皆さん、おはようございます。
車折神社
京都市右京区の嵐山にある車折(くるまざき)神社は多くの著名人が訪れ、願いを叶えられるパワースポットとして人気を博しています。悪運浄化、厄除けのご利益が絶大な「清めの社」やパワーストーンとして有名な「祈念神石」なども有名です。
また、境内には、出会いと金運に恵まれる「辰巳稲荷神社」、金運が上昇する「大国主神社」、人脈が拡大する「八百万神社」、龍神の神力により開運する「水神社」、才色兼備の「清少納言社」、より豊かに美しく「弁天神社」、芸能・芸術・技芸上達のご利益がある「芸能神社」など、末社が数多くありまず。
さらに、境内には、有名な芸能人の名前が書かれた玉垣がずらりと並んでいます。成功している芸能人たちの名前を一つ一つじっくり見ていると、中国戦国時代の思想家、荘子の言葉が聞こえてきました。
功を以て人に勝つこと勿れ。
謀を以て人に勝つこと勿れ。
戦を以て人に勝つこと勿れ。
阪神・淡路大震災
ちょうどその頃、私は、中学生のバレーボールの指導者として、勝つことばかりにこだわっていました。県大会を制し 近畿代表として全国大会に出場したり、県の選抜チームの監督を務めたりしていました。まさに、成功を求め、あらゆる作戦を練って戦い、勝つことに執着していました。
そして、1995年1月17日、阪神・淡路大震災を経験しました。当然、バレーボールどころではありません。しかし、こんな時こそ元気を出そうと、1月29日、避難所になっていた育英高校の体育館で、住民対抗のバレーボール大会が開催されたのです。私はバレーボールを通して、勝つことばかり教えていてはいけないと思いました。
バレーボール生誕百年祭
また、その年(1995年)、バレーボールの発祥地、アメリカのマサチューセッツ州ホーリヨーク市で、バレーボール生誕百年祭があり参加する機会を得ました。そもそもバレーボールの考案者モルガンは、その4年前に作られたバスケットボールの反省から、老若男女が楽しめるスポーツとして、バレーボール(当時はミントネットと呼ばれていた)を考案したのでした。モルガンは決して試合に勝つことを目指してバレーボールを考案したのではないのです。
バレーボールの考案者ウィリアム・ジョージ・モルガン(モーガン)
人生も勝つことばかりを追求してはいけないと思います。勝つ者がいれば、負ける者が出てきます。負けた者は、勝った者を憎み、恨み、いつかは倒してやろうとするでしょう。争いはつきません。互いにwin-winの関係を作り、アドラーの言う「共同体感覚」を目指す指導をするのが本物の教育者だと思うようになりました。
オーストリアの心理学者 アルフレッド・アドラー
己所不欲 勿施於人
そもそも、鋭い牙も爪も持たない私たちの祖先が巨大なマンモスや猛獣を倒して生き残ったきた要因は、力を合わせて集団で戦うことが出来たからでした。
冬を越すために南に向かう雁という鳥は、V字型編隊を組んで飛びます。編隊を組んで飛ぶと、1羽で飛ぶよりも、7割も遠くまで飛べるのだそうです。
中国の儒教の始祖、孔子は、一言で生涯の戒めとなる言葉に、それは「恕」であると答えています。「恕」というのは、人に対する「思いやり」の心だと言えるでしょう。孔子は、「恕」の内容を説明するのに、「己所不欲 勿施於人」という言葉を残しています。
「己の欲せざるところ、人に施すこと無かれ。」簡単にいえば、自分がされて嫌なことは人にもしてはいけないということです。
人は、人の間に育って「人間」となります。勝ち負けだけにこだわって、人と協調する心を忘れたら、滅ぶしかないでしょう。そうならないためには、人間関係についての黄金律(Golden rule)、「思いやり」の心を育む教育に力を入れるべきだと思います。
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