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「他力本願」で生きなさい。

タイトル 他力本願
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五大・五輪塔

古代インドでは、宇宙を構成している五つの要素を「五大」と呼びました。これは、「地」「水」「火」「風」「空」の要素のことを指しています。

五大

」:大地、地球を表して、固くて動かないもの。流動的ではなくて抵抗のあるもののこと。

」:流体で形を持たないもの。流動的な性質を持っていて、変化に対して適応する性質があります。

」:燃焼の作用。太陽のようにエネルギーとしての火は、私達に明るさと温かさをもたらしてくれています。温かい心は仏の心につながり、冷たい心は地獄や餓鬼の心につながります。燃える心は情熱を表し、欲望も火のようにメラメラと燃え上がります。星が成長したり、爆発したりするエネルギーの源でもあります。

」:形を持たず、目にも見えず、流れて広がっていくもの。何物にも捉われないという意味では、全くの自由であり、無限の広がりを持ち、何かに束縛されることがありません。

」:虚空の世界のことであり、色も形も何もない全てを包み込む空間のことです。

さて、お墓や寺院でよく見かける「五輪の塔」には、キャ・カ・ラ・バ・アの梵字が刻んであります。それぞれの梵字は、五大である地・水・火・風・空を表しています。

それぞれの形と色は、次の通りです。 

」:丸…白色

」:半月…黒色

善通寺の五大

ところで、四国・香川県にある善通寺は、弘法大師(空海)の生誕地として知られていますが、ここに五大の力を封じ込めたお守りがあります。

」:円…白色(息災の色)当病千癒・身体健康・交通安全

これら五大の力と、私たち一人ひとりが持っている内なる力「識」が結びついて、諸願成就となります。

また、パワースポットといわれる、神社・仏閣、霊山、温泉・湧き水・火山、ゼロ磁場、マイナスイオンが大量に発生している滝や森林、龍穴(風水でいう大地の気が吹き上がるため繁栄される土地)には、「」「」「」「」「」の五大の属性があるとされています。

人にもそれぞれ、生まれや血液型によって属性があるようなので、自分と相性のいいパワースポットを選んで訪れるといいと思います。

たとえば、自分の属性が「火」である場合、水剋火、つまり水は火を消してしまいますから。「水」の属性の強いパワースポットを訪れるより、木剋火、つまり木を摩擦すれと火が生じるのですから、「木」の属性の強いパワースポットを訪れる方が、ご利益も大きいと思います。

「他力本願」と「自力本願」「自力作善」

ところで、他人まかせの人のことを「他力本願」だということがあります。他人がしてくれることに期待して任せること,人任せの意味で使われていることがありますが、本来、「他力本願」は仏教用語で、阿弥陀仏のはたらきのことをいいます。浄土真宗の教えに源を発しており、自分が悟りを開くのではなく、阿弥陀仏の本願に救済されるという意味です。

この「他力本願」に対して「自力本願」という言葉があります。「自力本願」は仏教用語ではありませんが、「自力」という言葉はあります。この「自力」とは、自ら修めた身口意(しんくい)の善根によって迷いを離れようとすることです。

ちなみに、仏教でいう「身口意(しんくい)」の「身」は行動、「口」は話す言葉、「意」は思っている事(心)をいい、これらを一致させる「身口意一致」が大切だと説かれています。いくら口で言っても、心で思っていないことであれば、気持ちのこもった対応は出来ないということです。

なお、仏教でいう、殺生・偸盗・邪淫・妄語・綺語・悪口・両舌・慳貪・瞋恚・邪見の十悪(十不善業道)を否定形にして、江戸時代後期の徳僧、慈雲尊者が「十善戒(十善法語)」というものを人たる道として示しています。この十善戒は、行いによって、身口意の3つに分けられています。

「十善戒(じゅうぜんかい)」(「十善法語」」

不殺生(ふせっしょう) 故意に生き物を殺さない。

不偸盗(ふちゅうとう) 与えられていないものを自分のものとしない。

不邪淫(ふじゃいん) 不倫をしない。

不妄語(ふもうご) 嘘をつかない。

不綺語(ふきご) 中身の無い言葉を話さない。

不悪口(ふあっく) 乱暴な言葉を使わない。

不両舌(ふりょうぜつ) 他人を仲違いさせるようなことを言わない。

不慳貪(ふけんどん) 異常な欲を持たない。

不瞋恚(ふしんに) 異常な怒りを持たない。

不邪見(ふじゃけん) (善悪業報、輪廻等を否定する)誤った見解を持たない。

(しん):身体の行い・・・不殺生 不偸盗 不邪婬

( く ):言葉の行い・・・不妄語 不綺語 不悪口 不両舌

( い ):心の行い・・・・不慳貪 不瞋恚 不邪見

また、「他力本願」に対して「自力作善」という言葉があります。これは仏教用語で、「自分の力で善を成し遂げようとすること」「一人の力で善を成し遂げられると思うこと」などの意味があります。

しかし、仏教においては、「自力作善」というのは正しくないあり方とされており、阿弥陀仏に任せる「他力本願」とは対照的な意味の言葉なのです。

浄土真宗の宗祖、親鸞聖人は、この「自力」の心のことを阿弥陀仏の本願を疑う心だとされました。
つまり、自分で行をして浄土に生まれようとするということは、心のどこかで阿弥陀仏を信頼仕切っていないと説かれたのです。本当に信頼しきっていれば、完全にお任せすることが出来るはずだというわけです。

この世の中には、自分の行いではどうしようもないことがあります。そういうことには無駄な抵抗をせずに素直に受け入れ、運を天に任せるように生きることが、仏教でいう「他力本願」なのです。

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古代インドでは、宇宙を構成している五つの要素を「五大」と呼びました。これは、「地」「水」「火」「風」「空」の要素のことを指しています。五輪の塔は、この五大を示しています。

また、パワースポットと言われる場所や人にもそれぞれ、五大の属性があるそうです。それらの相性を大切にしましょう。

しかし、この世の中には、自分の行いではどうしようもないことがあります。そういうことには無駄な抵抗をせずに素直に受け入れ、運を天に任せるように生きることが、仏教でいう「他力本願」なのです。