こんなところにある鏡
皆さん、おはようございます。
神社の中にあるものは何か知っていますか?
そう、「鏡」です。どうして鏡が飾ってあるのかというと、一説には、「鏡」は「化我美」(かがみ)と書くので、鏡に映る自分=「我」(が)をとると、かみ=「神」となるからだそうです。つまり、神様の中に自分がいるとも考えられますし、我がままな心をとると神様に近づくとも考えられるでしょう。
ディズニーアニメの「ライオン・キング」で、大人になったシンバが水に映る自分の姿を見て、父親のムファサを思い出し、仲間のところに帰っていく決意をするという場面がありますが、水は鏡にもなりますね。
鏡に関する格言
鏡に関する格言をいくつか紹介しましょう。
・鏡は自惚れの醸造器である如く、同時に自慢の消毒器である。(夏目漱石)
・世界とは鏡のようなもの。それを変えるにはあなたを変えるしかない。(アレイスター・クロウリー)
・人を許すことが出来なければ、鏡を見なさい。(作者不詳)
・子どもは父母の行為を映す鏡である。(スペンサー)
・人と人とは鏡写し(大胡田 誠)
・仕事は人間の心を映し出す鏡(マイケル・E・ガーバー)
・明鏡止水(荘子)
・心は明鏡の如し 時々に勤めて払拭し 塵埃を惹かしむ莫れ(神秀)
どうですか、一度、じっくり鏡に映る自分の顔や姿を見てみましょう。
机に向かって仕事をしたり勉強をしたりする際に、机に鏡を置いておくと、楽しく仕事や勉強がはかどるそうです。これは、心理学的には「メタ認知」とか「ホーソン効果」という現象として認められています。
鏡に関して、星野 富弘さんが、こんな詩を書いています。
「鏡に映る顔を見ながら思った。
もう、悪口をいうのはやめよう。
私の口から出たことばをいちばん
近くで聞くのは私の耳なのだから。」
私は、この詩がとても好きですし、自分の戒めにもしています。
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子は親の鏡
「子は親の鏡」と言われます。
ドロシー・ロー・ノルトの「子どもが育つ魔法の言葉」(PHP文庫)は有名ですね。
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる。
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる。
不安な気持ちで育てると、子どもは不安になる。
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる。
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる。
親が他人を羨んでばかりいると。子どもも人を羨むようになる。
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう。
励ましてあげれば、子どもは自信を持つようになる。
広い心で接すれば、キレる子にはならない。
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ。
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ。
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる。
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる。
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ。
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る。
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ。
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ。
守ってあげれば、子どもは強い子に育つ。
和気あいあいとした家庭に育てば、
子どもは、この世はいいところだと思えるようになる。
この言葉は、「子ども」にだけじゃありません。「新任教師」だって、「新社会人」だって、「新米ママ」だってそうだと思います。
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隣の芝生は青く見える。
先日、鏡を見ながら歯磨きをしていたら、小学生の娘がやってきて、鏡の中の私の顔を見て、「お父さんの顔って鏡で見るとなんか感じが違う」と言うものですから、鏡を2枚使って、鏡に映った顔を更に鏡に映して自分の顔を見せたら、自分の顔も思っているものと違うということに気づいたようです。
自分の顔は写真や鏡で見て知っているでしょうが、自分の顔は直接見ることは出来ません。案外、人は、自分の本当の姿を知らないのです。
同じように、自分のことは自分が一番よく知っているようで、案外、自分の長所や欠点も知らないことが多いものです。自分のことを知るには、やはり、人の意見に耳を傾けることが大切だと思います。
ドイツの世界的な建築家にブルーノ・タウトという人がいました。彼は、「最も単純なものの中に最大の美がある」という命題を追究した人で、昭和8年、京都の桂離宮を見て、世界の建築の最高傑作だと称賛しています。桂離宮の円熟の境地に達しながら、しかも同時にまた小児のごとき純真無邪の特性を備えた単純な力強さ,清楚で自然のままの素朴さに心を惹かれます。
桂離宮の造営された17世紀の頃の宮殿とは、フランスのヴェルサイユ宮殿に代表されるように、壮大な構造をもち、豪華絢爛の装飾がなされています。しかし、そのような宮殿には、桂離宮で感じるような自然の安らぎはありません。タウトは、余計な装飾や構造を拒否した「単純」・「清楚」な中に、日本建築の美を認めたのでした。
タウトは、その後、神戸にもやってきています。当時、文明開化の影響で、神戸では洋風建築の建物が建ち並んでいました。まさしく、「他人の芝生は青く見える」状況で、日本は自分の国の「単純」・「清楚」な建築の素晴らしさを忘れ、ハイカラなものに心奪われていた時期でしょう。タウトは、神戸で見た洋風建築を「清浄な国土を汚すけがらわしいもの」と罵り、「言語道断な野蛮と味気なさ,それどころか激しい反感をもよおさせる無恥をすら暴露した、日本の醜い面を見た。」と怒ったのだそうです。
日本には日本の良さがあり、日本文化を大切にしなければならないと言われ出したのは、最近のことです。音楽にしても、これまで洋楽一辺倒だったのが、ようやく琴や尺八などの日本の楽器も取り入れようとされてきました。建築にしても、ようやく畳の良さが再確認され、藁葺きの屋根を取り入れる家も出てきたそうです。今、日本の国をタウトが見たら、何と言うでしょうか。
軽々しく他人に倣うことなく、自分たちの良さを見つめるようにしましょう。
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