アメリカンフットボール選手の話
皆さん、おはようございます。
アメリカンフットボール選手がプロテクターを着けているのは、それだけタックルが激しい証拠です。アメリカンフットボールは、ボール競技というより、まさに格闘技なのです。
特に本場アメリカのプロ選手たちは、試合前に自分たちを鼓舞し、戦闘能力を高めるために、真っ赤に塗られた部屋で待機します。グリーンやブルーに塗られた部屋ではダメなのだそうです。
また、1979年、アメリカの海軍矯正施設の独房を明るいピンクに塗る試みが行われました。すると、囚人の攻撃性が低下する効果が見られました。この事象を「ベーカーミラーピンク」と呼ばれています。
さらに、2011年、スイスの心理学者がベーカーミラーピンクより少し淡く落ち着いたピンク色を使って同様の実験を行ったところ、より大きな効果があることがわかりました。これは「クールダウンピンク」と呼ばれています。
色を用いて心理や行動を分析する色彩心理学では、色の意味・効果を理解することが非常に重要です。色にはあるイメージや雰囲気、感情などを喚起させる効果があり、色彩心理学では、色それぞれに意味と効果が認められています。
色のイメージと効果
赤(レッド)
情熱、興奮、活力、刺激、高揚、怒り、戦い、暴力、警戒
赤には、熱さ、強さ、情熱、興奮などの意味があります。
インパクトのある色であり、前向きな印象をもたらすことが可能です。
赤色を取り入れることによって、元気ややる気が芽生えたり、気分を高揚させたりするなどの効果を期待できます。
青(ブルー)
自由、爽やか、知的、落ち着き、冷静、信頼感、誠実、爽快感、冷たい、憂鬱、悲哀、孤独
青には、冷たい・涼しいといった印象があり、冷静、悲しみなどの意味があります。
ネガティブな意味もありますが、澄んだ様子から広大、誠実、自由などポジティブな印象も与える色です。
気持ちを落ち着かせたり、集中力を高めたりする効果があります。
黄(イエロー)
幸せ、活発、軽率、愉快、元気、軽快、希望、無邪気、注意、注目
黄・イエローの意味は、橙・オレンジに似た意味を持っていますが、より明るくエネルギーのある色です。
明るさや元気などの他には、幸せや輝きなどの意味があります。
注目を集める効果があるので、危険や注意、警告を伝えるときに使われることも多い色です。
緑(グリーン)
自然、安らぎ、癒し、リラクゼーション、安定、健康的、調和、安心、若々しい、健康、優しい
緑・グリーンは、安らぎや落ち着き、平和などの意味を持っています。
リラックス効果や疲労回復効果などがあると言われており、人の心を癒やしてくれるでしょう。
観葉植物を部屋に置いて、緑を取り入れる人が増えているのも色の効果が理由です。
桃(ピンク)
女性らしさ、優しい、愛、色情、可愛い、幸福、愛情
桃(ピンク)は、可愛さ、恋愛、甘いなど女性的な意味を多く持つ色です。
ファッションやインテリアなどに取り入れると、女性らしいイメージを与えられます。
他には、気持ちを晴れやかにしたり、恋愛を意識させたりするなどの効果もあるとされています。
橙(オレンジ)
明るい、活気、温もり、元気、喜び、活発、陽気、暖かい
橙(オレンジ)の意味は、暖かさ、明るさ、元気、可愛さなどがあります。
明るく活発な印象や暖かい印象を与える色です。
明るい気持ちにしたり、親しみやすいイメージを与えたりするなどの効果があると考えられています。
茶(ブラウン)
安心感、自然、堅苦しい、地味
茶色は、土や木などから連想する自然、温もり、落ち着きなどの意味があります。
彩度は低いものの、暗い印象はあまりなく、どこか温かみを感じる色です。
そんな茶色からは、緊張を和らげたり、温もりを感じさせたり、信頼感を与えたりする効果を得られます。
紫(パープル)
気高い、神秘、古風、上品、優雅、妖艶、高貴、不安
紫には、大人っぽい、セクシー、不安、神秘的などの意味があります。
