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男らしさ・女らしさ(Masculinity Femininity)の否定は個性化・個別化教育と矛盾しないか?

タイトル 男らしさ・女らしさ
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桃の木を見て・・・

3月に入りました。

3月3日は、ひな祭り、上巳・桃の節句です。農家では、本格的な農作業の始まる季節なので、物忌みやみそぎの行事を行い、3日の夕方、人形に汚れを移して川に流したそうです。この祓い人形と雛遊びが混同されて、室町時代には上巳の節句にひな遊びの人形を飾るようになったといわれています。

ところで、「桃」という字は、「木」へんと「兆」という文字からなります。「兆」は「きざし」と読んで、「何かが起こり始める」ことを意味しますから、「桃」は、何かが起こることを予感させる木ということになりますね。そう考えると、桃の木は、春の訪れを期待させる木ということになるでしょう。また、「兆」には「たくさん」という意味もありますから、桃がたくさんの花を咲かせ、たくさんの実をつけるということにもつながっているようです。

「兆」に「てへん」をつけると「挑」、「しんにょう」をつけると「逃」となります。何か素晴らしいことを予感し期待して、「挑戦」(いどむ)ということになりますが、うかうかしていると、そのチャンスは「逃」げていってしまうこともあると考えられます。

さて、桃の節句・ひな祭りは伝統的に女の子のお祝いの日とされてきました。特に、0歳~1歳までに迎える初節句は特別な意味合いがあり、女の子の健やかな成長を願いながら厄除けとともに種々のお祝い事が行われています。

一方、男の子の初節句は、5月5日、端午の節句に行われています。

ジェンダーフリーが一般的になった現代においても、初節句は、男の子と女の子、それぞれの別の日に行われていることが多いと思います。

しかし、ジェンダー平等に関する意識の高まりと多様性に応じた教育(保育)をしようということで、「3月3日≠女の子のお祝い」「5月5日≠男の子のお祝い」という意識改革を叫ぶ方もおられます。

大河ドラマ「どうする家康」で、幼少時代の徳川家康が人形で遊ぶ場面が描かれていたことを取り上げ、ひな人形を男の子が飾ってもいいと言われる方もおられますし、お内裏様とお雛様に限定せず、お内裏様2体、またはお雛様だけでもいいと言われる方もいます。

時代に応じて風習は変わっていっていいと思いますが、伝統や文化の継承を軽んじるのはどうかと思います。

男女別々・男女混合

以前、学校の名簿というのは、ほとんど男子が先で女子が後でした。別に女子が先,男子が後でもよかったと思いますが、今ではほとんどの学校では男女混合名簿に代わっています。

実は男女を一緒に並べるのは不便なこともあります。男女を一緒にしている理由は、男女は別々でなく、男女差を意識させたくないということだそうです。男らしさや女らしさというようなジェンダー(性役割)は社会的に作られたものであって、今日のように女性の社会進出が当たり前のようになり、男女雇用機会均等法が制定されている社会にあって、男女を分けるべきではないということでしょう。

体育の授業では、かつては中学生になると男女別々にすることが多かったのですが、最近は、男女共習ですることが増えてきました。「生涯スポーツの重要性が叫ばれるなかで、大きくなって男女一緒に仲よく運動をする必要がある,そのためには、男女差を個体差と捉え、運動能力の高い男子は女子の立場を思いやって一緒に運動するべきだ」という理由です。

これまで、体育教師であった私も、男女一緒にいろいろと体育の授業をやってきましたが、本当に男女共習ですることがいいのか、疑問に思っています。

個性化・個別化教育が提唱されるのは重要なことでしょうが、果たして、性差を否定するのはいかがなものでしょうか。

男女の違い

近年、左右の脳の機能の違いの研究が進み、右脳を鍛えるべきという指摘がなされています。左脳は人間の論理的思考を担っているのに対し、右脳は人間の感情的な側面をつかさどっており、感覚や感性といったものは右脳の働きによるところが大きいことがわかってきました。

そして、男性は右脳と左脳を別々に使い分けることに秀でており、女性は右脳と左脳とが同時に働くため、どちらかというと、その使い分けが得意でないそうです。このことから、大脳生理学者の多くの方は、男性,女性のどちらが優れているという問題ではなく、両者の特性を考慮し、男子教育と女子教育を本来変えるべきだと提唱しています。(「話を聞かない男、地図が読めない女」というベストセラーもあります。)

