サイキングアップ
皆さん、おはようございます。
「サイキングアップ」psyching upという言葉をご存じでしょうか?
最近、脚光をあびるようになった言葉のひとつです。
スポーツ選手なら試合前に必ず行う「緊張を高める」メンタルトレーニングの技法の一つで、リラクセーション技法とは対になり、「低すぎる緊張を高める」方法です。その目的は「適切な緊張の実現」です。
スポーツ種目には,射撃やアーチェリーなどの精神的な安定が重要な種目と、柔道やボクシング,レスリングなど、ある程度、精神的な緊張や興奮水準を高め、闘志をかき立てることが重要な種目があります。
特に、後者の種目ではいつでも必要な時に興奮水準を高められるよう、サイキングアップのトレーニングが普段から行なわれています。試合の前にアップテンポな曲を聴いたり、自分の頬を叩いたり、円陣を組んで大声を出すことは、すべてサイキングアップの一種です。要するに、これは「気合いを入れる」行為ともいえるでしょう。
サイキングアップの多くは一般的なウォーミングアップに内包されています。軽いジャンプやもも上げなどの「軽運動」、短く、早く、強い「胸式呼吸」はサイキングアップの代表的なものです。
実施にあたって、心拍の高まりと、血流量の増加をイメージしながら、それと同時に自分自身の気分も高揚していくことを感じられるとより効果的です。軽運動の注意点を挙げるとすれば、試合前の段階で疲れすぎないようにすることです。
ニュージーランドのラグビーのナショナルチームが、ゲーム前に相手を威嚇する目的で、先住民族の戦闘の踊りといわれるハカ“HAKA”をすることがありますが、これもサイキングアップのひとつです。
すごい朝礼
さて、このサイキングアップを仕事に応用して大きな成果を出した人がいます。
株式会社てっぺん代表取締役で、「公開朝礼」「本気の朝礼」などで有名となった大嶋 啓介氏です。今は、講演家として人間力大學理事長なんかも務めています。
居酒屋「てっぺん」で実施されている「すごい朝礼」は、アスリートが競技に入る直前の最適戦闘状態と同じものを作り上げます。「朝礼」と名づけられてはいるものの、居酒屋という仕事上、始まりは朝ではなく、夕方の16時40分からです。時間にして15分間の「仕事始めの『礼』」が、大変エネルギッシュで、社員の気持ちに火をつけ、多くの人の夢を実現させているのだそうです。一種の洗脳に近い状態かもしれませんが、脳をワクワクさせることができます。
「成功したからワクワクするのではなく、ワクワクしているから成功するのだ。」と説いています。
「すごい朝礼」の流れ・内容は以下の6つです。
1. 整列
2. 黙想・イメージ訓練
3. スピーチ訓練
4. No.1宣言
5. あいさつ訓練・ハイ訓練
6. 締め(本気の握手)
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朝礼の効果
このすごい朝礼の効果を、イメージトレーニング研究・指導のパイオニアである西田文郎氏が以下の5つにあげています。
①チームワークが向上する。
②感謝の心がわいてくる。
③理念やビジョンが生まれる。
④目的が明確化される。
⑤人間性の向上に役立つ。
多くの学校や職場では、朝礼がなされていますが、プロたる者、朝礼の前には、各自でサイキングアップを既に済ませてから朝礼に臨みたいものです。
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全校朝礼
学校の全校朝礼の校長の話というと、どんなイメージがありますか?
「暑い(寒い)のに早く終わってくれ」とか、
「誰も聞いていないのに…」など、マイナスのイメージをお持ちの方もいると思います。
かつて、私が大変、荒れていた中学校に勤務していた時、月曜日の朝、全校朝礼をするのはなかなか大変で、生徒は並ばない,遅刻者は山のようにおり、校長先生の話など、誰も聞いていないという状態でした。集会係だった私は、何度か校長先生に、「今日の朝礼はやめましょう」と提案し、「もっと、生徒が関心を持つようないい話をしてください」と失礼なことまで言っていました。
2学期がスタートしたある日、その校長先生から原稿を見てくれと言われました。それは、全校朝礼で話す内容でした。「3分にまとめてみたが、どう思う?」と問われました。素晴らしい内容でした。私は、「このお話は生徒の心に残ると思います」と正直に答えました。実際、それ以降、生徒たちは朝礼の校長先生の話をよく聞くようになり、早く並び、遅刻者も劇的に減ったのです。
教師が魅力のあるいい授業をしないと、教室を飛び出す生徒が出てきて当然です。それと同じで、全校朝礼でもいい話をしないと駄目で、そのためには事前に原稿を書くべきだと思いました。
それ以降、私は、帰りのショートタイムにも「担任から一言」という時間を大切にし、話す内容を原稿に書くようにしました。その原稿は、今、2,000話を超えています。また、せっかくの集会やホームルームの時間を、注意や叱責だけで終わらないようにも心掛けました。
自分が校長になって、全校朝礼で話をする機会を得たので、週に1回、普段の授業では教えないだろうと思う話題を選んで、話をするようにしました。
もちろん、話す前には、原稿を書きました。
コロナがまん延し、一堂に生徒を集合させて朝礼をすることが出来なくなった時には、光回線のテレビやネットを使って朝礼をしました。単に話をするだけでなく、スライドや映像を使って、生徒たちの視覚にも訴えながら語ることができました。
月曜日の朝、普段の授業では教えない、人生の〝生き方〟を学び、生徒や先生たちが夢や希望を抱いて、「1週間、さあ頑張ろう」と元気を出して過ごしてほしいとの思いから語り続けました。それらの中からいくつかをセレクトして、1冊の本にまとめています。ぜひ、多くの人にも読んでほしいと願っています。
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