一言では表現できない色であり、不思議さも感じる様子からミステリアスなイメージを感じる場合が多いです。
疲労回復や興奮を落ち着ける効果の他、感性を刺激したり、個性を感じさせたりする効果を期待できます。
水色(ライトブルー)
爽やか、清潔、自由、冷静、繊細、洗練、変化
水色には、冷静、繊細、洗練、変化などの意味があります。
他にも、爽やか、清潔、自由など意味はさまざまです。
集中力を高めたり、心を落ち着けたり、解放感を得られたりするなど、効果も多岐にわたります。
白(ホワイト)
ピュア、純粋、清潔、神聖、正義、緊張純粋、空虚、無
白は、他の色が混ざっていない無垢な印象があり、純粋、清潔、神聖などの意味があります。
何の色もないことから「無」と捉えることが可能です。
すっきりとしたイメージを与えたり、軽やかな印象を演出したりする効果があります。
黒(ブラック)
クール、高級感、重厚感、威厳、力強さ、恐怖、絶望、不吉、悪、死、闇、孤独
黒は、暗黒という言葉があるように、暗闇や孤独、恐怖などを連想させる色です。
一方で、引き締まった色合いは、シック、高級、重厚感などのイメージを与えることもあります。
効果もポジティブなものとネガティブなものがあり、気持ちを引き締める、不安感を与えるなど、捉え方によって様々です。
灰(グレー)
控えめ、真面目、落ち着き、大人、曖昧、悲しみ、抑うつ、迷い、不信
黒と白を混ぜた色である灰色の意味は、どちらともとれない不安や曖昧、迷いなどです。
主張の少ない色でもあるので、気持ちを落ち着かせたり、シンプルで洗練されたイメージを与えたりするなどの効果があります。
したがって、
アクティブにいたい時は・・・赤
冷静に考えたい時や安眠したい時は・・・青
気分を明るくしたい時や集中したい時は・・・黄
穏やかにいたい時や協調性を高めたい時は・・・緑
強さや安心感を示したい時は・・・黒
クリーンなイメージをアピールしたい時は・・・白
好きな色でわかる性格
スイスの心理学者、マックス・ルッシャーが、好きな色によって、どのような性格の特性があるかを端的に述べています。
赤色:何事にもアクティブでチャレンジ精神が旺盛。物欲や権力欲が強く、勉強や仕事にも意欲的に取り込む。ただし興奮しやすく感情を爆発させる傾向もある。
青色:物静かで理性を大切する人。ルール違反やズルをするのは嫌いで、誰に対しても、誠実な姿勢で接する。信頼できない人とはできるだけ接点を持たない。
黄色:明るくオープンな性格で、コミュニケーション上手。何事もポジティブに考えて、楽しく努力するタイプ。ユニークでありたいと考える。礼儀正しい一面もある。
緑色:落ち着いた性格で、周囲との協調を一番に考えて行動するタイプ。何事にもコツコツと忍耐強く取り組み、自分を見失うことはない。
桃色(ピンク):優しさや思いやりを大切にするタイプ。他人を助けてあげることが好きで、特に自分の時間や労力を犠牲にしても努力を惜しまない、おせっかいな一面も。
茶色:温厚で包容力がある、器の大きいな人。ギラギラしたところがなく、つい頼りたくなるような安心感を持っていることが多い。人付き合いが上手。
紫色:繊細で感性の鋭い性格の持ち主。論理よりも感覚で物事を捉え、豊かなイマジネーションの世界に生きている。ナルシスト的な傾向が強い人も。
灰色:目立つことや自己主張することを好まない代わりに、自分の領域を侵されるのも嫌いなタイプ。大きな成功や財産よりも自分の居心地の良い空間を守る。
ただ、色に対するイメージは、国や文化が違うと大きく変わることがあります。
たとえば、白色は、中国では「不吉」「陰険」の意味合いが強くなりますし、黄色は、ヨーロッパでは「裏切り」、アメリカでは「臆病」、中国では「高貴」「色情」です。また、緑色も、アメリカ・ヨーロッパでは「嫉妬」、中国では「不貞」となります。
