「それが大事」
皆さん、おはようございます。
「あなたにとって、大事なことは?」と聞かれたら、何と答えますか?
「お金」「時間」「家族・恋人」「自分」「愛犬」「車」・・・プライベートでも、仕事でも、大事なことはたくさんあるでしょう。人間はたくさん大事なものを抱えて生きているのですから、当然のことです。
さて、1991年、大事MANブラザーズバンドのボーカル、立川 俊之さんが作詞・作曲した「それが大事」は、160万枚を超える大ヒットを記録し、2005年にはディズニー映画『ムーラン2』でも歌われています。
その歌詞が衝撃的でした。
♪ 負けない事 投げ出さない事 逃げ出さない事 信じ抜く事
駄目になりそうな時 それが一番大事
負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、信じ抜く事
涙 見せてもいいよ それを忘れなければ
時が経て、2015年、立川さんはこんな話をされています。
「『それが大事』という曲を24年間歌ってきました。そうしましたら、何が大事かわからなくなってしまった。」・・・
負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、信じ抜く事、「どれも大事じゃない」と思ったのだそうです。
そして、「本当に一番大事なこと」は、「自分にとって何が一番大事なのかを考える」ことではないかと述べています。つまり、大事なことは人によって違うのだから、「もっともらしい人」が口にするもっともらしい言葉をそのまま信じるのではなく、「自分の経験も鑑みながら、熟慮熟考を重ねること」で少しずつ分かってくると説いたのです。
そして、翌2016年、『それが大事』のアンサーソング「神様は手を抜かない」を発表しました。その歌詞を見てみましょう。
♪ だから負けてもいい 投げ出してもいい 信じ抜けないこともあるだろう
全力で自分を擁護しろ!
負けてもいい 投げ出してもいい 信じ抜けないこともあるだろう
泣いてもいい 逃げ出してもいい どうせ神様は手を抜かない
そして、こんなコメントを残しています。
「負けないことっていうのももちろん大事なんだけど、一生懸命やってきた結果、思うようにいかないこともあるし、信じ抜けない時もあるでしょうし、負けちゃったっていいじゃんっていう考え方もあっても良いんです。その両方を併せ持って一対だと思うんです。」
「その都度その都度、人間は変化し続ける有機体だと思うんです。過去の反省と未来への宣誓と言いますか…。」
「人生って最終回ないですから、1回終わったように見えても次があるっていうことなんです。そんな時でも、神様は手を抜かないから、運命に身を委ねる時はそうしてみたら。」
「誰が大事なんだろう? 何が大事なんだろう? どういうことが大事なんだろう? 常に考えているこの事自体がやっぱり大事な事なんだなぁって思います。」
「か・た・ちが大事」
着物を着たら、大股では走れませんので、自然におしとやかな歩き方になるし、学校の制服から普段着に着替えれば、遊びに行くという気分になるでしょう。
落ち込んだ時、暗い顔をしていると、ますます気分が沈んでいきますが、そんな時ほど、明るく振る舞っていると、不思議に明るい気分になるものです。
言葉も、荒っぽい言葉を使うと、格好までそのような感じになってきます。
何でも、最初は形から入るものです。
乱れた服装をしていると、心も乱れてきます。
人と違う格好をしてみたくなるのは、若さの特権かもしれませんが、「服装の乱れが、心の乱れに通じる」ということをしっかり認識しましょう。
「学は一生の大事」
「生涯学習」という言葉が言われて久しいですが、これは、何も最近の言葉ではありません。
江戸時代の儒学者、佐藤 一斎の「言志四録」は、彼が42歳から80歳の生涯を閉じるまでに書き続けた「言志録」「言志後録」「言志晩録」「言志耋録」の4つの書を総合したものですが、その「言志晩録」にこんな言葉が書かれています。
少ニシテ学ババ、則チ壮ニシテ為ス有リ。
壮ニシテ学ババ、則チ老イテ衰エズ。
老イテ学ババ、則チ死シテ朽チズ。
すなわち、少年の時にしっかりと学ぶと壮年になってから役立ち、壮年の時も学び続けると老年になっても気力が衰えることはない、老年になっても学び続けると知識も一層高く深まり、社会に役立ち死後も名が朽ちることはないと説いたのです。
