ポジティブシンキングで「居場所」は自ら作り出そう!
「ひとりの子を見失うとき 教育はその光を失う。」
皆さん、おはようございます。
これは、小学校教師で「東洋のペスタロッチ」と言われた安部 清美さんの言葉です。
教師は、「生徒一人ひとりを大切に」をよく言われます。でも、特に、教科担任制の中学・高校の担任となると、終日学校で生徒と接していても、「一言も話せなかった」なんてこともよくあるでしょう。
ある朝、出勤したら、学校中が荒らされていました。

武道場を中心にスプレーで落書きされ、ガラスが十数枚割られていました。花壇も踏み荒らされ、清掃道具など、いろんなものが投げ散らかされていました。私はすぐに危険なガラスを取り除き、落書きもわからないように上からペンキを塗って、生徒たちが登校するまでに分からないようにしようと対応しましたが、あとで警察からは叱られました。警察は現場を見たかったのだそうです。少なくとも写真だけは撮ってから片づけをしていたらよかったと、一応、反省はしました。
さて、その日の職朝で、校長先生が、「こんな悲しい事件が起きた時は、朝のホームルームで、是非、生徒たちの名前を、一人ひとり呼んであげてください」と言われました。
早速、私は教室に行き、卒業式の呼名と同じように、フルネームで生徒たちの名前を呼びました。
生徒たちの「はい」という返事が返ってきます。既に生徒たちは今朝の落書きやガラス破損を知っていました。私は、生徒たちの「はい」という返事を聞きながら、生徒たちも、この事件に対して怒りを抱き、悲しんでいるんだと感じました。
それ以降、私は卒業の日まで、毎朝、出席代わりに生徒の名前をフルネームで呼ぶようにしました。
すると、生徒の「はい」という返事を聞くだけで、生徒の変化を敏感に感じるようになってきました。「あれ、昨日の返事と違うな?」と思った生徒には、必ずあとで声をかけるようにしました。
卒業式の日、私のクラスの生徒たちの呼名の返事「はいっ!」が最も大きかったのはいうまでもありません。しかも、生徒たちの卒業文集や手紙なんかに、「先生は、いつも私(僕たち)に声をかけ、大切にしてくれた・・・」というようなことまで書いてくれていたのです。
決して、クラスの全員を一人ひとりじっくり見れていたわけではありません。ただ、毎朝、名前を呼び続けただけで、その効果はバツグンでした。 当時、校内暴力が盛んだった頃で、登校拒否(今では「不登校」と呼びます)の生徒も数多くいましたが、私のクラスには、学校を休み生徒は全くいませんでした。それは、生徒たちにとって、教室が「居場所」になっていたからだと思っています。
幸福度を決める考え方
国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)が発表した2020年の世界幸福度報告書によると、1位は3年連続でフィンランド。2位デンマーク、3位スイス、4位アイスランド、5位ノルウェーと北欧諸国が多く並んでいます。日本は年々後退し、62位でした。
国内をみてみますと、「都道府県SDGs調査2022」によると、全国では、鳥取県が3年連続日本一でした。
「奴隷解放の父」といわれるアメリカ第16代大統領リンカーンが、
「幸福の度合いとは、気持ちの持ちようでほぼ決まってしまう」
と述べているように、幸福度というのは、その人の考え方次第でほぼ決まってしまうと思います。今が幸せな人は10年後も幸せであり、今が不幸な人は10年後も不幸だということも、最近の心理学の膨大な研究で分かっています。
つまり、「考え方を変えない限り、幸福度は変わらない」ということです。
では、幸せな人の考え方とはどんなものかを挙げてみると、
① 反芻思考が少ない。
② 人との比較が少ない。
③ 感謝が多い。
の3つだそうです。
① 反芻思考
「反芻思考」とは、嫌な出来事を何度もグルグル考えたり、不安が頭から離れなくなったりすることで、「うつ病になる最大の原因」とも言われています。反芻思考を減らすには、専門家の指導を受け、認知行動療法,マインドフルネス瞑想,注意訓練などの訓練が必要です。
② 人との比較
人との比較では、「人は人、自分は自分」というような感覚です。その結果、劣等感、焦り、嫉妬、不満などが減り、その分だけ幸せになれるというわけです。そのためには、自分にとって大切なものをはっきりさせることだそうです。すなわち、自分にとっての「幸せ基準」を明確にしておきましょうということです。
③「感謝」
それから、最後の「感謝」ですが、ここでいう感謝とは、「ありがとう」ではなく、「ありがたい」という気持ちです。感謝することで、セロトニン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトシンなど、心と体に嬉しい脳内ホルモンが分泌され、物事のプラス面が見えるようになるそうです。
幸せな考え方(=ポジティブな考え方)ができる人ほど、人生で成功し、健康で長生きしやすいということも分かっています。
安らぎの場
「教育・子育て・進路を考え、父母・教師のコミュニケーョンと相互理解を実践する仲間の会」通称「やまびこの会」を主宰されている山田 暁生先生が「子どもにとって、安らぎの場となる家庭」10のタイプをあげています。
1.明るく、つねに冗談が飛び交う家庭
2.子どものユーモアに上手につき合える親であること。
3.本当のことを言ったとき、たとえそれが悪いことでも、頭ごなし叱ったり、罰したりしない。
4.みんな健康で、それぞれが好きなことを思いっきりできている家庭
5.隣の芝生を気にしない。マイペースのわが家
6.家族が、あいさつや感謝、ねぎらいの言葉を互いによくかけ合っている。
7.時には夫婦げんかがあっても、基本的には仲が良く、楽しい会話が行き交っている。
8.兄弟姉妹、親子、みんながよく助け合い、支え合う家庭
9.深刻にならず、家族みんなが、真剣に、力を合わせて、やる時にはやる家庭
10.楽天的。開けっ広げ。時には大笑い。温かい言葉のかけ合いがある家庭
では、これらを自分の職場や学校に当てはめてみるとどうでしょか?
