太った人は長生きできない!?
皆さん、おはようございます。
3月4日は、「世界肥満デー」です。世界肥満連合(WOF)が、肥満や肥満症に対する理解を深め、偏見をなくすことを目的として提唱した日です。
肥満が様々な健康問題を引き起こす可能性があることは間違いありません。
ただ、肥満と寿命の関係については、研究によって異なる結果が出ています。一般的に高度な肥満(BMI 35以上)は寿命を短くするリスクがあると考えられていますが、軽度の肥満(BMI 25~30未満)や「ややぽっちゃり」(BMI 23~27程度)程度であれば、必ずしも寿命を短くするとは限らず、むしろ長生きする可能性もあることが指摘されています。

また、肥満や肥満症に対する誤解や偏見も解消しなければなりません。
高齢者は筋肉や骨の維持のために特にタンパク質など適切な栄養摂取が必要ですが、一般的に肥満に繋がる食べ過ぎは、生活習慣病のリスクを高め、寿命を縮める可能性が高いでしょう。
「節食開運説」
江戸時代の観相家、水野南北は、少食により運が開けるとする「節食開運説」で知られています。 水野南北が『脩身録』という著書で、「万に一つの誤りなし」と自負し、「幸運を招来する法」と広言した「節食開運説」を紹介しましょう。
その基本は、言葉通り、食を節することにあります。
1.食事の量が少ない者は人相が不吉な相であっても、それなりに恵まれた人生を送り、早死にしない。特に晩年は吉となる。
2.食事が常に適量を超えている者は、人相が吉相でも調いにくい。手がもつれたり、生涯心労が絶えず、晩年は凶となる。
3.常に大食、暴食の者は、たとえ人相がよくても運勢は一定しない。
もしその人が貧しければますます困窮し、財産家でも家を傾ける。
大食、暴食して人相が凶であれば、死後に入るべき棺もないほど落ちぶれる。
4.常に身のほど以上の美食をしている者は、たとえ人相が吉でも運勢は凶になる。
美食を慎まなければ家を没落させ、出世もおぼつかない。
まして貧しくても美食する者は働いても働いても楽にならず、一生苦労する。
5.常に自分の生活水準より低い程度の粗食をしている者は、人相が貧相でもいずれは財産をなし、長寿を得、晩年は楽になる。
6.食事時間が不規則な者は、吉相でも凶となる。
7.小食の者には死病の苦しみなく、長患いもしない。
8.怠け者でずるく、酒肉を楽しんで精進しない者は成功しない。
成功、発展しようと思うならば、自分が望むところの一業を極め、毎日の食事を厳重に節制し、大願成就まで美食を慎み、自分の仕事を楽しみに変えるように努めれば、自然に成功するだろう。
9.人格は飲食の慎みによって決まる。
10.酒肉を多く食べて太っている者は、生涯出世栄達はない。
少食の効果と危険性
野生動物は病気の時、どうするでしょうか?
薬があるわけではありませんから、体力回復のために、じっとして寝るのです。しかも、食べ物はとりません。消化に使うエネルギーを回復のためのエネルギーに費やすのです。
以前、私は、入れ歯を飲み込んでしまい、開腹手術をするか、お通じとともに流れ出るかの選択に迫られ、3日間入院したことがあります。その時、食事は禁止、とにかくじっと寝て待つことになったのですが、何も食べずにじっと寝ることで、副交感神経が働き、回復力が高まることを実感しました。
老化の原因は、①酸化、②糖化、③慢性炎症です。

食べ過ぎによる過剰な糖分はタンパク質と結びつき、老化物質(AGEs)を生成します。また、カロリー過多で内臓脂肪が多くなると、体中に慢性的な炎症が起き、酸化します。
肥満で体力がない人の早期死亡率は2.46倍、体力がある人でも肥満の人の早期死亡率は1.21倍だそうです。
少食の効果
〇疲れにくさの関係
一概に、少食にすることで疲れにくくなるというのは言えませんが、消化活動にエネルギーを多く使うため、少食にすることで消化の負担を減らし、その結果、疲れにくくなる可能性があります。しかし、極端な少食は栄養不足を招き、逆効果になる場合もあります。
〇消化の負担軽減
食べ物を消化する際には、多くのエネルギーを消費します。少食にすることで、消化にかかる負担を減らし、その分のエネルギーを他の活動に使えるため、疲れにくくなる可能性があります。
〇内臓の疲労軽減
消化器官への負担が減ることで、内臓の疲労も軽減されます。内臓が元気な状態を維持できると、様々な健康効果が期待できます。
〇睡眠時間の短縮
消化にエネルギーを使わない分、睡眠時間が短くなる場合もあります。これは、経営者のように時間が貴重な人にとってはメリットとなる可能性があります。
少食の注意点
●栄養不足のリスク
極端な少食は、必要な栄養素が不足し、体力や免疫力の低下を招く可能性があります。
●筋肉量の減少
栄養不足は筋肉量の減少にもつながり、筋力や活動量の低下を招くこともあります。
●体調不良
低栄養状態が続くと、身体機能の低下や、疲れやすさ、集中力低下などの不調につながる可能性があります。
疲れにくい食事のポイント