私には2人の息子と1人の娘がおりますが、男の子と女の子というのは、生まれながらにして、性器の違いだけでなく、筋肉・骨格のつき方や発達のしかたに大きな違いがあるなと感じています。いくら、「男の子らしく」,「女の子らしく」ということを意識せずに育てようと思っても、生まれながらにして大きな違いがあるのです。スポーツ競技の世界では、男女一緒にできることはあまりありません。陸上や水泳競技の記録にしても、男女一緒には出来ませんね。

最近のオリンピックの競技で、たとえば陸上競技の男女混合リレーや卓球の男女混合ダブルスなどの種目をやるようになってきましたが、男女の競技力には歴然たる差があり、私は見る側として面白さを感じることはありませんでした。

男女差(性差)

男女は生来的に違いがあります。

いくら男性が家事をし、女性が社会進出をしようとも、男性には出産はできません。

以前、電子顕微鏡で、私自身の染色体を見せてもらったことがあります。

妻のそれと比較してみると、性染色体の大きさを見て唖然としました。私は男ですからXyの染色体で、妻はXXですが、yの染色体というのはXの染色体に比べ、10分の1くらいの大きさしかないでのす。生来、男は弱いものなんだなあと思いました。

昔は、「男の子なんだからしっかりしなさい」と言われて育てられてきました。出産時において、男女の人数比は、男:女=105:100だそうです。つまり、男の子は、病気になる率が高く、育ちにくいのです。我が家でも、同じように熱を出しても、男の子2人はダウンして寝ていますが、女の子は走り回っています。

冬山で遭難しても、女性の方が男性よりも生存率が高いことが報告されています。

また、一般に血液の3分の1を失うと死に至るといわれていますが、男性はほぼ100%死亡するのに対し、女性は90%大丈夫だともいわれています。つまり、男性と女性とでは、個体保持能力に著しい差異があるのです。

動物にも性差がみられます。

たとえば、猟師は獲物を獲るコツとして、つがいの雌の方から狙うのだそうです。雌を捕獲すると、逃げた雄は必ずその場に戻ってくるので、雄も捕獲できるのです。この回帰現象は雄本来のもので、雌にはみられません。(何か、酔っ払って酩酊状態になっても、家には帰ってくるお父さんを彷彿させませんか?)

人間においても、配偶者を失った場合、男性と女性とでは違いがみられます。女性はより若々しく元気になるのに、男性はより老けてぽっくりなんてことが多いとか…。

将来の仕事に関しても 男女の適性が 優先されるものがあります。

・・・やはり 力仕事は男性でしょう。体重80キロもある男を 救助できる女性は 数少ないと思います。

・・・他人の男性に性器を見せて介助してもらうことに抵抗のない女性はいるでしょうか。

生来的な男女の違いを個体差などといって片付けないで、性差として認め、男の子は「男らしく」,女の子は「女らしく」育てることは重要なことだと思います。

「らしさ教育」をするのは、個性化・個別化教育の一環といえると思います。

男の子らしく、女の子らしく

最近、昔のアニメで男らしさ・女らしさを表現していた番組はカットされています。たとえば、バレーボールのテレビアニメ 『アタックNo.1 』のオープニングテーマ「アタックNo.1の歌」(「アタックNo.1のテーマ」)や「カルピスまんが劇場」で放送されていたテレビアニメシリーズ『ムーミン』のオープニングテーマ「ねぇ! ムーミン」などです。

「アタックNo.1の歌」

苦しくたって 悲しくたって

コート―の中では 平気なの

・・・

「だけど涙がでちゃう 女の子だもん

「ねぇ! ムーミン」

ねえムーミン こっちむいて

・・・

わかるけど 男の子でしょ

だから こっち向いて

子どもを「男らしく」「女らしく」育ててはいけないことなのでしょうか?

そもそも、自分自身を知らない者が、他人の世話をできるものでしょうか?

また、自分自身を認められない者が、他人の存在を認めることができるものでしょうか?

私は、「男の子らしく」育てられるからこそ、女性に対して配慮できる男性が育つのであり,「女の子らしく」育てられるからこそ、男性を認める女性が育つのだと思います。

家庭の中における父性の喪失が問題になって久しいですが、子育ての中で、父親と母親の役割が違った方がいいと言われています。母親と同じ視点で父親が子どもをみていると、子どもの育ち方に偏りがみられるように感じます。

いずれ、子どもたちは成長し、社会を担う父親と母親になるのです。父親らしく,また母親らしくなるためにも、子どもの頃から、「男の子らしく」,また「女の子らしく」育てるべきだと思います。

私は、「らしさ教育」を否定するのは、個性化・個別化教育に矛盾しているように感じています。

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