参加者 Y支援学校 教職員 20名
テーマ グライドバタフライ講習
6月30日 講義(1時間)
・指導者自身が「水泳が苦手」「水が嫌い」では、児童生徒に「楽しい」水泳を指導することは困難
・平成29年に改訂された小学校学習指導要領保健体育(第2章第7節)D水泳では、初めてバタフライを指導することになった。中学校でも、それまでのクロール、平泳ぎ、背泳ぎに加え、バタフライが必須となっている。
・近代4泳法の中で、一番習得の易しい泳法は「バタフライ」
8月2日 実技講習(2時間)
2時間の実技研修後、全員が20mをグライドバタフライで完泳
授業改善のために・・・最新の情報を!
先日、体育のA先生の水泳の授業を見に行きました。背泳ぎの授業でした。プールサイドに生徒を集め、説明しています。
「いいか、手を水に入れる時は小指から入れるんだ。そして、右の手をかくときは体を右に、左の手をかくときは左にローリングしながらやってみよう。」
説明を受けている生徒の中に、スイミングスクールに通い、背泳ぎで全国大会に出場しているB君がいました。B君の表情を見ていると、あきらかに顔が曇ります。
そして、A先生は、「じゃ、B君に見本を見せてもらおう。」と言って、B君を泳がせました。B君はいつもの通り、手を親指から水に入れ、ローリングすることなくまっすぐに泳ぐ見本を見せ、皆から拍手をもらっていました。
プールサイドから上がってきたB君に、「A先生の説明と違う泳ぎ方だったね。」とこっそり言うと、「A先生の言うことはいっつも古いんですよ。」とにっこり微笑んで返事をしてくれました。いや、本当はバカにしていたのかもしれません。
日本選手権200m背泳ぎにおいて10連覇をなし、ロンドンオリンピック100m背泳ぎで銅、200m背泳ぎで銀を獲得したメダリスト入江 陵介選手の背泳ぎは、世界一美しいフォームと言われています。鍛えられた体幹を持ち、左右対称の美しいストロークが描くことのできる入江選手は、おでこの上にペットボトルを乗せたまま背泳ぎができます。入江選手の所属している「イトマン」では、小指から水に手を入れ、ローリングしながら泳ぐなどという指導は全くしていません。
A先生は若い頃、背泳ぎをそういうふうに教えてもらったのでしょう。でも、そういう指導をしたことで、生徒からの信頼を失っていることに気づいていないわけです。
これと同じようなことが、ご自分の授業でないでしょうか?
歴史も新しい発見や解釈がどんどん出てきて、昔教えていた内容が変わってきています。たとえば、鎌倉幕府が開かれたのは「いい国(1192)作ろう」1192年ではなく、1185年であったとか、日本最大の前方後円墳は仁徳天皇陵ではなく「大仙古墳」,日本最古のお金は和同開珎ではなく「富本銭」,江戸時代に「士農工商」という身分制度や「鎖国」はなかったなど、教科書も変わってきていますが、それ以上のスピードで教える内容は変わってきています。
最近は、インターネットやYou tubeの普及により、そういう情報を生徒たちもよく知っています。私たち教師は、常に「わかる授業」「楽しい授業」を目指して授業改善に取り組むことが大切ですが、いつも最新の情報にはアンテナを張っておくようにしましょう。