啓蟄(けいちつ)
皆さん、おはようございます。
だんだんと暖かくなってきて、雷でもなれば、冬眠していた虫たちも目を覚まし、もぞもぞと地上に出ようとしてきます。……今年(2024年)は、3月5日が「啓蟄」です。
ところで、動き出すものは、地中の虫だけでなく、皆さんの心の中にもありませんか?
「サボリの虫」,「なまけの虫」では困るのですが、何か「春になったらやろう」と思っていることはありませんか?
早速、今日から始めてみましょう。
卒業おめでとう!?
さて、卒業式が間近に迫ってきました。
卒業の時は、「おめでとう」といいます。では、一体、何がおめでたいのでしょうか?
人によってそれは様々でしょうが、一番、考えてほしいと思うことは、ここまで無事に育ってきたことをどのように捉えるかということです。
小・中学校の卒業は義務教育の終了ですから、ほとんどの人は年齢がそれに達したら、卒業出来ます。別に卒業試験が悪かったからといって、卒業を延期させられるわけではありませんから、特に努力しなくても、卒業を迎えることは出来ます。だから、そのことに対して、「おめでとう、よくやったね」なんてのはおかしいと思います。
生まれてからこれまで、皆さんは多大な恩恵を受けてきたはずです。自然の恩、父母や家族の恩、先生や友達の恩、社会や学校の恩……。「恩」という文字は「心の原因」と書きます。心の元、つまり自分というものが、どこからやってきて、どんなふうに育ってきたのかを知ることではないでしょうか。
「恩」を知る。
「恩」という文字は、「口」と「大」と「心」から成り立っています。「口」は環境、「大」は人が手足を伸ばしている姿です。何のおかげでこのように手足を伸ばしておられるかと思う心が、「恩を知る」ということです。
生徒の皆さんは、これからは、受けてきた恩恵を、自分から発信することを考えましょう。「与えられる人」から「与える人」になること、これが大人になることと言えるかもしれません。
恩送り
「恩返し」という言葉がありますが、受けた恩をその人に直接返すというのは、なかなか出来ることではありません。しかし、受けた恩をまた別の人に送り伝えてゆくことは出来ますね。そのことを「恩送り」といいます。
日本には、古くからの言葉で、「情けは人の為ならず」というものがありますが、「恩送り」はこれに当てはまると思います。
近年、英語圏でも「恩送り」に相当する概念が、“Pay it forward”の表現で再認識されるようになってきているそうです。
Pay it forward or paying it forward refers to repaying the good deeds one has received by doing good things for other unrelated people.
この“Pay it forward”をテーマに2000年に小説『ペイ・フォワード―可能の王国』が書かれ、この本のアイディアをもとにペイ・イット・フォーワード財団というのも設立されています。
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