~よきリーダーになるために~
鞍馬寺での不思議体験
皆さん、おはようございます。
京都の北部にある鞍馬寺に行ってきました。
源義経が牛若丸と呼ばれていた幼少期に、鞍馬天狗と修業をした所として有名ですね。
本殿金堂前の金剛床には「六芒星」が描かれており、ここに立って両手を広げ、空を仰いで祈ると、宇宙のエネルギーと一体化して願いが叶うと言われています。
御本尊は、千手観音菩薩・毘沙門天王・護法魔王尊が三身一体となった秘仏となっており、60年に一度、丙寅の年に開扉されます。
「月のように美しく、
太陽のように温かく、
大地のように力強く」
という教えが書かれてあります。
初めてここを訪れた時、私は仕事で管理職の立場になり、部下をいかに指導していくかということに苦悩していました。
金剛床に立って目をつぶった時のことです。カナダ精神科医エリック・バーン博士の言葉が、ガツンと音をたてて、頭に響いたのです。
「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる。」
そうなのです。「過去」と「他人」に加え、人の「感情」も簡単に変えることはできないのです。まして、子どもなら短期間に変えることはできても、大人を変えることなど私にできるはずもないと悟ったのです。
じゃあ、どうすればいいかというと、「未来」と「自分」と「行動」は自分次第で変えることができます。
そして、リーダーたる者、
「月のように美しく、太陽のように温かく、大地のように力強く」あろうと決心したのでした。
天を覆う雲は厚くとも、 太陽は常に大空に在る。
風が来て雲を払えば、 黄金の光が燦然(さんぜん)と輝く。
人の心に吹きすさぶ八風を、 苦悩の雲を吹き払う風として、
真実を観る智慧の光を迎えよう。
智慧の光が輝くとき、宇宙生命に生かされている万象を観る。
あなたも私も、花も鳥も、みな共に生かされているこの世界。
万象が織りなすいのちの相(すがた)、 宇宙に懸かる金色のいのちの網羅、
遠い昔から受け継いで来たいのちの絆、私もその中の一つのいのち、
たがいに手を繋ぎ響き合ういのち、
あなたも私も、樹も水も、みな共に厳然と生かされている。
慈愛の温もりに抱かれ、智慧の光に照らされて、
豊かな活力に満たされて、
今ここに生かされていることの嬉しさと有り難さ、
この歓びと感謝の輪を広げよう。
あなたも私も、あの人もこの人も、たがいに光り合い照らし合う、
明るい未来を信じ希いながら、一日一日を宝石のように大切に生きよう。
リーダー論
「ヤッテミセテ イッテキカセテ ヤラセテミテ ホメテヤラネバ 人ハ動カジ」
有名な山本五十六の言葉で、未だにリーダー論の引き合いによく使われる言葉ですね。
それぞれ、現代では次の言葉に置き換えて理解されると思います。
・やってみせて:率先垂範
・言ってきかせて:共通の目的意識と理解
・させてみて:充足感・信頼感
・ほめてやらねば:自信・意欲
・人は動かじ:連帯感・使命感
先哲たちから学ぶリーダー論のまとめてみました。
リーダーに必要な3V
1.Vision(ビジョン;理想)
まず、自分はこういうふうにしたいという理想をもつことが大切です。こんなクラスにしたい,こんな部にしたい,こんな学校にしたいという,明確な理想を持つことで、前向きに行動することが出来ます。
2.Vitality(バイタリティー;意欲・活気)
リーダーが暗い様子をしていれば、その集団も暗くなってしまいます。リーダーは、努めて、常に明るく振る舞うべきです。そうすることで、集団に元気が出て きます。
3.Voice(ボイス;説得・発言)
時に激しく、時に静かに、リーダーは集団に対して、声を出すべきです。リーダーの意志は声を通してこそ、伝わります。
五つの「アカン」
プロ野球の近鉄バッファローズの元、鈴木啓示監督が講演会で、次の五つの「アカン」を肝
に銘じて頑張りますと言っておられたそうです。
①人の話は聞かなアカン
②判断は的確にせなアカン
③心理学者にならなアカン
④根気よく指導せなアカン
⑤よく気がつかなアカン
Leaderの役目
Listen・・・・・・・・(耳を傾ける,傾聴する)
