ストレッサーを従える!
皆さん、おはようございます。
お茶の水大学名誉博士で生命科学者の柳澤桂子さん。サイエンスライターとして、また、ジャーナリストやエッセイスト、歌人としても活躍されていますが、人生の半分以上を病と共に生きてこられたそうです。長い闘病生活の中で自らの死と生命に向き合い続け、『生きて死ぬ智慧』など、数々のベストセラーを世に送り出してこられています。
WHO(世界保健機関)の心身医学・精神薬理学の教授で、東京の千代田国際クリニック院長、『本当は怖い「低血圧」 あなたの「うつ」、実は「低血圧」かも?』などの著書でも有名な医師の永田勝太郎先生との対談が月刊「致知」に載っていましたので、紹介します。
ストレスによって打ちひしがれることはやむを得ないことだと思います。
でも大事なことは、打ちひしがれた中でいかに立ち上がるかなんです。
これはレジリエンス(回復力)と呼ばれて、NHKテレビの特集で話題になっていますが、残念ながら本質を突いたものはなかなかありません。
このレジリエンスという言葉がどこから出てきたかというと、ヴィクトール・E・フランクル先生です。彼はユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還し、「強制収容所における一心理学者の体験」として、『夜と霧-ドイツ強制収容所の体験記録-』を著しています。
フランクル先生は強制収容所の中でこうおっしゃっています。
「1つの挑戦を持っていることは、どんなことよりも強いことだ。それがストレスを乗り越える力になる。」
人間のストレスの対処の仕方には4つあると言われています。
①ストレスの原因であるストレッサーから逃げる。
②ストレッサーと闘う。
③ストレッサーに諂(へつら)う(過剰反応する)。
④ストレッサーに従ったふりをしながら従えてしまう。
そして、④こそ、したたかな生き方で、柳澤先生はまさにそれだとおっしゃっています。
人類は数え切れないほどの困難を乗り越えて、したたかに生き残ってきた存在です。こういうことは、他の星では二度と起こらないと思われます。
私たちが命をいただいて、ここにこうして存在しているということは、本当に「奇跡」としか言いようがありません。だとしたら、自分の命が大切であるように、他の人の命もまた大切にしなくてはいけません。』
柳澤先生は40年以上の闘病生活を続けてきて、様々な困難を乗り越える中で、奇跡的な命の大切さを感じてきたそうです。
新型コロナウイルスの影響が長期化する中、文科省から、小・中・高校生の自殺が過去最多となったという報告がありました。
警視庁からも、自殺予防教育推進の通達が出されています。
私は、「死ぬな」というよりも「自他の命を大切に」という指導をした方がいいと個人的には思っています。
ストレスを溜めない10の過ごし方
「暮らしを素敵に丁寧に。」をコンセプトに、ファッションや雑貨、インテリアなどの情報を集めて紹介するライフスタイルメディア「キナリノ」https://kinarino.jpより
1.完璧を求めず「まぁ、いいか。」で許してしまおう。
2.「大丈夫」と受け入れる。
3.「…しなきゃ。」「…しなければ。」自分ルールを手放そう。
4.頭をたくさん使った時は「かるーく」散歩しよう。
5.「人はひと。私はわたし。」マイペースで生きよう。
6.モヤモヤ、嫌な気持ちは「さっぱり」洗い流そう。
7.窮屈を感じたら「ぱーっと」ひとりで旅に出よう。
8.心と身体をとことんリラックスさせよう。
9.大好き物を“自由に楽しく”食べる日をつくろう。
10.溜まった疲れを「ほぐす」ストレッチやマッサージをしよう。
毎日ハグ健康生活!
