G-26E361VSD1
人間関係について PR

人を動かす「春風秋霜」・・・佐藤一斎「言志四録」に学ぶ。

タイトル 人を動かす「春風秋霜」
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

春風秋霜(しゅんぷうしゅうそう)

3月13日は三大勅祭のひとつ「春日祭」です。春の風を感じますね。

春風秋霜」という言葉があります。

これは、江戸時代の儒学者、佐藤一斎が残した言葉です。

彼の著書「言志四録」の中に、

とあります。

春風(しゅんぷう)以(も)って人に接し、秋霜(しゅうそう)を以って自ら粛(つつし)む」と読みます。 

「他人には春風のもつ暖かさで接し、自分には秋の霜のような冷厳さで反省して、自分の至らぬところを知る」という意味ですが、これは、人間関係処理の究極の言葉ではないでしょうか。

現代では、「人には優しく、自分には厳しく」というところでしょう。

私たちが人と接する時、自分に似た人や自分の心にぴったりくる人を求めたがるものですが、世の中、なかなかそんな人はいません。ましてや、人間的な幅の狭い人ほど、人に求めることばかりが多くなるものですが、自分に合う人はみつかりません。そこで、誰も自分のことを理解してくれないとか、自分は孤独だなどと逃避に走ることになりやすいのです。

人と人の交わりとは、お互いに違った個性と個性のぶつかり合うことです。そこには当然、摩擦が生じ、そのために自分の心も緊張し、集中しなければなりません。それによって、自分の性質も自覚され、特徴もはっきりしてくるものです。

人に求める前に、自分から相手につくすということをしていれば、自然と友が集まり、施しを受けるようになると思います。まず、春風を以って人に接することが大切です。

キリストの言葉には、こんな名言があります。

(新約聖書「ルカによる福音書」第6章32~35節)

「言志四録」

佐藤一斎は、幕府の直轄機関であった「昌平坂学問所」の主宰者で、

この人物が居なかったら、日本の夜明けは無かったかも知れない。

と言われるほどの人物でした。

佐藤一斎の著書「言志四録」とは、「言志録」「言志後録」「言志晩録」「言志耋録(てつろく)」の全四巻を総称したものであり、内容は学問、思想、人生観など多義にわたり、修養処世の心得が1133条にわたって書かれた随想録です。

言志録」は、佐藤一斎が42歳から53歳までの約11年間にわたって書かれたもので、246条からなり、1830年に刊行されています。

言志後録」は、57歳から67歳までの約10年にわたって書かれており、67歳から78歳までの11年間にわたって書かれた「言志晩録」と一緒に、1850年に刊行されました。

そして、驚くことに、「言志耋録」は彼が80歳から82歳までの3年間にわたって書かれ、1853年に刊行されています。平均年齢50歳前後のこの時代にあって、佐藤一斎は大変な高齢で、「言志四録」を完成させたということがわかるでしょう。

また、昌平坂学問所の儒官となったのは、70歳の時でした。

門下生には、佐久間象山、渡辺崋山、山田方谷らがおり、彼の著書「言志四録」は、その後、幕末の西郷隆盛、勝海舟、坂本竜馬らにも大きな影響を与えたと言われています。

人を動かすために……

経営の神様、松下幸之助は、人を生かすこと一番大切なことは、「配慮」だと述べています。人に対する「配慮」「思いやり」「共感」がなければ、人を動かすことは出来ないと言っています。

では、配慮の出来る人間とは、どういう人なのでしょう? 

佐藤一斎も、

と記していますが、人の痛みを知るには、失意の経験もまた貴重なものです。

挫折したこともない,病気したこともない,苦しみを味わったこともない,そういう順調な道を歩いてきた人は、悪意はないのだけれども、人間の弱さや辛さ,失意の時の人への思いやりや温かさなどが実感できなくて、つい人間味に欠けがちです。

松下幸之助は、自分には三つの財産があったと述べています。

だったそうです。

大きな失敗をした時、重い病気をした時、大切なものを不意に失った時、「そういう苦しみや悲しさは、自分が人を動かす大きな人間になれるチャンスを与えて頂いたんだ」と思える人が、最後に成功する人になれるのだと思います。

タイトル 未来・自分・行動~よきリーダー~
「未来」と「自分」と「行動」は変えられる。京都の鞍馬寺、本殿金堂前の金剛床に描かれた「六芒星」立っていると、「過去と他人は変えられないが未来と自分は変えられる」という言葉が、ガツンと音をたてて、頭に響いてきました。 リーダーたる者、「月のように美しく、太陽のように温かく、大地のように力強く」なければなりません。 先哲のリーダー論、山本五十六の「ヤッテミセテ・・・」、リーダーに必要な3V、プロ野球鈴木啓示監督の五つの「アカン」、Leaderの役目、望まれるリーダー像(5つのルナと5つのヤル)、萩生そらいの人を育てる秘訣、二見道夫の部下を育てる「カキクケコ」、中谷彰宏の人使いのコツ、後藤 清一の部下指導のコツ、岩田松雄の「ついていきたい」と思われるリーダー、孔子の九思、組織論、デビッド・ファジノ氏の「3つのI」、遠藤俊夫の「指導者」などを紹介します。 アメリカの小説家ヘンリー・ミラーは、「本当のリーダーというものは、人をリードする必要なない。ただ道を示すだけでよい。」と述べています。安岡正篤氏は、「真の指導者は必ず謙虚で、私が無く、自己の利害・欲望によって汚されない良心から起つべきものである。社会の善のため、人類の幸福と進歩のために指導し、私心を満たすためにするのではない。賢明な指導者は、何よりも、まず自分自身の指導者、模範となるよう心掛けるべきだ。」と述べています。これぞ「人の上に立つ人」だと思います。...
タイトル 私の教育モットー・家訓
私の教育「モットー」と「家訓」日本の老舗が永続することができた秘訣、徳川幕府が長期間、国を治めることができた理由は、モットー・家訓がしっかりしていたからです。 私の家庭教育の極意と教育モットー「学ぶとは誠実を胸に刻むこと。教えるとはともに希望を語ること」について語ります。 ...

【3980円以上送料無料】「皆さん、おはようございます」授業では教えない“生き方”教育 スライドで語る全校朝礼のお話/長井功/著

価格:1280円
(2024/4/12 05:27時点)
感想(0件)

「皆さん、おはようございます」授業では教えない“生き方”教育 スライドで語る全校朝礼のお話【電子書籍】[ 長井功 ]

価格:1000円
(2024/4/12 05:28時点)
感想(0件)