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みること、きくこと

タイトル みる・きく
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ルビンの壺」

1915年頃にデンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形。

ルビンの顔、図地の壺、ルビンの盃、ルビンの杯とも言われる。

背景に黒地を用いた白地の図形で、「向き合った2人の顔」にも「大型の壷」にも見えるという特徴を持つ。

錯覚

皆さん、おはようございます。

「百聞は、 一見にしかず」ということわざがありますが、今日は、「みる」こと・「きく」ことのお話をします。

皆さんは「見る」ことと、「聞く」こと、どちらが重要だと思いますか? もし、どちらかを失うと言われたら、どちらをとりますか?

まず、「ミュラー・リヤー錯視」という図をみてください。

上の青線と下の赤線は実は同じ長さですが、上の青線の方が長く見えますね。

続いて、目の錯覚をいくつか紹介しましょう。

次の図をみて、飛び出している四角の箱はいくつありますか? 

6個に見える場合もありますし、7個に見える場合もありますね。

一般に、私たちが見たり聞いたりした情報が、実際とは違って知覚される現象を錯覚といいます。特に、で見たときに起きる錯覚錯視(visual illusion)といいます。 錯視は、ものの形や大きさ、明暗、色、動きなど、ものの見かけ全般にわたってあらわれます。

「観る」こと

人間は、昔から「見る」ことによって、物事の本質や真理を探ろうとしてきました。特に、近代科学においては、望遠鏡を発明してマクロの世界がどこまで続くのか探求し、顕微鏡を発明してミクロの世界をどこまでも細かく探求してきたのです。そのため、「見ることが出来なければ、それは真理ではない」と考える傾向があると思います。「百聞は一見にしかず」といわれますが、実は視覚はあまりあてにならないのです。

「みる」という字には、「見る」「観る」「視る」「監る」「督る」「瞰る」「矚る」「瞥る」「瞻る」など、多くの漢字があります。英語では、see,look,watchなどの言葉があります。使い方が違いますね。“see the movie”,“watch TV”と言いますが、“look at the movie”や“look at TV”とはあまり言いません。

【みる】

「見る」;見えるから見ているだけのこと。案外、記憶に残らない。

「観る」;ものごとを深く見る。観察などという。

「視る」;ものごとを広く見る。視察などという。

世界のホンダを立ち上げた本田 宗一郎氏は、昭和29年にヨーロッパを視察に行っています。帰国して土産に取り出したのは、一見なんの変哲もない一本のネジでした。このネジは、工場の隅に転がっていたものをヒョイと拾ってきたのですが、今では一般的に普及しているプラスネジだったのです。当時の日本には、マイナスネジしかなかったため、手回しのドライバーしか使えませんでした。しかし、プラスネジでは、圧縮空気を送って一瞬にして締めることが可能でした。このプラスネジによって、工場生産の能率が高まったのでした。本田氏は、まさしく、ヨーロッパで「視察」してきたわけです。

「聴く」こと

一方、「きく」の英語は、hearとlistenです。一昔前、英語のテストで、「ヒアリングテスト」という言葉がありましたが、今は「リスニングテスト」と言い換えています。hearは「単に音が耳に入る状態」をいうのに対し、listenは「音に一所懸命耳を傾ける」という意味があるからです。

【きく】

「聞く」;聞こえる音がするだけ。聞く意識がなければ記憶に残らない。

「聴く」;全神経を集中して注意深く聞く。(十四の心を耳にする。)

「訊く」;相手が沈黙しているなら、質問してでも聞こうとする。

「聴く」とは、「十四の心を耳にする」と書きます。理解しようとすすんで耳を傾けるという積極性やひたむきさが必要です。相手の立場に立ち、相手の心を敏感に感じ取るという、全身全霊の姿勢、これが「聴く」ということです。

羊は目が悪くて、自分の羊飼いを見分けることが出来ないという話を聞いたことがあります。だからこそ、聞き分けるという能力は抜群で、自分の羊飼いの声は決して間違えない、他の羊飼いの声にはついていかない性質があるのだそうです。

人間の耳は低い音で20Hzから、高い音で20,000Hzまでの音しか聞き取れないと言われています。ところが、犬は50,000Hz、中には80,000Hzの音を聞き取れる犬もいるそうです。犬笛は20,000Hz以上の高い音(超音波)を出すので、人間には聞こえません。

超音波と言えばコウモリが有名ですが、コウモリなんかは、50,000~100,000 Hzの音を出して、それが反射して返って来る音を聞き分けて、闇夜を飛び回っているので、人間には決して聞こえません。

次に、コミュニケーションを上手にするための「聴き上手の四原則」というのを紹介しましょう。

授業中の先生の話は、少なくとも③くらいのレベルで「聴く」ようにしましょう。

ヒトは五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を、聴覚→視覚→触覚→味覚→嗅覚の順で忘れるそうです。臭覚が最も原始的な感覚ですが、最後まで残る感覚は聴覚だそうです。瀕死の状態もしくは意識レベルの低下した患者の前では、不用意な言葉は厳に慎むべきだと言われています。

傾聴へのメッセージ

カウンセリングテクニックのひとつとして、聴き方の基本は傾聴です。心を傾けて、相手の気持ち・感情を聴くことです。

サンフランシスコ市精神障害者インディペンデント・リソースセンターが提唱した「傾聴へのメッセージ」を紹介しましょう。

私が「聴いて」と言っているのに、

あなたはアレコレとアドバイスを与えてくれる。

それは、私が頼んだことじゃない。

私が「聴いて」と言っているのに、

あなたが理由を挙げて「だから、そういうふうに考えちゃいけないのよ」と

お説教を始める。

私の気持ちは踏みにじられる。

私が「聴いて」と言っているのに、

あなたは、どうにかして私の問題を解決してやろうとする。

ちょっと変に聞こえるかも知れないけど、それは、私を裏切ること。

「聴いて!」、

私は「何か話して」とか「何とかして」と頼んだわけじゃない。

ただ「聴いて」、ただ「耳を傾けて」と言っただけ。

私だってできる。力がないわけじゃない。

意気消沈して打ちのめされてるかもしれないけど、力がまったくないわけじゃない。

私ができることや自分でしなければならないことなのに、

私の代わりにやってやろうとすることは、私の不安や無力感を大きくするだけ。

私には、私が感じていることがあるのだから、

それがどんなに変に聞こえてもそれをそのまま受け入れて。

そしたら、(私は)あなたを説き伏せることをすぐやめて、

私は自分の変な気持ちの裏にあるものを、

あなたに説明する作業にとりかかるから。

お祈りの効果があるのも、このため。

神様は無言。

アドバイスしたり、「問題を解決してやろう」なんて乗り出さない。話を聴いているだけ。

自分で解決するのを見守るだけ。

だからお願い、私の話を聴いて。私の話に耳を傾けて。

※錯視図形の例

錯視とは、目にしているものがその物理的な実体、例えば色や形、長さ、動き方などが実際とは異なって見える現象を意味します。錯視図形とは 錯視を引き起こす図形のことです。

ヴント錯視

へリング錯視

エビングハウス錯視

カニッツァの三角形

ポゲンドルフ錯視

フィック錯視(垂直-水平錯視)

カフェウォール錯視(水平線が灰色)

ミュンスターベルク錯視(水平線が黒色)

平行四辺形によるカフェウォール錯視

ツェルナー錯視

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