黒子に徹する。
黒は特殊な色です。黒は光を吸収し、他の色を反射しないため、色彩的な特徴を持たない。白と対照的な色で、一般的には黒は死を象徴する色とされています。 暗闇、恐怖、絶望を表す不吉な色の代表です。
黒色には、ポジティブなイメージとネガティブなイメージがあります。
ポジティブなイメージとしては、シック、高級、重厚感、威厳、自己確立、意志の強さ、集中、プロフェッショナルに見える色などがあります。
ネガティブなイメージとしては、暗闇や孤独、恐怖、重苦しい、抑圧、反抗、悲しみ、威圧感などがあります。
黒のイメージは、時代とともに変化し、時代に特有の意味をもってきました。
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ところで、「黒子に徹する」というのは、表に出ないで物事を処理するとか、縁の下の力持ちという意味です。歌舞伎の「黒衣」に由来し、歌舞伎で俳優の演技や舞台進行の介添えをする人を指す言葉です。
歌舞伎の「黒衣」は、黒装束に黒頭巾を着用し、小道具を渡したり片付けたり、衣裳の着替えを手伝ったりする役割を担います。舞台で目立っては演技の妨げになるため、音を立てずにすばやく出てきて、俳優の後ろや衝立などの舞台装置の陰に隠れ、なるべく見えないようにして仕事をします。
最近では、「黒子に徹する」と「裏方に徹する」を同じような意味で用いることが多くなっています。
教育者というのは、子どもより目立ってはいけません。「黒子に徹する」ことのできる教師こそ、本物の教育者だと思います。
教師色?
教頭をしていた最初の頃、ブルーやピンクのカラーシャツを着ていました。
すると、着ているシャツの色によって、周囲の人たちの反応が違うことに気付きました。
青いシャツを着ている日は、あまり周囲の人たちから声をかけられません。落ち着いて見えるが、ちょっと冷たい人だと感じられて、気軽に声をかけにくいのかもしれません。その分、自分の仕事ははかどります。
黄色いシャツを着たり、黄色のネクタイをしたりしていると、周囲の視線を感じます。注目を集めやすいので、何かをアピールしたい時や周知徹底したいことがある時には、効果的だと思います。
緑っぽい色のシャツをきていると、周囲の人が穏やかに安心して話しかけてくれます。特に若い先生たちが、友達感覚で接してくれるのですが、指導をするのには適さない感じがします。
ピンク系統のシャツを着ていると、女性の先生や母親たちから温かい目で接してもらえます。その反対に、男性の先生や父親たちからは、反発を食うことが多くなります。
なお、赤いシャツはさすがに職場で着るのは気が引けますが、赤色のネクタイは効果があります。熱さ、強さ、情熱、興奮などの意味があり、前向きな印象を与えますので、何かを主張したい時や会議などで提案を通したい時には、赤ネクタイがおススメです。アメリカ大統領候補の討論会で、ケネディ氏がニクソン氏に対して、若さと闘志をアピールするのに赤いネクタイをしたの有名な話です(最近では、トランプ氏が赤いネクタイをしている姿をよく見にするでしょう)。
教頭という立場は、校長先生の教育観を理解し、その教育方針を広め、実践できるように努めなければなりません。その意味で、一番いいのは、白シャツだと思います。
白色は、純粋、清潔、神聖などのイメージとともに、「あなたの色に染まります」というアピールになるでしょう。白色のシャツを着ていて、文句を言われることはありません(クレームを言われることは立場上、多々ありますが…)。
いかがでしたか?
色によって相手に与えるイメージに違いがあることに気付かれましたか?
最後に、教師は何色であるべきでしょう?
・・・私は、色々あってしかるべきだと思っています。
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