皆さん、おはようございます。
2022年、国際水泳連盟が114年間続いていた組織名を「ワールドアクアティクス(World Aquatics)」に変更しました。
水泳は競泳だけでなく、水中スポーツの全種目が含まれることを象徴するものになっています。水泳は、重力が普段の生活の1/6で水の中で体を動かすことができるスポーツです。
水泳のメリット、ディメリットについてまとめてみました。
水泳のメリット
30分の水泳は最大350kcalを消費し、運動強度は陸上の1時間に匹敵します。温水プールで活動されることが殆どなので、天気や気温に影響されずに運動ができ、運動量のコストパフォーマンスの高いスポーツと言えるでしょう。
1.浮力によるメリット
(1)リラックス効果でセルトニンやβ-エンドルフィンが分泌され、ストレスが軽減される。
⇒ストレスマネジメントに繋がります。
(2)水中でのバランス維持により、体幹腹の強化に繋がり、姿勢(猫背)が改善される。
※日本人の8割が「猫背」といわれています。
(3)柔軟性が高まり、関節等のけがのリスクが低い。
※水の中では、重力は10分の1,抵抗は800倍となります。
(4)「空間認知能力」を高まり、特に「ゴールデンエイジ」の子供の脳の発達に効果がある。
2.水圧効果
(1)水圧と有酸素運動により心肺機能(呼吸筋)・循環器系機能が向上し、VO2 Max(最大酸素摂取量)の向上、肺活量アップによってスタミナ(全身持久力)がつき、バテにくくなる。
(2)水流によるフラッター効果で血流がよくなるので、むくみが解消し、肩こり、腰痛、多発性硬化症などの痛みが軽減する。
(3)肌艶がよくなる
⇒アンチエイジングに繋がります。
3.メンタル効果
(1)水中でのリズミカルな動きのマインドフルネススイミング(瞑想効果)により、リラックスするスキルが向上し、人生に 対する熱意や自己肯定感が高まるなど、メンタルヘルスの向上につながる。
(2)低負荷エクササイズにより、リハビリに最適で、喘息患者、うつ症患者、認知症患者にも効果が期待される。
4.フィジカル効果
(1)消費カロリーが多いので、体脂肪が燃焼し、ダイエット・体重コントロールができる。
⇒生活習慣病の予防になります。
(2)筋トレ効果(等速性収縮)でボディが引き締まり、基礎代謝が上がる。
⇒肥満解消、転倒防止にもつながります。
(3)副交感神経が優位になるので良質の睡眠をとることができる。
⇒過労(慢性疲労)の防止につながる。
(4)新陳代謝がよくなり、腸内環境が整い、便通がよくなる。
※東大生の約6割は小学校時代にスイミングスクールに通っているというデータがあります。
(5)体温調整機能が高まるので、冷え性が改善し、風邪をひきにくくなる。
(6)高血圧の改善につながる。
(7)生活の質(QOL)の向上、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化による免疫力の向上と発症因子の減少、自律神経の改善が期待される。
水泳のディメリット
1.過度の反復運動による関節や腱の障害
・水泳肩(Swimmer’s shoulder)
・腰痛(lower back pain)
・平泳ぎ膝(Breaststroker’s knee)
・スイマーイヤー(特有の肩や肘の痛み)
2.(塩素による)皮膚への刺激が強い。
3.目や耳の疾患を悪化させる。
4.長時間の水中滞在による低体温症、体力消耗
教養としての水泳
人の手には、水かきのあとが残っていますが、人は誰でも泳げるようになります。
水泳は生涯スポーツであり、泳げるようになると、自分の人生を豊かにすることができるのです。水泳を覚えるということは、「教養」を身につけるということなのです。
また、日本は、四方を海に囲まれており、川や池も多いことから、古来から日常的に水泳が行われてきています。もし、海難事故に遭った時、水に顔をつけて泳ぐことができないことの方が多いと思います。服を着たまま、顔を出して泳ぐことが必要になるかもしれません。学校でも近代泳法だけでなく、横泳ぎ、立ち泳ぎ、遠泳、日本泳法なども取り入れたいものです。
学校水泳
ある中学校(女子生徒)の水泳授業を見学に行きました。
すると、新設の屋上プールなのに、入水している生徒はたったの3人。あとの生徒たちがプールサイドで見学でした。
よくよく生徒たちに聞いてみると、「泳げない→水泳は嫌い→水に入りたくない」というのが本音でした。
昔は、小学校で水泳検定をやり、泳ぐレベルに応じて水泳帽にマークをつけたりすることもありました。夏休みには開放プールをやっていたところも多くありました。
しかし、最近の小学校の水泳授業では、泳法はほとんど教えていません。水に親しもうということで、水中じゃんけんをしたり、碁石を拾ったりなど、遊びばかりです。用具を身につけて、スキューバ―ダイビングでもやるならいざ知らず、「泳げないのに、水の中で楽しめるのか?」と、私は大変疑問に思っています。
なお、最近、小学校で水泳授業をすると、教師の専門的な指導もなく、プールの維持費などもかかるなどの理由で、スイミングスクールを利用しようという動きもあるようです。
ところで、現行の小中学校の体育授業では、これまでのクロール、平泳ぎ、背泳ぎに加え、バタフライを指導することとなっているのです。
