サヨナラ、アンパンマン。やなせさん、ありがとう。
皆さん、おはようございます。
10月3日は、バイキンマンも誕生日で、「アンパンマンの日」だそうです。
漫画家で作詞家のやなせたかしさんが、心不全のため、94歳で亡くなられたのは、2013年10月13日のことでした。2010年から朝日小学生新聞で「やなせたかしのメルヘン絵本」を連載中でした。体調が悪くても仕事への熱意は衰えず、原稿は12月2日分まで届いていたそうです。
やなせさんは高知県出身。イラストレーターになろうと今の千葉大学工学部デザイン学科に進学。戦争が始まり、21歳から26歳まで戦地で過ごしました。終戦後は新聞社や百貨店で働き、1953年に34歳で漫画家として独立します。しかし生活が苦しく、舞台やドラマのお話を作る仕事などもされていました
代表作の「アンパンマン」は1973年、なんと54歳のときに生まれた作品です。パンであるヒーローが自分の顔をちぎって食べさせ、傷つきもする物語です。「正義は自分を犠牲にしなくてはできない」「本当の正義のためにはまず、飢えた人をなくすことが何よりも肝心」というやなせさんのメッセージが込められているそうです。
「善い人でいなさい。人が喜ぶことをしなさい」・・・この言葉が、やなせさんから、「メルヘン絵本」を担当する平松利津子さんへの最後の言葉になりました。
東日本大震災が起きたのは92歳の時です。視力が低下し、仕事を減らすことにしていましたが、「怖い思いをしている子どもたちのために」と、再び絵筆を握りました。震災直後から、岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」にも支援の手を差し伸べました。病気の身でも、みんなを笑顔にするために生きたやなせさんは、アンパンマンそのものでした。
アンパンマンは強いのか?
さて、正義の味方、アンパンマンは本当に強いのでしょうか?
アンパンマンは顔が濡れると「力が出ない」と言って弱ってしまい、困ったことがあると、カレーパンマンやしょくぱんまんに助けてもらっています。そして、ジャムおじさんが新しい顔を作り、バタコさんの正確なスローイングによって、顔が新しくなると、「元気100倍」となって、「アンパンチ」でバイキンマンをやっつけるというストーリーが多くあります。
実は、このようなアンパンマンの生き方こそ、「生きる力」をもっていると評されています。
すなわち、アンパンマンは、
①自分の限界(弱さ)を知っており、
②困ると「SOS」を出し、
③「気分転換」がとても上手なのです。
これは、ストレス社会を生き抜く術です。
一方、バイキンマンは、本当に悪い奴なのでしょうか?
バイキンマンは、自ら「俺は天才だ」と言う通り、様々な発明をしたり、悪知恵を出したりします。「人生の結果」=「能力」×「熱意」×「考え方」だと言われていますが、バイキンマンは能力もあり、熱意もあるのですが、どうやら考え方に問題があるようですね。
そんないたずらや悪さばかりをするバイキンマンですが、アンパンマンは「やめるんだ、バイキンマン!」と言ってバイキンマンをやっつけますが、決してバイキンマンの人格(?)を否定する場面はみられません。アンパンマンが誕生した背景には、やなせたかしの従軍経験があると言われていますが、ここにもアンパンマンが正義のヒーローであり続ける理由があると思います。
アンパンマンたいそうの歌
マンガ「それいけアンパンマン」で歌われていた「アンパンマンたいそうの歌」、作詞はやなせたかしさんです。
とても元気の出る歌です。
♪もし自信をなくして くじけそうになったら
いいことだけ いいことだけ 思い出せ
・・・(略)・・・
アンパンマンは君さ 元気を出して
アンパンマンは君さ 力のかぎり
ほらキラめくよ 君はやさしいヒーローさ
アニメ作品で使用される主題歌・挿入歌・イメージソングなどのアニメソング(略して「アニソン」)は、よくよく聞いてみると、元気の出る曲がほとんどで、いい歌詞の歌も多いと思います。
「手のひらを太陽に」:歌
34歳で漫画家として独立したやなせたかしさんは、生活が苦しく、いろいろとアルバイトをしていたそうです。この時に作詞したのが、「手のひらを太陽に」という曲でした。この歌も、アニソン同様、元気のでる歌です。
この歌には3番まで歌詞があります。
「ぼくらはみんな 生きている」と始まり、
「生きているから 歌うんだ」と続きます。
その後、生きているから、「かなしいんだ」「笑うんだ」「うれしいんだ」「おどるんだ」「愛するんだ」と生きる喜びや悲しみを確認します。
「手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮」
1番:「ミミズだって オケラだって アメンボだって」
2番:「トンボだって カエルだって ミツバチだって」
3番:「スズメだって イナゴだって カゲロウだって」
「みんな みんな生きているんだ 友だちなんだ」と言い切っています。
この歌は、1962年、 NHK『みんなのうた』で宮城まり子さんが歌い、1965年にボニージャックスが紅白歌合戦で歌唱してから広く知られるようになりました。
1969年からは小学校6年生の音楽の教科書に掲載され、2006年に日本の文化庁と日本PTA全国協議会が、親子で長く歌い継いでほしい童謡・唱歌や歌謡曲といった抒情歌や愛唱歌の歌101曲を選定した「日本の歌百選」にもなっています。
「手のひらを太陽に」:健康
ところで、最近、実際に「手のひらを太陽に」をしようという運動があります。手のひらで日光浴をし、ビタミンDを生成して健康になろうというのです。
骨や足腰にビタミンDが重要な役割をしています。そのビタミンD生成には日光浴が必要ですが、美容や健康のことを考えると日焼けするのは避けたいものです。日焼けによって発生するメラニン色素は紫外線を遮り、逆にビタミンDを生成する効率を下げてしまいます。
そこでおススメなのが「手のひら」だけで日光浴をすることだそうです。手のひらは体の他の部分に比べ、日焼けの原因となるメラニン色素が少なく、手の甲と違ってシミやしわが目立つようなこともありません。つまり、手のひらはビタミンDのための日光浴にはもってこいの場所なのです。
手のひらに直射日光が当たる体勢で、夏場なら15分以上、冬場なら30分以上日光浴することが推奨されています。別にじっとしていなくても大丈夫なので、手のひら日光浴をしながら、ウォーキングやラジオ体操などをするのもいいそうです。
「太陽は夜が明けるのを待って昇るのではない。」
さて、太陽はすべての生命の源であり、私たちに光と熱を惜しみもなく与えてくれています。もしも太陽がなくなったら、地球は急激に冷え、-200℃ほどの気温になると言われています。
「太陽は夜が明けるのを待って昇るのではない。太陽が昇るから夜が明けるのだ。」
これは、東井 義雄先生の残された言葉です。
『村を育てる学力』で有名な東井 義雄先生は、「いのちの教育」の探求に尽くした日本の教育者でした。
夜明けを待っていても、夜明けが勝手にやっては来ません。自ら行動を起こすことが、夜明けをもたらすという意味でしょう。
私たちは、思い通りにならないことがあると、すぐに「運が悪かった」「環境が悪かった」「学校が悪かった」「あの人のせいだ」と責任を転嫁しがちです。しかし、それでは問題は解決しません。人生にいろいろなことがあっても、周りのせいにせず、自分から動き出すことが大切です。
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