人生は1回限りです。だから、人生を大切にし、自重自愛すべきであることは言うまでもありません。佐藤一斎は、単に自分の世界に閉じこもることではなく、自己を研鑽することによって、「世界第一等の人物」「古今第一等の人物」になるためのノウハウを明らかにしました。「どうせ自分はこんなものだ」という「仮己」ではなく、「真己」によって自己を育成し、天の力と同等の力を得ることができるとしています。
そのためには、少年の時も、青年の時も、老人になってからも、勉強を続けなさいということです。
西郷 隆盛が「言志四録」の中から101ヵ条を選んで、座右の銘にしたことがよく知られています。
「兵は国の大事」
日本マンパワーの小野 憲さんは、社員を5つのタイプに分け、タイプごとに要員管理をすべきだと語っています。
①経営者としてマネジメントができる人。
②ちょっと変人だが、新しい企画を立てたり、一つのことを任せると力を発揮する人。
③技術力が非常に優秀だったり、専門的な能力のある人。
④経営能力はないが、管理能力のある人。
⑤ただの人(さばくだけの人)
この他に、何事につけても後ろ向きで、愚痴ばかり言ったり、人の言動にケチをつけたり、できない理由ばかりを挙げて周りまで暗くする、職場の空気を汚す人もいるかもしれません。
伸びる企業というのは、注目される5年くらい前から人集めをしています。人材は一日では育ちません。先を見て、必要な人材を確保・育成することが大切でしょう。
「大事は小事の積み重ね」
英語のことわざに、“Little brooks make great rivers.”(小川は大河となる。)というのがあります。
どんな大河も初めは一滴の水です。一滴一滴の水が小川となり、それが大河となって海に注ぐように、大海原も一滴一滴の水がなければ存在しません。この自然の理を無視することは出来ません。
英語の“brooks”は、「小川」という意味と、「がまんする」という意味があります。大きなことをなすには、目先の小さな事を為し遂げ、その積み重ねが大切なのです。
二宮 尊徳は、
「大事をなさんと欲せば、小なる事を怠らず勤むべし。小つもりて大となればなり。」と教えています。
また、これに続いて、
「およそ小人の常、小なることをおこたり、出来がたき事を憂いて出来易き事を勤めず、それ故ついに大なる事をなすこと能わず。千里の道も一歩ずつ歩みて至る。山を成すも一簣(き)の土より成る事を明らかにわきまえて、励精、小さなる事を勤めば、大なる事必ず成るべし。小さなる事をゆるがせにする者、大なる事は必ず出来ぬものなり。」
と「二宮翁夜話」に記しています。
「今が一番大事な時だ、もう一歩。」
武者小路 実篤は、学生時代にロシアの文豪トルストイの思想に感銘を受け、志賀直哉と雑誌「白樺」を創刊、1918年に「新しき村」を宮崎に建設する一方、多くの著作で世を問いました。
彼は、いつも「今が一番大事な時だ、もう一歩。」と自他を励ましたと言われています。彼の著作「友情」に、彼の人間賛歌が示されています。
「人間は矢張り正直者の世界だと思う。だから僕はこの世に正直に生きて来て今日でも喜んで生きていられる事を知っている。実際、正直者が多いから僕も安心していられ、正直に言いたいことを言い、嘘をつかずに安心して生きていられる。」
いまが大事
最後に、相田 みつを氏の詩を紹介しましょう。
こんな顔で(山田寺の仏頭によせて)
宮沢賢治の詩にある
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」というのは
こんな顔の人をいうのだろうか-
この顔は
かなしみに堪えた顔である
くるしみに堪えた顔である
人の世の様々な批判にじっと堪えた顔である
そして
ひとことの弁解もしない顔である
なんにも言いわけをしない顔である
そしてまた
どんなにくるしくても
どんなにつらくても
決して弱音を吐かない顔である
絶対にぐちを言わない顔である
そのかわり
やらねばならぬことは
ただ黙ってやってゆく、という固い意志の顔である
一番大事なものに一番大事ないのちをかけてゆく-
そういうキゼンとした顔である
この眼の深さを見るがいい
深い眼(まなこ)の底にある
さらに深い憂いを見るがいい
弁解や言い訳ばかりしている人間にはこの深い憂いはできない
息子よ
こんな顔で生きて欲しい
娘よ
こんな顔の若者とめぐり逢って欲しい
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