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朝日を見て「意宣れ!」

タイトル 朝日を見て「意宣れ!」
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「正月」とは・・・?

もうまもなくお正月ですが、お正月には、凧揚げ、コマ回し、羽子板、福笑い、カルタなど、日本古来からの多くの行事がありますね。

ところで、正月の「正」という字を字引で引くと、何ヘンで引くがわかりますか? 

漢和辞典では、「止」ヘンで引くのです。

つまり、「正」という字は、「一に止まる」と書きます。

では、「一」とは何かというと、「原点」「自分」「わたし」のことです。つまり、自分が人間として原点に止まることが「正」なのです。そして、自分が本来の原点の自分に立ち帰る月、それが正月ということになります。

自分とは何か?

ところで、皆さんは「自分とは何か?」と考えたことがありますか?

実は、自分には3つあるのです。

1つ目は「偽りの自分」です。親の敷いたレールの上を走って、「いい子」を演じている自分です。自分の本音に嘘をつきながら、親や先生を喜ばせるかのように振る舞っている自分です。

これに対し、2つ目は「本当の自分」です。親の手綱から解放され、自分の好きなことに熱中している自分です。親から「勉強しなさい」と言われても、部屋にこもってゲームをしている自分です。

この「偽りの自分」と「本当の自分」には、共通点があることが、わかりますか? それは、エゴです。「偽りの自分」は親のエゴの支配下にあり、「本当の自分」は自分自身のエゴの虜になっています。いずれも、自分さえよければいいという自己中心に行動の動機が置かれているのです。

では、3つ目の自分は何かというと、エゴ的な自己中心ではなく、他人を思いやり、他者中心になるという「本来の自分」です。「本当」と「本来」は違います。「本当」は文字通り、本当で、遊びたい自分も本当なら、勉強に頑張る自分も本当でしょう。あれもこれも、全て本当なのです。これに対し、「本来」は1つしかありません。1つしかないから本来なのです。

人は誰も、自分の顔を直接見ることが出来ません。鏡に映った顔は反対の顔ですし、写真に写った顔もレンズを通して見たものです。

ジョハリの4つの窓」というのがあります。

これら4つの窓があり、閉じられているのが④の窓であるといいます。この④の窓をいかに開き、いかに潜在能力を引き出すかで、その人の人生は大きく変わっていくと言われます。

「志」をたてる

“Boys. Be ambitious!”(少年よ、大志を抱け。)といえば、札幌農学校初代校長のクラーク博士の残した言葉で有名です。今でも北海道大学のキャンパスには、クラーク博士の像がおいてあり、その像の下に英文が書かれています。

Boys be ambitious.             

少年よ大志をいだけ

not for fame,           

名声のためではなく

not for money,        

金のためではなく

not for self-aggrandizement, 

自己権勢のためにでもなく

but for self-fulfillment.   

自己達成のために

しかし、この英文は、後世の人が作ったそうで、本当は次の文が正解だったようです。

Boys be ambitious,       

少年よ大志をいだけ

like this old man.          

この爺のように!

さて、「志」というのは、目的と意欲の合体したものを言い、「決意」とか「意志」と読み替えてもいいと思います。

日本には、古くから「一念、岩をも通す」という言葉がありますが、これには、「決意」や「意志」を持つことに加えて、その「志」を信じるという意味があります。

アメリカでベストセラーになった本に、『信念の魔術』(クラウド. M. ブリストル)というのがあります。仕事でも健康でも、何でも求めるものを生活の中で信念として持ち続けると、いつかはその通りになるということです。カードに自分の「志」を書き、目につくところに張り付けたり、肌身につけ、24時間その欲求を持ち続け、必ず叶うと信じると、予想もしなかった時に願いが叶うそうです。

「祈る」とは?

皆さんも年末年始には、手を合わせて「祈る」機会があると思います。

実は「祈る」といっても、いくつかの種類があるのです。

1つ目は、「ちょうだい」という祈りです。こうしてください、ああしてください、こうなりますように、ああなりますように、という祈りで、これはお寺でも神社でもするでしょう。

2つ目は、「嘆きの祈り」です。なぜ自分は不幸なのか、どうして思い通りにいかないのか、どうして自分の願いを叶えてくれないのか、と嘆くのです。神様にぶつぶつつぶやくことがありますが、これも一種の祈りです。

3つ目は、感謝したり賛美したりする祈りです。食べものに感謝する、今日一日の無事を感謝する、素晴らしい自然や出来事に出会った時に、それを讃えることです。

こうした祈りは、普通にされていますが、もう1つ、とっても大事な祈りがあります。それが4つ目の「知る」という祈りです。自分は何者なのだろうかと、自分を知る祈りです。この友人は何に苦しんでいるのだろうかと、友を知ろうとすることも祈りです。日本や世界の各地で起こる事件を知ろうとすることも祈りです。事柄の悲惨さを知ることによって、どうすればいいのだろうかと、自分に何が出来るだろうかと考えることが出来るからです。

本来、「祈る」という文字は、「意宣る」と書くのです。神様に向かって「〇〇をしてください」とお願いするだけではなく、自分の意識、心に思っていることや考えていることを宣言することなのです。

そこで、私は皆さんに冬休みの宿題を出します。正月とはいいませんから、冬休み中に、一度でいいので日の出を見てほしいのです。そして、手を合わせて、自分の心に思っていることや考えていることを宣言してみてください。

タイトル 上善
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