お彼岸に再確認したいこと。
皆さん、おはようございます。
今日は、太陽が真東から上り、真西に沈む秋分の日です。
今年(2024年)は9月22日で、その前後3日間がお彼岸となります。9月19日が「彼岸入り」、9月26日が「彼岸明け」です。
彼岸というのは、この世を「此岸」というのに対する言葉で、ご先祖のことを思い、ご家庭によってはお墓参りをしたり、先祖供養をしたりする時期ですね。私たちは、たくさんのご先祖の血(「遺伝子」といった方がいいかもしれませんが)を引き継いでいることを再確認しましょう。
ご先祖がいなかったら、私は生まれてこなかったのです。
父母が2人,祖父母が4人,そのまた上が8人・・・,
10代遡ると、1,024人。
20代遡ると、104万8千576人。なんと100万人を越えます。
30代前に遡ると2の30乗=10億7千3百74万1千824人となります。
さらに40代前に遡ると2の40乗で、1兆9百95億1千162万7千776人です。
そのうちたった一人欠いただけでも、私は生れなかったわけです。
命のバトン
書家の相田みつをさんが、このことを「いのちのバトン」という詩で表現されています。
父と母で二人 父と母の両親で四人 そのまた両親で八人
こうして数えてゆくと 十代前で、千二十四人 二十代前では--?
なんと、百万人を越すんです
過去無量のいのちのバトンを受けついで いま、ここに自分の番を生きている
それがあなたのいのちです。それがわたしのいのちです
今は平均寿命が80歳を超えていますが、明治時代までは人生50年といわれていました。
仮に30歳で子どもを産み、子孫を持ったと仮定しても、40代さかのぼると1200年前ですから、菅原道真が生きていた平安時代のことです。その頃から数えて1兆人の命、遺伝子を引き継いでいるのが私です。
命の尊さを感じますね。
彼岸花
さて、秋のお彼岸の時期になると、田んぼのあぜ道などで赤い花が目立つようになります。そう、「彼岸花」ですね。
「彼岸花」は、別名、「曼珠沙華」とも言われますが、その他には、あまりいい名前はつけられていません。
「火事花」「捨て子花」「死人花」「幽霊花」と言われ、家の中に持って入ってはいけないと言われていますし、「手腐れ花」と言われ、触れてもならないとされています。また、リコリンという毒を持っており、茎の部分をなめると舌が麻痺することから、「舌しびれ」という名もつけられています。
私も小さい頃から、彼岸花には触れるなと言われて育ってきました。まして、家に持って帰ろうものなら、親からひどく叱られたものです。彼岸花は、こんなふうに嫌われてきた花です。確かに子どもが触れるとよくない花でしょうが、本当によくない花なのでしょうか。
実は彼岸花の根は良質のでん粉を多量に含んでおり、リコリンという毒から多種の薬を作ることが出来ます。また、こんにゃく芋の根と同じように、もぐらなどの動物に食べられたりすることもないので、無農薬で育つ花だそうです。以前、話題になった、食中毒を起こす腸管出血性大腸菌O(オー)157なんかには、彼岸花に触れている人は強い抵抗力をもつという報告もあります。そう考えると、彼岸花は、先入観や無知が偏見を生んできた花ではないかという気がします。要するに、先入観や無知のために、人々から忌み嫌われ、「いじめ」られてきた花ではないでしょうか。
私たちの人間関係で、こんなことはないでしょうか。本当は素晴らしい人物なのに、先入観や無知のために、嫌ったりしていることはありませんか?
無知が偏見を呼ぶ
私は大学院で研究に息詰まっていたある日のこと、ふと、数学の授業を聴講しにいきました。そこでは円柱の図形をやっていました。円柱は側面から見ると長方形に見えますが、真上から見ると円に見えます。「なるほど」と思いました。物事はある面だけで眺めてはいけません。見方を変えれば違うように見えるものです。
人も同じでしょう。ある面からしか見るのではなく、いろいろな角度から見れば、100%いい人間はいないのと同じで、100%悪い人間もいないことに気づきます。
私は、彼岸花を見る度に、「無知が偏見を呼ぶ」(Ignorance makes prejudice.)ということを再認識するようにしています。
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