Education・・・・・(教育する)
またはExplain・・・・(説明する)
Assistance・・・・(支援する)
Discussion・・・・(話し合う)
Evaluation・・・・(評価する)
Respond・・・・・・・(回答する,責任をとる)
この中で、最も大切な役目は人を育てることではないでしょうか。人材育成には促成は効き
ません。じっくり育てる必要があります。
二宮尊徳は、人材育成について、
「それ遠きをはかる者は、百年のために杉苗を植う。」という言葉を残しています。
望まれるリーダー像
5つのルナ
①一人ですルナ (仲間)
②人まかせにすルナ(責任)
③ええかっこすルナ(ミスはミス)
④型にはまルナ (新鮮)
⑤さじを投げルナ (プラス思考)
5つのヤル
①聞いてヤル (聞き上手)
②わかってヤル (理解)
③知らせてヤル (努力)
④得させてヤル (満足)
⑤示してヤル (信頼)
良い人間関係は、自分の糧となります。
人を育てる秘訣(萩生そらい)
①人の長所を始めより知らんと求むべからず。人を用いて始めて長所の現れるものなり。
②人にその長所のみをとらば即ち可なり。短所を知るを要せず。
③己が好みに合う者のみを用うるなかれ。
④人材は必ず欠点あり、欠点なきは人材となすに足らず。
⑤小過を咎むる要なし。ただ事を大切になさば可成り。
⑥用いる上はそのことを十分に委ぬべし。
⑦上にある者下の者と才知を争うべからず。
⑧人材は必ず一癖のある者なり。器材なるが故なり。癖をすてるべからず。
⑨かくてよく用うれば事に処し、時に応ずる程の人物は必ずこれあるものなり。
⑩功は他に帰せ。罪は我に帰せ。
部下を育てる「カキクケコ」(二見道夫)
「カ」・・・「君、考えてみてくれないか」と部下を主役や当事者にすること。
「キ」・・・基本を繰り返すこと。
「ク」・・・「失敗もまた勲章」だと言ってやること。
「ケ」・・・計算で物事を考えさせ、計算で判断させること。
「コ」・・・「君の功績だ」と言ってあげること。
人使いのコツ(中谷 彰宏)
人を動かす前に、自分が動こう。
【説明しないで、人を動かす。】
【命令しないで、人を動かす。】
【叱らないで、人を動かす。】
●夢を与えてくれる人のために、人は動く。
●怒っている人の一生懸命さをほめる。
●行き詰まっている人に声をかけよう。
●小さなことに「よかったね」を忘れない。
●大事なことほど、立ち話でする。
●教えるのではなく、一緒に学ぼう。
部下指導のコツ(後藤 清一)
「五たい」をくみ取ること。
一.関心を持たれたい。
二.理解されたい。
三.認められたい。
四.信頼されたい。
五.可愛がられたい。
「ついていきたい」と思われるリーダー(岩田 松雄)
1. 謙虚なリーダーは尊敬される。
2. 挫折を経験すれば人の痛みがわかる。
3. 饒舌でなくても日々の態度から信頼は得られる。
4. 叱るときは相手の自尊心を傷つけない。
5. 率先して行動する。
6. 「困ったことない?」を口ぐせにする。
「君子の九思」(孔子『論語』)
1.見るときにははっきり見る。
2.聞くときにはこまかく聞きとる。
3.顔つきはおだやかに。
4.姿はうやうやしく。
5.ことばは誠実で。
6.仕事は慎重に。
7.疑わしいことは質問すること。
8.怒りにはあとのめんどうを思いなさい。
9.利徳を前にしては道義を思う。
組織論
活力ある組織とするためには、4つのファクターが必要である。
①アジテーター
推進役・邁進役。とにかく前に進む人。何かビジョンを掲げて、まっしぐらに進む,考える前に行動するタイプで、当然ながら、そのビジョンは穴だらけで、理論的・論理的でないことが多い。
②イデオローグ
理詰めで緻密に計画的に物事をすすめていくタイプ。アジテーターの掲げた穴だらけのビジョンを何とか取り繕い、前に進める。
③オルガナイザー
組織をまとめ、職場の人間関係をまとめる。家庭でいえば、母親役。フォローに徹するタイプ。
④トリックスター