□バランスの取れた食事:栄養バランスを考え、色々な食材を食べるようにする。
□よく噛んで食べる:唾液の分泌を促し、消化を助ける。
□規則正しい食事をする。
1日3食、決まった時間に食べることで、胃腸の負担を減らし、自律神経にも良い影響を与えます。
□温かい食事を摂る。
温かい食事は、胃腸を温め、消化を助けます。
□水分補給を十分にする。
水分不足は、疲労感や集中力低下につながります。こまめな水分補給を心がけます。
「空腹」が人を健康にする
乳腺専門医で、ナグモクリニックの総院長、南雲吉則先生は、乳がん手術や乳房再建術を行う傍ら、「命の食事」を提唱し、食生活や生活習慣が健康に与える影響、特にがん予防に力を入れています。
1955年生まれ、2025年現在、まもなく70歳を迎えるという南雲吉則先生は、見た目年齢の若さに驚かされます。
『「空腹」が人を健康にする』や『20歳若く見えるために私が実践している100の習慣』という本も出版されています。
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南雲先生が行っていること「健康寿命」を延ばす生き方6選を紹介しましょう。
⑴血液検査の結果を見て必要な栄養素を選ぶ。
⑵水シャワーを浴びる。
⑶ウォーキング
⑷甘酒酵素水を飲む。
⑸ごぼう茶を飲む。
⑹自家製ヨーグルトを食べる。
食べすぎ解消のコツ
食べ過ぎの原因は、生理的要因と心理的要因の両面から考えられます。
生理的要因としては、ホルモンバランスの乱れや低血糖状態、腸内環境の乱れなどが挙げられます。
心理的要因としては、ストレスや習慣化した過食行動、精神的な要因(不安、退屈、悲しみなど)が考えられます。
また、早食いも満腹中枢が刺激される前に食べ終わってしまうため、食べ過ぎにつながる可能性が高いでしょう。
食べ過ぎを解消するには、自分の食生活の現状の癖を把握し、問題点をはっきりさせて対策を立てることです。
食べ過ぎのタイプ別対策
1.食事が不規則、欠食しがちで、間食をするタイプ
・食事にリズムを!欠食は避け、少量でも良いので1日3回食事を摂る。
・夕食、夜遅くの間食も就寝の2~3時間前までに終える。・・・夜お腹がすいたら、水かお茶を飲むと落ち着きます。
・間食は回数を減らす,量を減らす(買いだめしない、小袋を買う),エネルギーの少ないものを選ぶ。
2.いつも食べきれないほどの食べ物を用意するタイプ
・空腹時に買い物をしない。
・買い物はリストをつくって必要最小限にする。
・外食や出前は控えめに注文する。
3.早食いや大食いのタイプ
・一口ごとに箸を置き、一口20回かむ。
・野菜料理など、かみごたえのあるものや汁物を先に食べる。
・テレビ・雑誌を見るなど、「ながら食い」をしない。
・大皿に盛らずに食べる分だけ小皿に盛る。
・食器を小ぶりに、茶碗は小さめで重いものにする。
4.ストレス解消・手持ち無沙汰など、空腹感とは関係ない理由で食べてしまうタイプ
・目の届くところに食べ物を置かない。
・菓子類など必要以上に買い置きしない。
・食事が終わったらすぐに食器を片付ける。
・食後すぐに歯を磨く。
・ストレスは食べること以外で解消する・・・運動、入浴、趣味など。
5.満腹感がなく、だらだらと食べ続けてしまうタイプ
・あと一口、あと少し食べたいところでやめる:「腹八分目」
・残り物はすぐ片付ける。
・食べたいと思ったら、10分間待ってみる。
「腹八分目」を実践するためのコツ
「腹八分目」の実践のためには、単に食事の量を減らすことだけでなく、食事の質や食べ方にも工夫が必要です。よく噛んでゆっくり食べる、野菜を多く摂取する、食事の量を小分けにする、間食を避ける、などが挙げられます。
それでも、食べ過ぎてしまったら・・・
そうはいっても、時にはおかないっぱい食べたい日もあるでしょう。 食べ過ぎたら、次の日の過ごし方が大切だそうです。
・1回の食事がすぐ脂肪になるわけではありません。
・食べ過ぎた次の日から2〜3日で調整しましょう。
・むやみに食事を抜かないようにします。
・消化の良い食べ物を摂ります。
・水分を多めに摂取します。
・軽めの運動をします。
・就寝の3時間前までに夕食を摂って早めに寝ます。
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まとめ
肥満と寿命の関係については、研究によって異なる結果が出ていますが、肥満が様々な健康問題を引き起こす可能性があることは間違いありません。
江戸時代の観相家、水野南北は、少食により運が開けるとする「節食開運説」を唱えています。老化の原因は、①酸化、②糖化、③慢性炎症です。食べ過ぎは、これらの原因に直結します。
見た目年齢の若さに驚かされる南雲吉則医師は、『「空腹」が人を健康にする』や『20歳若く見えるために私が実践している100の習慣』という本を出版されています。
少食の効果と注意点、疲れにくい食事のポイント、食べすぎ解消(「腹八分目」の実践)のコツとともに、「健康寿命」を延ばす生き方を紹介しましょう。
