巻、うなぎ、でんぶ、その等の七種類の具を入れるのが良いとされています。
イワシの頭も信心から
また、節分の夜には、ヒイラギの枝に焼いたイワシの頭を刺して軒下に出し、悪魔や厄を払う慣わしもあります。その臭いを串で目を突かれた鬼が閉口して逃げるというお払いの行事ですが、同時に、農作物の害虫退治の意味もあるようです。
イワシの話が出たついでに・・・。
私が大学院時代、同じ研究室にRさんという中国からの留学生がいて、懇意にしていました。その影響でいろいろと中国文化に触れることが多かったのですが、親しくなっても、彼は自分の生年月日を教えてくれません。
なんでも、生まれた日を知られるということは致命傷になるとか…。
つまり、生まれた日で性格や思考が読まれるので、よほどのことがない限り、中国人は他人には教えないのだそうです。四柱推命や六星占術なんかも、生年月日から性格や運命を判断しています。人間は、生まれた日によって太陽や月の影響も受けるのかもしれません(?)。
以前、担任した中学3年生のクラスで、受験直前に近くの神社に神頼みに行き、代表生徒が引いたおみくじを私がこっそりと見て、
「君らは実に運がいい。運も実力のうちだ。きっと、受験は「凶(強)運」で合格だろう。」
と言うと、全員、私立高校も公立高校も合格だったことがあります。
しかし、本当は、そのおみくじは「凶」でした。(生徒たちは皆、大吉だったと信じていたようです。)
(また、今は、神社などに生徒を連れて参拝するのは×です。)
「イワシの頭も信心から」・・・なんでも、物事をいいように捉えれば、いいように回転するように思います。
※イワシ=鰯
①弱い魚で、すぐに死んでしまう意味の「弱し」から「いわし」に転じた。
②「いやしい魚」の「いやし」が語源。
いずれにしても、このような風習が生まれたのは、季節の変わり目で、病魔や災難が多くなるからでしょう。
皆さんもくれぐれも体調に気をつけてください。
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