いのちのバトン
皆さん、おはようございます。
秋田県鹿角市に、二つの環状列石(野中堂環状列石、万座環状列石)を主体とする、約4000年前の縄文時代の古代遺跡があります。ストーンサークルや環状石が点在し、令和3年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。冬至の日の出や夏至の日の入りを示唆する石や出入口があり、縄文人たちの意識が残っている感じがします。

私たちは、父母2人,祖父母4人,そのまた上の8人の方の血を引き継いでいます。

10代遡ると1,024人、
20代遡ると104万8千576人、
30代前に遡ると10億7,374万1,824人、
40代前に遡ると1兆995億1,162万7,776人 です。
このことを書家の相田 みつをさんが、「いのちのバトン」という詩で表現されています。
父と母で二人
父と母の両親で四人
そのまた両親で八人
こうして数えてゆくと
十代前で、千二十四人
二十代前では--?
なんと、百万人を越すんです
過去無量の
いのちのバトンを受けついで
いま、ここに
自分の番を生きている
それがあなたのいのちです
それがわたしのいのちです
当然、4000年前に存在した縄文人の遺伝子も引き継いでいるわけで、この地に立つと、血が騒ぐ思いにかられます。
遺伝子をオンにする条件
さて、私たち人間の細胞の中には23対で46本の染色体があり、約2万~2万5千の遺伝子を持つとされています。
染色体(遺伝子)のうち、それぞれ「A or B」のどちらかが選ばれます。一人の男性から出来る精子の種類は、2の23乗通りの組み合わせがあるということです。すると、約840万通りの組み合わせになります。同じように、一人の女性から出来る卵子の遺伝子組み合わせも、840万通りですから、一組の男女から生まれる子供の遺伝子組み合わせの合計は、2の46通りとなります。ざっと、約7兆通りの組み合わせが存在しているということです。本当に、すごい確率で、「わたし」ってのは存在するのです。しかし、遺伝子には優位性があり、必ずしもその遺伝子が持つ情報が発現するとは限りません。
高血圧を引き起こす原因となる酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功された村上 和雄先生は、遺伝子をオンにする3つの条件を示されています。
一.高い志を持つこと。
二.喜びを多くの人と共有すること。
三.自分たちの仕事が世の中のためになるという熱き思いや意識を持つこと。
要は、志を高く持ち、感謝して日々を過ごし、プラス発想をすることで、いい遺伝子が働き出すことが証明されています。
体によい遺伝子をオンにする
大半の遺伝子はオフの状態、つまり休眠状態にあって、能力を開花させるには、眠っている遺伝子のスイッチをオンにしなければなりません。スイッチの操作次第で、天才にも凡才にもなり、能力も性格も変えることができるのです。
村上先生は、「嬉しい、楽しい、わくわく、感動、感謝といった〈陽気な心〉は体によい遺伝子のスイッチをオンにし、いじめ、不安、恐怖、失望といった〈陰気な心〉は体に悪い遺伝子をオンにする」とおっしゃっています。
村上先生は、お笑いの吉本興業と糖尿病の患者さんに協力してもらって、「笑いと遺伝子」というテーマで実験をされています。その結果、漫才を楽しんで大いに笑った後の糖尿病患者の血糖値は、大きく下がっていたというのです。
平成19年6月、東京の秋葉原で7人を殺害し10人に重軽傷を負わせるいう「アキバの通り魔」事件が起こりました。事件後、テレビや新聞は、犯人はなぜそのような事件を起こしたのか、様々な分析をしていました。そのいずれもが、村上先生の言う「いじめ、不安、恐怖、失望などの〈陰気な心〉に犯人が蝕まれていたといい、さらに、容貌や学歴での劣等感、負け組意識と勝ち組に対する憎悪、家族や世間からの孤立感など、ありとあらゆる負の感情に苛まれていたらしいと、伝えていました。
思いは物質化する
東洋思想家で「昭和の時代の宰相の知恵袋」と称された安岡 正篤氏は、「思いは物質化する」と述べています。零下212℃の冷却装置の中に吐く息を吹き込んで液化させると、精神状態によって色が違うのだそうです。平静な状態であれば、殆ど無色に近いそうですが、激しく怒った後だと、毒々しい栗色になるのだそうです。また、悲しんでいる時は灰白色、恐怖の時は青色、そして恥じると桃色になるといいます。感情というものは、息の色を著しく変化させるので、マイナス感情に陥らないようにしなければいけません。
また、「心身統一法」を普及させた思想家の中村 天風氏も、感情が消極的になると、血液の色や味わいが変化すると述べています。怒ると黒褐色に変化し、その味わいは渋くなり、悲しむと茶褐色となって苦味を呈しますが、恐れると淡紫色傾向となって酸味を感じるのだそうです。
現在、遺伝子解析が進み、唾を検査するだけで、将来かかりやすい病気や出生地などもわかる時代となりましたが、その遺伝子を発現させるかどうかは自分次第だということでしょう。

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まとめ
人間の細胞の中には23対で46本の染色体があり、約2万~2万5千の遺伝子を持つとされています。一組の男女から生まれる子供の遺伝子組み合わせの合計は2の46通りとなり、約7兆通りの組み合わせが存在しています。
遺伝子をオンにするには、高い志を持つこと、喜びを多くの人と共有すること、自分たちの仕事が世の中のためになるという熱き思いや意識を持つこと、の条件が示されています。
要は、志を高く持ち、感謝して日々を過ごし、プラス発想をすることで、いい遺伝子が働き出すことが証明されています。体によい遺伝子をオンにしましょう。