職場や学校に集団のメンバーが相互に感情交流と役割関係を持っている時に生ずる、「身内意識」「われわれ意識」「所属感」のようなもの、つまり、一人ひとりに「居場所」があるでしょうか。
心の居場所がないと、身の置き場がなく、見知らぬ人の中にぽつんと一人でいるような違和感と孤立感を感じ、慢性的な緊張感と不安がつきまとうことになります。うっかり自己開示して人の感情を傷つけてはならないと思うので、ものも言わなくなるでしょう。学校では、集団生活が苦痛になり、不登校になってしまいます。
ポジティブはポジション居場所なくして発揮できない。
さて、学校における児童生徒指導には、『自己決定』『共感的人間関係』『自己存在感・自己有用感』という三機能をもたせることがポイントだとされています。
1.自己決定
これは、自他のそれぞれの社会的な自己実現を図ることを目指して,自己の行動を決定することです。児童生徒の決断力・判断力を高める場を作ることが大切です。
具体的には、修学旅行の際、「カメラ持っていっていいですか?→『自己責任』で」、「いくら持っていっていいですか?→10万円でもいいよ。ただし『自己責任』で」という具合です。
自己決定させてもらえない児童生徒は、それをストレスと感じ、反社会性が育ち、学級崩壊 の芽となります。また、自己決定のできない生徒は、決定を委ねる事で責任を回避する狡猾さを身に付け、教師・保護者間のトラブルを誘発することが多いように感じます。
2.共感的人間関係(人間的ふれあい)
教師と児童生徒が共に人間的弱さを乗り越えようとする教師の姿勢です。そのためには、教師が自己開示を行い、一人の人間同士として共感的関係になることが必要です。
結果として、いじめなどの児童生徒間のトラブルや児童生徒・教師間トラブルの解決が早まり、教師は他の仕事(防犯、教材研究など)の生産性が高まるでしょう。
児童生徒には、知性・肉体の偏差値の他に「魂の偏差値」があります。魂の成長は人間関係 によって養われるので、教師が児童生徒の魂の成長を図ろうとするなら、いわゆる『体当り先生』になる必要があるのです。かなり疲れることではありますが…。
3.自己存在感・自己有用感
そして、教師が児童生徒一人一人をかけがえのない存在としてとらえ,一人ひとりの存在を大切に思い指導することが大切です。
具体的には、学校行事・委員会活動・清掃活動・給食活動・部活動などで児童生徒の積極性や責任感を育てることです。
存在感や有用感は、児童生徒の学校での『居場所』を指すキーワードとなります。
ポジティブはポジション(居場所)なくして発揮できないのです。
「あなたが何となく過ごした今日一日は、昨日亡くなった人が生きたいと願った一日」
「カシコギ」という韓国の小説に出てくる一説に、「あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいった人が、あれほど生きたいと願った明日」というのがあります。この小説は、一人の父親が白血病のわが子の手術費を工面するために、最後は自らの角膜まで売ってしまうという、深い人間愛の小説です。カシコギというのは魚で、この魚のオスはメスが産み捨てた幼魚を必死に育てるのだそうです。
さて、日本では、100歳以上の高齢者の数は、老人福祉法が制定された1963(昭和38)年には153人でした が、1998(平成10)年には1万人、2012(平成24)年には5万人を超え、今は10万人に迫ろうかという勢いです。長生きされる方がどんどん増えています。ただ、100歳以上の高齢者のうち、男性は全体の約12%です。
一方、日本の自殺者数は、1998(平成10)年には32,863人と3万人を突破しました。以来、10年以上連続で3万人を超えました。一日あたり90人、約16分に1人、日本のどこかで誰かが命を絶っている計算になります。
この1998年という年は、大幅なリストラがあったりと、経済不況に陥った年でした。同時に、テレビを中心とした家族団欒から、いつでもどこでも好きな時に情報を交換できる携帯電話やパソコンの需要が喚起され年でもありました。
今、2024(令和6)年の厚生労働省が発表した自殺者数は約2万人で、1978(昭和53年)の統計開始以降、2番目に少なくなりました。
しかし、喜んではいられません。児童生徒の自殺者は527人にものぼり、これまでで最も多かった2022(令和4)年の514人を上回って過去最多となっています。
少子化時代に入り、人口も減っているわけですから、自殺者数が減ったと言っても、子どもたちにとっては、まさに深刻な問題になっているのです。家族団欒がなくなって、一人暮らしの孤独に耐えかねて大人が自殺するという問題より、一つ屋根の下に居る子どもたちが居場所がなく、自死の道を選んでいるのです。