サーカスのピエロ役。実は全体のことが一番よくわかっていて、組織の中を明るくするために冗談を言ったり、ボケたりする。どんな苦境や逆境のときでも、みんなを励ます真のネアカ人間である。
3つのI
アメリカ経営学協会(AMA)の会長、デビッド・ファジノ氏は、こんなことを述べています。
「経営を志そうと思えば、経営学修士より、リベラルアーツ(教養科目)の学位が有効である。なぜなら、経営とは人間そのものであるからだ。」
人を使うには、人間を知ることがベースだということです。経営学とともに、哲学、文学、歴史といった人間に根ざした学問を学び、さらに対人関係や人間への理解を深めることが必要なのです。
これからのリーダーには3つのI(アイ)を目指すべきだといわれています。それは、
Intenationalize(国際化)
Integration(統合)
interpersonal(対人関係)
です。
大きな視野に立った人間学が基本となるのです。
指導者(遠藤俊夫)
ついてきてこそ指導ができる。
ついてこないものを指導しようとしても、
それは無理である。
ついてこないのは、
ついてこないのが悪いのではない。
ついてこさせるものがないのである。
この人についてゆけば、
プラスになることがあっても
マイナスになることはないとわかったら、
心あるものならばだれでもついてくるだろう。
そこに指導者の絶えざる反省と
たゆみなき努力が必要である。
有能な指導者は常に学び、
魅力ある指導者は常に進歩し、
話の中にも文章の中にも
行いの中にもピカリとひかるものをもっている。
真のリーダーとは?
アメリカの小説家ヘンリー・ミラーの言葉に、
「本当のリーダーというものは、人をリードする必要はない。ただ道を示すだけでよい。」というのがあります。
あれこれと細かなことまで指示するリーダーは、面倒見がよく、優秀なリーダーではありますが、しばしば進むべき道を逸れ、時に進むべき道を見失うこともあります。真のリーダーは、常に過つことなく、正しい本筋だけを指し示す人なのです。
世界宗教の開祖たちや古代の偉大な哲学者たちに共通していることは、著書というものがありません。
釈迦は自ら出家修行して悟りに至り、人々に道を指し示しましたが、著書は残されていません。お経の冒頭に「如是我聞(にょぜがもん)」とあるのは、釈迦がこの世を去った後に弟子たちが釈迦の言葉や実践の様子を記録したということです。
イエス・キリストにも著書はなく、聖書に書かれているのは、後に弟子たちが言行を伝えたものです。
イスラム教の教典「コーラン」も神と一体になった状態のムハンマドが発した言葉を周囲の人々が記録したものだと言われています。
「論語」に至っても、「子曰く」と書かれている通り、孔子の言行録です。
ソクラテスにも著書はなく、弟子のクセノフォンの「ソクラテスの思い出」やプラトンの対話篇などから、その思想を伺い知るのみです。
彼らはみな理論の人ではなかったのです。何が正しくて何が間違っていると論じるのではなく、体験的直感的に把握した道をひたすら歩んだ実践者であったということです。
真のリーダーとは、高邁深遠な理論を説いて進むべき道を示すのではなく、厳しく他を批判し激しくアジる(扇動する)のでもなく、優しく手取り足取り教えるのでもありません。自ら行う人、ただ黙々と歩む人、すなわち実践者なのです。そしてその歩んだ跡に、人を仕合わせに導く道が出来ているのです。
「子は親の背を見て育つ」と言われますが、親が子を教え導かんとするならば、口うるさく指示するのではなく、自らが日々実践精進する姿をおいて子どもに示す他にないのです。子どもたちは、いつしか親の背を見て、自発的に歩み始めるものです。
安岡 正篤氏は、
「真の指導者は必ず謙虚で、私が無く、自己の利害・欲望によって汚されない良心から起つべきものである。社会の善のため、人類の幸福と進歩のために指導し、私心を満たすためにするのではない。賢明な指導者は、何よりも、まず自分自身の指導者、模範となるよう心掛けるべきだ。」
と述べています。これぞ「人の上に立つ人」だと思います。
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