第二反抗期
皆さん、おはようございます。
中学2年生というのは、どんな時期でしょうか?
「中二病」という言葉もありますが、一般に「中だるみ」の時期だといわれますし、思春期の入り口にあって、精神的にも不安定な時期になりやすいと思います。それは、皆さん方の経験でもそうではなかったでしょうか。
人間は生まれた時は身長50cm,約3kgくらいですが、1歳の頃には身長は1.5倍に,体重は3倍にもなります。思春期は、これに次ぐ発育急進期で、第二次性徴のみられる特有の時期です。当然、親や教師に対して第二反抗期にあります。(といっても、身長150cm、体重50kgの中学1年生が1年間で身長は1.5倍(225cm)に,体重は3倍(150kg)になることはあり得ませんが……)
ただ、最近は、反抗期のない子どもがいるということが問題になっています。なぜかというと、第二反抗期のない子どもは大人になって就職し、年齢でいうと25~30歳にもなってから反抗期が出てくるからだそうです。反抗期の時期まで「モラトリアム」の時代になってしまったのでしょうか?
反抗期は2~4歳と11~17歳の時期に、できれば、受験期と重ならないように済むのが望ましいでしょう。
「出産VTR」で終わった娘の反抗期
さて、私の一番下の娘の中学2年生の時の話です。
今から10数年前になりますが、ちょうど反抗期の絶頂期で、まるで磁石の同じ極のように、近づくと離れ、何か言うと、鬱陶しそうな目で睨まれたものです。
ところが、ある日、家に帰ってみると、娘が一人で泣きながらあるビデオを見ていました。
私たち夫婦は結婚してからなかなか子どもに恵まれなかったこともあって、3人のチームドクターで出産に取り組んでいた病院を紹介してもらい、私は3人の子どものすべての出産に立ち会うことができました。そして、3人目の娘の時には、もう慣れたもので、ドクターの指示を受けながら、子どもを私の手で取り出し、へその緒も切らせていただきました。その時の様子を、全てビデオにおさめていたのです。
娘はその出産の時のビデオを見ながら涙を流していて、それから急に態度を変わり、反抗期が終わったように感じました。
子どもに必要な時期に出産の時の話をすることは、とても効果があると思います。
「漢字」で終わった息子の反抗期
一番上の息子も、中学2年生の時が反抗期のピークでした。
ある日、家に帰ると母親と口ケンカをして、「お前!」と叫んでいるのをとがめました。
私 :「お母さんに、『お前』というのはやめなさい。」
長男:「わかった。それじゃ、これから、『きがた』と呼んだらええんやろ!」
私 :「『きがた』? なんじゃそれ?」
長男:「そんなん知らんのか? 貴族の『き』に、方角の『ほう』で、『きがた』と読むやろ。『お前』があかんのやったら、『きがた』と呼ぶわ。」
一同:(唖然)
妹 :「お兄ちゃん、それ、『あなた』って読むんとちゃう?」
長男:「・・・」
妹 :「お兄ちゃん、小説なんか読む時も、今までずっと貴方を『きがた』って読んでたんやろうか・・・?」
妹は当時、小学3年生。息子の反抗期が終わった瞬間でもありました。
教育とは質を変えること
練習回数とパフォーマンスをグラフにした時、正比例になるのではなく、あるブレイクスルーをきっかけに、突然「できる」ようになるのと同じで、子どもの成長というのも、徐々に伸びていくのではなく、ある日、急に成長するのです。変わる時は一瞬です。
教師として、そのような場面に立ち会うことができたら、本当にやりがいと感じるでしょう。
教育とは変容、つまり、質を変えることです。
別の言葉でいえば、ものの価値観が変わるということであり、物事をみる時の中心軸が変わるということです。
根っこを同じくして、ただ量を増やすこと、すなわち、下から上に向かって成長させることは、教育ではありません。それは、「養成」というべきものでしょう。
人生は一瞬で変わる。
最後に、不登校の生徒に長らく立ち向かい、「6000人を一瞬で変えたひと言」の著者、元、師友塾塾長の大越 俊夫氏の「こう考えると、人生は変わるよ。―人生の「つまずき」をムダにしない50の考え方―」を紹介しましょう。
[I]考え方しだいで人生は変わる
まずは現実を直視して、受け入れる。
すると、考え方が変わる。
心に“羽根”が生えてくる。
“不幸”が、不幸ではなくなる。
(考え方しだいで“不幸”は“幸せ”に変わる。)
1.できることを精一杯やる人にだけ心に“羽根”が生えてくる。
:足があるのに歩かない人の心には、けっして“羽根”は生えてこない。
2.考え方しだいで“不幸”は“幸せ”に変わる。
:苦しみや悩みをじっくりと味わっておけ。いつまでも続くことはないのだから。
3.迷う力があることを喜ぶ。
:迷うべきことを迷うべきときにしっかり迷っておかないと、うすっぺらな人間に
なってしまうぞ。
4.思うことを一度やめたときに答えが向こうからやってくる。
:思うことや考えること自体のなかに、悪魔が住んでいるのだ。
5.自分の弱さを素直に見つめる。
:自分の弱さを自覚せよ。そこから強い自分が始まるのだ。
6.心の傷や汚れはいつかきっと癒される。
:隠したい過去をひきずるな。でも、決して投げ出すな。
7.生きているのではなく、生かされていると考えてみる。
:わたしなんて、生きるだけで、まるもうけ。
8.卑しいか卑しくないかで判断する。
:お金で買えないものなんかあるのか? あるよ。人間の品性だ。
9.疑う力より信じる力を養う。
:信じることはだまされること。でも、それで、いいじゃないか。
10.言葉で説明できないもののなかに、大切なことがひそんでいる。
:言葉で説明できるものかんか、たいしたことじゃない。
[II]自分を変える
自分探しはもうやめよう。
自分以外のものに目を向けたときに、
自分が見えてくる。
(自分の心のなかの迷路に入り込まない;ほんとうに必要なものを見分ける。)
11.自分の心のなかの迷路に入り込まない。
:自分さがしとかなんとか、いくら自分のなかへ旅しても、自分は見つからない。
自分を見つけたかったら、自分以外のものに目を向けるべきだ。
12.ほんとうに必要なものを見分ける。
:なくてはならないもの、あってもなくてもどっちでもいいもの。
そのふたつを取り違えていないか?