水泳に対する取り組みは、都道府県で差が大きく、主なランキングをあげると次の通りです。
〇大人の泳げる割合 1位:東京都~47位:沖縄県
〇小中学生の泳げる割合 1位:東京都~47位:岩手県
〇学校のプール設置率 1位:東京都~47位:福井県
〇トビウオ県(バタフライの泳げる割合) 1位:新潟県~47位:北海道
新潟県がバタフライの泳げる割合がトップなのは、学校体育同志会が提唱してきた「グライドバタフライ」を取り入れてきたからです。
実は、近代4泳法の中で、もっとも簡単な泳ぎ方は、バタフライで、スイミングスクールなどでも、最初にバタフライから入るところが多くなってきています。
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バタフライを覚えると、水の中をグライドをかけて速く進むことができるようになるので、他の泳法で泳いでも速くなります。
特にグライドバタフライをマスターすると、
・水の抵抗が減り、推進力が高まります。
・「バタフライ」をすぐに身につけることができます。
・他の泳ぎ方のスピードもあがります。
・バサロ泳法などに応用できます。
・呼吸法が自然に身につき、楽に泳げるようになります。
・何よりも泳ぐことが楽しくなります。
水泳授業改善のために・・・
先日、中学校の体育のA先生の水泳授業を見に行きました。背泳ぎの授業でした。プールサイドに生徒を集め、説明しています。
「いいか、手を水に入れる時は小指から入れるんだ。そして、右の手をかくときは体を右に、左の手をかくときは左にローリングしながらやってみよう。」
説明を受けている生徒の中に、スイミングスクールに通い、背泳ぎで全国大会に出場しているB君がいました。B君の表情を見ていると、あきらかに顔が曇ります。
そして、A先生は、「じゃ、B君に見本を見せてもらおう。」と言って、B君を泳がせました。B君はいつもの通り、手を親指から水に入れ、ローリングすることなくまっすぐに泳ぐ見本を見せ、皆から拍手をもらっていました。
プールサイドから上がってきたB君に、「A先生の説明と違う泳ぎ方だったね。」とこっそり言うと、「A先生の言うことはいっつも古いんですよ。」とにっこり微笑んで返事をしてくれました。いや、本当はバカにしていたのかもしれません。
日本選手権200m背泳ぎにおいて10連覇をなし、ロンドンオリンピック100m背泳ぎで銅、200m背泳ぎで銀を獲得したメダリスト入江 陵介選手の背泳ぎは、世界一美しいフォームと言われています。鍛えられた体幹を持ち、左右対称の美しいストロークが描くことのできる入江選手は、おでこの上にペットボトルを乗せたまま背泳ぎができます。入江選手の所属しているイトマンでは、小指から水に手を入れ、ローリングしながら泳ぐなどという指導は全くしていません。
A先生は若い頃、背泳ぎをそういうふうに教えてもらったのでしょう。でも、そういう指導をしたことで、生徒からの信頼を失っていることに気づいていないわけです。
これと同じようなことが、ご自分の授業でないでしょうか?
最近は、インターネットやYou tubeの普及により、生徒たちも情報をよく知っています。教師は、常に「わかる授業」「楽しい授業」を目指して授業改善に取り組むことが大切ですが、いつも最新の情報にはアンテナを張っておくようにしましょう。
家族スポーツ
我が家の自慢話になりますが、結婚当時、妻はほとんど泳げませんでした。中学校、高校と公立に通っていたにもかかわらず、女の武器(?)を有効利用し、うまく水泳授業を逃れてきたといいます。周りの悪友たちも、そのような雰囲気だったそうです。
新婚旅行では、アメリカ西海岸からメキシコに行き、またロサンゼルスに戻って、最後にハワイで4泊しました。そして、ハワイでは水着を買い与え、「私と結婚したのだから、水泳をやりましょう」と持ち掛け、水泳の特訓をしました。その当時、とても素直だった妻は、あっという間に泳げるようになり、自信をもって日本に帰ってきました。
その後、妻は水泳にはまってしまい、とうとう水泳指導員の資格までとって、マタニティスイミングにも関心をもってやっていました。
子どもが生まれてからも、週に1回は家族でプールに行くようになりました。長男は生まれて6か月、次男は4か月、そして長女は生まれてなんと2週間でプールに入れました。お陰で、子どもたちはお風呂で頭からお湯をかぶっても泣くようなことは全くなく、泳げないのに水を見ては飛び込むというくらい、水泳が好きになりました。
なお、娘には今でもよく話すのですが、生まれてから2週間でプールに入れた時、本当に嬉しそうな顔をしていました。それが「これまでの人生の中で一番かわいい顔だったね」と言うと、いつもすねてブスっとしています。
また、長男は、小学校で少年野球、中学校で柔道部に入って活躍していましたが、全国大会に行くことができなかったのが悔しかったようで、高校に入ってから、「どうしてもインターハイに出たい」と言い出し、水泳部を選びました。一応、県下一の進学校に入学したのに、スポーツで全国大会に出たいと、何か勘違いをしていましたが、スイミングスクールにも通うことなく、高校3年生になって、自由形・リレーで、みごとインターハイにも出場しました。
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