やる気の差は10倍
皆さん、おはようございます。
連休明けの朝、なんとなく、仕事や学校に行くのが億劫に感じませんか?
誰でも、朝起きると、いろいろとネガティブな考えが心に浮かぶことがあるでしょう。そんな感情を吹き飛ばし、心をポジティブに保つ最も簡単で効果的な方法は、よき言葉、よき教えに触れることです。
オーストリア心理学者、アルフレッド・アドラーは、こんな言葉を残しています。
「やる気がなくなった」のではない。
「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。
「変われない」のではない。
「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。
私は、トレーニング指導士の資格をとるために、国立競技場に1週間缶詰状態で講習を受けたことがあります。その時、埼玉大学の松尾 昌文教授から、トレーニングの5大原則を教えていただきました。
①「さあ、やるぞ!」という前向きな心構えをもって意欲的に行う[意識性],
②発育発達段階を考慮して心身のバランスのとれるようにトレーニングをする[全面性・多角性],
③単純(容易)なものから複雑(困難)なものへと行う[漸進性],
④個人に合ったものを行う[個別性],
⑤途中で辞めずに何度も繰り返す[継続性・反復性]
その中でも特に重要な要素は、①意識(自覚・意欲)性で、例えば、腕立て伏せをする時でも、「今、これだけ腕立て伏せを行えば、ここ(上腕三頭筋や大胸筋)が鍛えられ、このことがスポーツをする時にも、私の人生においても役立つのだ。」と信じて行うのと、いやいやながら腕立て伏せをさせられるのとでは、トレーニング効果はなんと10倍の差が出るということでした。そして、「常に前向きに積極的に物事を考えなさい,そうすれば、あなたの人生も10倍充実します」という話をされました。
日本電産創業者の永守 重信氏も、
「人間の能力の差は通常2倍ぐらい、秀才まで入れてもせいぜい5倍くらいまで。しかし、やる気の差は10倍にもなる」
と述べています。
「能力」の差は、小さい。
「努力」の差は、大きい。
「継続」の差は、とても大きい。
「習慣」の差は、いちばん大きい。
イタリアルネサンスの巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチも、やる気について、「食欲がないのに食べても健康に悪いように、やる気のないのに勉強しても記憶が損なわれ、記憶したことは保存されない。」と述べています。
Just as eating against one’s will is injurious to health, so studying without a liking for it spoils the memory, and it retains nothing it takes in.
やる気スイッチの入れ方
さて、やる気を高める方法は、現在ほぼ確立されていて、マインドフルネス,自己効力感,テストステロン,目標設定,アファメーションなど、いろいろと紹介されています。しかし、そうではなくて、やる気が出ない原因を明らかにし、それぞれにあった解決策を知っておくことが大切です。
「掃除をしなくちゃ」と思っていても、つい先延ばしにしてしまう・・・
「本を読んで自分を変えよう!」と思うけれど、結局めんどくさくて、読まずに置きっぱなし・・・
歯医者の定期検診は行ったほうがいいに決まってるけれど、やっぱりめんどくさい・・・
「こんなダラシない生活をしてちゃいけない。私、変わらなきゃ」とは思うけれど、どうしてもやる気が出ないし、活力も湧いてこない・・・
など、がんばりたいのにがんばれない,やる気が湧いてこないのには、ちゃんと原因があるのです。
Youtuberで心理カウンセラーのラッキーという人が、やる気が出ない原因とその解決法を5つあげています。
①「~しなければならない」が口癖になっている。
⇒解決策:「~しよう」を意識して使う
②やり残しがたまっている。
⇒解決策:やることリストで、すべて終わらせる。
③生活がマンネリ化している。
⇒解決策:慣れないことにチャレンジする。
④運動不足と睡眠不足
⇒解決策:運動習慣と十分な睡眠
⑤バイオリズム
⇒解決策:あきらめてマッタリ過ごす。とにかく寝る。
「やる気スイッチ」をオンにするには、側坐核に刺激を与えると、パチっとやる気にスイッチが入ります
そのためには、まず、「やりはじめる」ことです。
掃除でも勉強でも、どんなことでも、やり始めて5分~10分くらいすると、側坐核が興奮してやる気が出てきます。これを「作業興奮」といいますが、何事も「やる」が先で、「やる気」が後なのです。
大脳生理学者の池谷 裕二氏も、「やる気を出すにはとにかく身体を動かし、脳の淡蒼球という部位を刺激することが重要」と主張されています。
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「やる気」をふくらませる薬
人は、「自分が重要な人なのだ」「自分は役に立っている」と自ら認識出来る時、やる気にかき立てられ、素晴らしい仕事をするものです。
やる気をふくらませるためには、①話を聞く,②任せる,③知らせる,の3つのことが必要です。
①相手の考えを尊重するという態度を示し、親身になって熱心に話を聞いてあげる。
②どんな些細なことでもいいから、責任を与え、任せると、人はやる気になる。
③「時間に正確だね」「いつも笑顔で感じがいいね」などと、些細なことでいいから、あらゆる機会をとらえて相手を評価していることを知らせる。
期待されると、それに近づこうとする努力をするのが人間の性なのです。