生きている限りは、誰にでも平等に与えられている一日です。自分の計らい以前の大いなるご縁により与えられているのですから、自分で勝手に処分していいものでしょうか。
あわてなくても、死ぬ時は間違いなくやって来ます。それまでは「痛切に生きたい」と、一日でも多く願えるようでありたいものです。叶うなら、それが百(ひゃく)歳までも続くなら、飛躍(ひやく)的な人生が展開されることでしょう。

「居場所」を見つける方法
「居場所」がないという状態になる原因
・自分に自信が持てない。
・ポジティブシンキングができず、マイナス思考をしてしまう。
・家庭環境や育った環境に問題がある。
・「居場所」がないという思い込み
・同じ失敗を何度も繰り返している。
・人を信じることができず、本心をさらけ出すことに抵抗感がある。
・コミュニケーションの量が少ない。
・周囲を気使えてない。
「居場所」がないという状態になったときの対処
・人とのコミュニケーションを数多く取る。
・新しい「居場所」を探しに行く。
・自分の世界に没頭する。
・人を積極的に頼る。
・自分の欠点や悪癖を見つめ直す。
・悪口を言ったり斜に構えたりしない。
「居場所」を見つける方法
居場所を見つけることは、必ずしも一つの場所に限定されるものではありません。いろいろ場所を試したり、いろいろな人と交流したりすることで、自分にとって心地よい場所を自ら見つけていくことが大切です。
◆物理的な場所を見つける方法
・地図アプリの活用
Googleマップなどの地図アプリで、現在地を共有したり、気になる場所を検索したりすることで、新しい場所を発見できます。
・散歩
近所を散歩したり、普段通らない道を通ってみたりすることで、新しい発見や居心地の良い場所を見つけることがあります。
・コミュニティに参加
趣味のサークルや地域のイベントなど、共通の興味を持つ人が集まる場所に参加することで、自然と居場所を見つけられることがあります。
・SNSの活用
SNSで地域のグループに参加したり、イベント情報を探したりすることで、新たな場所やコミュニティを発見できます。
・人に聞く。
周りの人に、おすすめの場所や、よく行く場所を聞いてみるのも良いでしょう。
・サードプレイスを探す。
カフェや図書館など、自宅や職場以外の「第3の場所」を見つけることで、リラックスできる空間や心の拠り所を見つけることができます。
◆心理的な居場所を見つける方法
・自己肯定感を高める。
自分を認めることから始め、自己肯定感を高めることで、心の安定を図り、居場所を見つけやすくなります。
・周囲の目を気にしない。
他人の評価を気にしすぎず、自分の好きなことや興味のあることに没頭することで、心の安定につながります。
・趣味や勉強に没頭する。
趣味や勉強に集中することで、自分らしさを見つけ、心の拠り所となる場所を見つけやすくなります。
・新しい友達を作る。
新しいコミュニティに参加したり、趣味の合う人と交流することで、心理的な繋がりを築き、居場所を見つけることができます。
・新しい環境に身を置く。
新しい環境に身を置くことで、新しい発見や出会いがあり、新たな居場所を見つけるきっかけになることがあります。
・人に話を聞いてもらう。
誰かに話を聞いてもらうことで、気持ちが楽になったり、新たな視点を得たりすることができます。
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まとめ
アメリカ第16代大統領リンカーンが、「幸福の度合いとは、気持ちの持ちようでほぼ決まってしまう」と述べているように、考え方を変えない限り、幸福度は変わりません。
幸せな人の考え方とは、① 反芻思考が少ない,② 人との比較が少ない,③ 感謝が多い,です。幸せな考え方(=ポジティブな考え方)ができる人ほど、人生で成功し、健康で長生きしやすいということも分かっています。
「やまびこの会」の山田暁生先生が「子どもにとって、安らぎの場となる家庭」10のタイプをあげています。これらを自分の職場や学校に当てはめてみましょう。
「東洋のペスタロッチ」安部清美さんが、 「ひとりの子を見失うとき 教育はその光を失う。」と述べています。学校における児童生徒指導には、『自己決定』『共感的人間関係』『自己存在感・自己有用感』という三機能をもたせることがポイントです。ポジティブはポジション(居場所)なくして発揮できないのです。
「居場所」がないという状態になる原因を知り、「居場所」がないという状態になった時の対処法、「居場所」を見つける方法について述べます。
