皆さん、おはようございます。
オーストリア心理学者、アルフレッド・アドラーは、「すべての悩みは、対人関係の悩みである。」と述べています。周りの人とどのように人間関係を構築していくかということは、人生にとって非常に大切な課題であるにもかかわらず、学校でも家庭でも、あまり意識して教えられることはありません。
3次元的解決法
さて、人間関係のトラブルが発生した時、一般に3つの対処方法があると思います。
それは、①戦う,②逃げる,③我慢する,です。
たとえば、「お前はバカだなあ。」などと嫌なことを言われたとしましょう。
①戦うは、「なんでそんなことをいうの?」と直接相手に尋ね、問いただすことです。勇気と自信が必要ですね。
②逃げるは、そんなことを言う人から極力離れて、関わらないようにすることです。しかし、身近な人であったり、世話になっていたりする人であれば、逃げるわけにいかない場合もあります。また、言われた内容が自分の欠点や短所であって、相手が忠告として言ってくれている場合は、自分を向上させるチャンスを逃すことにもなりかねません。
③我慢するは、自分の心の中にしまいこんで我慢することです。ただし、ストレスが溜まります。そのために体調不良になったりすることもあるでしょう。
これら①~③の対処方法は、人間的な解決方法で、「3次元的解決法」といいます。
4次元的解決法
次のレベルは4次元的解決法です。
精霊・守護霊レベルの解決方法で、④気にしない,ということです。
英語でいうと、“Never mind.” ≠ “Don’t mind.”とはちょっと違います。
ただ、他人に言うのは簡単ですが、自分が自分に言うのは、人格が育っていないとできませんね。
「お前はバカだなあ。」と言われても、自分は賢いんだという自信がないと、なかなか、気にしないレベルには達することができません。
5次元的解決法
では、他に対処方法がないかというと、あるのです。「5次元的解決法」です。
これは、⑤気にならない,英語でいうと“No problem.”です。
言われたことに反応せず、思いをもたないこと、もう、これは神・仏のレベルでしょうか。
西洋的解消法
「ストレスは万病の元」と言われますが、心学研究家で潜在能力研究家の小林 正観氏によると、ストレス解消方法には、西洋的解消法と東洋的解消法があるそうです。
(小林 正観のありがとう講座「ストレスをゼロにする方法~宇宙が応援する生き方」より)
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西洋的な解消法とは、思い通りにならないことがあった時、自分の思いを実現するために人の何倍も努力して頑張って必死になって思い通りの結果を実現する方法です。
東洋型解決法
一方、東洋型問題解決法には二通りあって、そのーつは、①「世の中はそもそも思い通りにならないものであると思い定めること」です。
そして、東洋型問題解決方法のもう一つの方法は、②「思い」そのものを持たない,悩み・苦しみを全く持たないという方法です。思いを持たなければ、 悩み苦しみもストレスも生じません。全てを受け入れて、目の前 の人や物や事を大切にし、毎日を感謝の気持ちで淡々と生きていくということです。
私たちの悩み、苦しみ、苦悩、煩悩などは、「思い通りにしたいことが、思い通りにならない。それを何とか思い通りにしたい。」というところから始まります。
空即是色 空即是色
お釈迦様は、「人生は思い通りにならない事(=苦)に満ちている。苦の本質は執着である。だから、苦を取り除く為には、執着をやめればよい。」と説いています。それが、般若心経でいうところの『空』です。
「般若心経」というお経を聞いたことがあるでしょう。これは、『西遊記』で有名な玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)が、インドから持ち帰った経典を漢文に訳したもので、六百巻もの「大般若経」のエッセンスを凝縮し、世界で一番短いお経にしたものです。
このお経の中に、「色即是空、空即是色」(しきそくぜくう、くうそくぜしき)というくだりがあります。「色」とは「存在」,「空」とは「無」という意味で、「色即是空」とは、「存在するということは、そのまま無であることである」ということであり、「空即是色」は「無であるということは、そのまま存在することである」という意味になります。
私たちが「生きている(色)」といえるのは、「生きていない(空)」状態を予測するからです。故人を「亡くなっている(空)」と思うことが出来るのは、その人が「生きていた(色)」状態を思い出すことができるからです。
何かが存在するといえるのは、その背後に存在していない状態「無」があるということで、簡単に言えば、物事には「有る」と「無い」が背中合わせになっているということでしょう。
アメリカプロ野球マリナーズに在籍していたイチロー選手が、「狙い球は何か」というインタビューに、「相手の投手の決め球だ」と答えています。打ちやすい球を狙っていれば、難しい球がきた時、空振りになる,しかし、相手の最も得意な決め球を狙い球にしていれば、
それより易しい球がきた時に対応出来るというのです。
敢えて最も困難な状況を予測して、逆に可能性を最大限に広げるわけです。さすがにイチロー選手らしい、「空即是色」的な発想だなあと思いました。
受験勉強にも、この発想が大切でしょう。入試では難しい問題が出ると予想して、それを狙い球にしておけば、易しい問題が出ても対応出来るのです。
追記:職場での人間関係解決
ところで、最近、職場での人間関係で行き詰まっているというご相談を受けることが増えてきました。
結論から言うと、①戦う,②逃げる,③我慢する という三次元的解決法ではなく、若い人には東洋型解決法①を、ベテランの方には東洋的解決法②をお勧めしています。
こんな本も参考にしてみてください。
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