子どもの『やる気』を起こすには・・・
我が家には3人の「聞かん坊」たちがおります。それぞれ違う学校に通っているものですから、生活リズムが違うので、朝から「早く起きなさい。」で始まり、「着替えはまだ?」, 「早く御飯食べてよ。」, 「歯磨きは終わった?」, 揚げ句には、「少しは勉強しなさい。」と誰かに小言が出ます。「言われなくても自分からやってくれればなあ。」といつも思うのですが、なかなか、親の願いに対しては『やる気』を出してくれません。もっとも、遊ぶことにかけては、3人とも『やる気』満々なのですが・・・。
さて、『やる気』を起こすには、自己暗示が最も大切だといわれます。
暗示には、自己暗示と他者暗示と呼ばれるものがあります。朝、空が青々と晴れていて好天気であれば、心も何となく弾んでくるでしょう。反対に、どんよりと曇っている日や大雨の時は、心も何となく重苦しくなってきます。また、図書館に行ったら、静かに勉強しようという雰囲気になりますが、ゲームセンターに行ったら、誰だって遊びたくなるでしょう。こういった自然環境や人間環境が他者暗示です。
これに対し、自己暗示とは、知らず知らずに自分の潜在意識の中に入り込み、『やる気』を左右するエネルギーのもとになるようなものです。「自分はいつも運がいい」と思っている人は、それがプラスの自己暗示となって潜在意識に入り込み、その潜在意識が運のよくなるように働き、ますます運がよくなります。しかし、「自分は運が悪い」と思い込んでいる人は、ますます運が悪くなるものです。プラスの自己暗示をかけることができない子は、なかなか『やる気』を起こすことはできません。要は、人から言われてではなく、自分から自覚し思い込まないと、『やる気』は起こらないということです。
ところで、他者暗示は自己暗示に転化しやすいといわれます。例えば、幼い時から、親や教師から「よくできる」と認められ、よく扱われた子は、よく勉強する子になりますが、「アホ」と言われ続けてきた子は、ほとんどの場合、本当にアホな子になるといいます。有名なピグマリオン効果というものです。ピグマリオンというのは、ギリシア神話に出てくる話だそうですが、ピグマリオン効果は、1968年にアメリカで発表された論文以来、学問的にも認められています。
そうすると、親や教師は、子どもたちにプラスの他者暗示をかけ、それが自己暗示に転化するのを待つこと, 換言すれば、しっかり褒めてやることが重要だということです。
仕事を楽しくする10の方法
先ほど紹介した、Youtuberで心理カウンセラーのラッキーさんが、「しあわせ心理学・パンダの温度」で、やる気を出して仕事を楽しくするための方法を10紹介しています。いずれも実践的で、私は非常に効果のある方法だと思っています。
1.毎日8時間寝る。
6時間睡眠で酩酊状態! 睡眠不足は人格を変える。
寝る子は育つ→寝る大人は楽しく働ける。
2.通勤・昼休みに陽気な音楽を聴く。
3.職場に好きな人をつくる。
4.ニコッと口角を上げて仕事をする。
1分間の笑顔⇒脳が騙されて楽しい気分になる(顔面フィードバック効果)
⇒ドーパミン放出⇒集中力・やる気アップ⇒幸福感
5.ちょっと高価なものを使う。
「紳士なノート」
6.デスクに鏡を置く。
・自分で自分の顔を見ると、心が落ち着く(メタ認知)。
・人の目があると、集中力が上がる(ホーソン効果)。
7.仕事を「自分なりの目標」に変換する。(自己決定感)
やらされ感は心臓に悪く、無気力になります。
エレファント シンドローム
8.昼休みは公園に行く。(グリーンエクササイズ)
9.収入の1割を専用口座に貯金する。
10.自分の仕事に役立ちそうな本を読む。
仕事を好きになる唯一の方法は、楽しくなるまで一生懸命にやることです。遊びはやればやるほど飽きてきますが、仕事はやればやるほど楽しくなるものです。
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自分にやる気を出させる最善の方法
分子生物学者でノーベル賞を受賞された利根川 進氏が、よい仕事をするための三原則をあげています。
①重要なことをしようとする意思
②他人より優れた何かを持っているという自信
③懸命に働くという意欲
また、ビジネスインストラクターで、株式会社ヴィタミンM代表取締役を務め、「すずまり流」マスクマナー講師の鈴木 真理子さんが、『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』という本で、やる気を出す「ToDoリスト」のコツを3つあげています。
①最初に仕事を終える時間を決め、仕事が終わったら何をするのか具体的に書く。
②昼休みに何をするのか具体的に書く。
③タスクの横にチェック欄をつくり、タスクが完了するごとにチェックを入れる。
仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術 [ 鈴木 真理子 ] 価格:1540円 |
「教育者」ってのは、本当にいい仕事だと思います。
自分自身が「やる気」になっていない時に、子どもに「やる気」になれという話をすることで、自分自身も再び「やる気」になれるのですから・・・。
最後に、アメリカの小説家、マーク・トウェインの言葉を紹介して、やる気を出す方法をまとめておきたいと思います。
「自分にやる気を出させる最善の道は、だれか他の人にやる気を付けてやることだ。」
“The best way to cheer yourself up is to try to cheer someone else up.”
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