13.目でみるのではなく、心で観る。
:目で見るだけでは、ほんとうのことは見えてこないぞ!
14.他人の実力を認める。
:人を粗雑に扱えば、その倍、人から粗雑に扱われるものだ。
15.人をうらむ前に自問する。
:被害者づらした加害者になるな!
16.「外見」と「態度」を大切にする。
:ひとつ笑うと、ひとつ悲しみが減る。心と体はつながっているからね。
17.口を開くまえに、まずは耳を澄ましてみる。
:しゃべればしゃべるほど、人は水ぶくれしていくんだ。
18.「ありがとう」をいつも忘れない。
:生活のささいなことを軽んじると、生きることがちょっとずつ空虚になっていく。
19.人生の口グセを持つと、心が軽くなる。
:なんとかなるよ。でも精一杯やって、なお及ばないときは、
「しかたがない」とあきらめればよい。
20.「自戒」が他人への最高の説得力となる。
:自分が変えられる人間は自分だけ。
自分が変われば、それが人を動かす力になるんだ。
21.理よりも情を大切にする。
:人をほんとうに感動させるのは、人間の味や情だ。
22.小さな正義で人を裁かない。
:子供がパンを盗んできたら、母親はそのパンを、一緒に食べてやれ。
23.見返りのない無償の「愛」が人生を豊かにする。
:愛は一方通行でいいんだ。
24.心を許せる友とともにあろう。
:裏切った友より裏切らせた自分がわるい。そう思わせてくれるのが、真の友。
25.反省のない自嘲と自責はやめる。
:治りたがらない病人になるな。
26.「私」を捨てる。
:削って、削って、最後に残ったものが、あなたのほんとうの個性だ。
[III]自分を強くする
未完成な姿のままでいい。そこからはじめよう。
(未完成のままで完成である;他人とではなく昨日の自分と勝負する。)
27.未完成のままで完成である。
:人間は本来、“黒い布”のようなもの。
だから、その上の“白い水玉模様”が際立つ。
28.他人とではなく、昨日の自分と勝負する。
:自己ベストを出した人は、みんな勝者だ。
29.日常の行動習慣を変える。
→ 積み重ねる。
→ 一瞬にして変わる。
:「心」を変えたいのなら、まずは「体」から変えないとな!
30.愚かであることを恥としない。
:十を聞いて一しか分からなかったら、その一を掘り下げてみろ!
31.まずは行動してみる。
:見るまえに跳べ。能力なんてあとからついてくる。
32.「ひとり」でいる時間を大切にする。
:最後に頼みとするには、自分「ひとり」しかいない。
33.逆境とは神様が愛した人に与えるもの。
:人は後ろに下がったときに前進しているんだ!
34.負けたときにこそ、その人の真価がわかる。
:負けない人間ではなく、負けにタフな人間になれ!
35.自分の短所を角度を変えて見直してみる。
:極端な短所は、極端な長所に通じる。
36.「不適応」はいつしか「適応」に変わる。
:「不適応」というすばらしい能力を捨てる必要はない。
37.「成長動機」を大切にする。
:ないものを欲しがるより、あるものを大きくしたほうがいい。
38.「なにくそ」を忘れない。
:膨張し、発熱する「憤」の心を持っているか。生きながら、死んだ人間になるな。
39.目標を掲げるときは上を見て、行動するときは前を見て。
:人間は理想だけでは生きていけない。でも、現実だけでも生きていけない。
[IV]自分の人生を生ききる
あなたにしかない「生き方」がある。
その生き方をみつける、それ自体が、人生だ。
(あなたにしかない「生き方」が必ずある;いのちのアンテナを磨く。)
40.あなたにしかない「生き方」が必ずある。
:あなたの「生き方」が記された天からの封書を読んでみたくないか。
41.いのちのアンテナを磨く。
:天気予報を聞かなければ、明日の天気はわからないと思い込んでいないか。
42.本能を鍛えると、心は強くなる。
:肝っ玉を大きくしようとするな。本能をきたえなさい。
43.完全主義者にならない。
:あせらず、のんびり、ゆっくりと。70点で満点と考えればいい。
44.どうしても得たいものがあるときは何かを捨てる。
:生ぬるいものは拒否される。熱いか、冷たいか。どちらかに決めよ。
45.苦しみに心ごと体ごと、自分を投げ込んでみる。
:どんな苦しみにも絶対、意味がある。
46.放心や無心の時間を持つことが逆に集中力を高める。
:息苦しくなったら、雲に心をあずけて、昼寝をしよう。
47.どうせなら、「大欲」を抱く。
:欲しかったら、たくさん人に与えよ。得たかったら、まず捨てろ。
48.見返りを求めない献身で救われることがある。
:自分が幸せになれなくても、他者を幸せにすることはできるぞ!
49.古い物の価値を見失わない。
:流行りに目移りし、心を占領されている生き方は、
まるで風に舞う紙切れのようだ。
50.無理は禁物
:心臓のように、ただ「ひたすら」に生ききる人でありたい。
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