さて、ストレス解消に、最近注目をあびている解消法をひとつ提示しましょう。
それは、毎日「ハグ」する(される)ことです。
1.脳内ホルモンの分泌
ハグをすると、脳内では様々なホルモンが分泌されることがわかっています。
(1)オキシトシン
オキシトシンが分泌されることで、血圧の上昇を抑え、深く呼吸することができます。深呼吸することで副交感神経が優位になり、心身ともにリラックス効果を得られるのです。自律神経のバランスが整い、緊張状態が柔らぎます。心が癒されてストレスが減少することにもつながります。 オキシトシンは、別名「幸せホルモン」「愛情ホルモン」と呼ばれていて、分泌されると幸せを感じることで有名なホルモンです。また、オキシトシンには、食欲抑制効果や脂肪燃焼効果があることもわかっていて、無理な食事制限や運動をしなくても、ダイエット効果が得られます。
2021東京オリンピック
ソフトボール金メダル獲得後の宇津木麗華監督と上野由岐子投手
(2)エンドルフィン
エンドルフィンは「脳内麻薬」とも呼ばれていて、β-エンドルフィンが分泌されると、高揚感や満足感が高まり、ハイな気分になってきます。
また、エンドルフィンには、モルヒネの6.5倍の鎮痛作用があります。痛みがある時に、しっかりハグしてもらうと、痛みも感じないというわけです。
(3)セロトニン
セロトニンは、睡眠誘導作用があるメラトニンを作り出すため、ハグによって睡眠の質が高まる効果が期待できます。
(4)ドーパミン
ドーパミンはやる気と幸福感を得られるだけでなく、運動や学習、感情、意欲、ホルモンの調整など、多くの生命活動に関与しています。特に感情、記憶、思考、理性、意識、理解などの心の機能に関与しており、人格形成においても重要な働きをします。
2.ハグの対象と効果
(1)恋人や夫婦などのカップル
ハグは愛情表現の1つです。ハグすることによって2人の絆が深まっていきます。
(2)友達同士
喜びを分かち合ったり、慰めたりする時にハグすることで、友情や信頼関係を深まります。
(3)親子
小さな子どもは親、とくに母親とハグすることによって絶対的な安心感を得られ、親からの愛情を強く感じます。
子どもが自我を持つようになる前にたくさんハグをすることが、子どもの自己肯定感を高めるといった人格形成に影響を与える傾向があります。
3.ハグの方法
毎日30秒間ハグをすると、病気予防効果もあることが報告されています。
また、背中をさするときは、約5cm程度の幅をゆっくりした手の動きでなでると効果的です。
家族セラピストのバージニア・サティアが、「私たちは生き残るために1日4回のハグが必要だ。調子を整えるには1日8回のハグが必要だ。成長のためには1日12回のハグが必要だ」と語っています。
それから、ハグの相手は人間でなくても効果を得られるといわれています。ペットや抱き枕、大きなぬいぐるみでもOKです。なかなか夜に眠れない場合は、愛着が湧く抱き枕を用意してみると、ハグの効果を実感することができます。
4.その他
看護師さんが患者さんの手をとって背中をさすってあげるのは医療ケアなのに、男性医師が女性患者に同じ行為をするとセクハラといわれるそうです。
昔は女性生徒を膝の上に乗せ、頭をなぜながら指導していた男性教師がいましたが、今はとんでもない行為でしょう。基本、生徒への身体接触は「✖」ですね。
セルフハグのススメ
文字通り自分自身をハグする、つまり自らの手で自分を抱きしめることです。
好きな人や仲の良い友達、あるいはペットなどをハグすると気持ちが落ち着いたり、癒やされたりすることがありますが、自分で自分に行う「セルフハグ」にも同様の効果が期待できるといわれています。
ハグには副交感神経を優位にして自律神経を整える効果が期待でき、副交感神経が優位になると血管が緩んで血圧が下がり、心身がリラックスするのです。 ハグによって自律神経に作用すれば緊張がほぐれ、ストレスも和らぐでしょう。
セルフハグのやり方は、腕を胸の前でクロスし、自分自身の体に回してぎゅっと抱きしめるだけです。 腕や手の位置はどこでも構いません。 肩や首・頭・胴体など、自分が心地いいと感じる場所を、好きな強さで抱きしめましょう。 ハグが苦手なら、肩や腕をなでるだけでもOKだそうです。
(1)安心感が高まる。
(2)幸福感を得られる。
(3)自己肯定感がアップする。
(4)他人に優しくなれる。
(5)よく眠れる。
(6)食欲を押さえられ痩せ体質
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