パソコン・タブレット・スマホの功罪
皆さん、おはようございます。
9月28日は、「パソコン記念日」です。1979年のこの日、NECがパーソナルコンピューターPC-8000シリーズを発売し、パソコンブームの火付け役となりました。その後に発売された9800シリーズ、いわゆる「キューハチ」は、その快進撃により、市場の6割を確保していたそうです。
また、7月4日は、「パソコンお直しの日」だそうです。
今や、大人も子供も、パソコンやタブレット、スマホなしでは、生活も仕事も学業も成り立たない時代になっています。
しかし、本当に子供たちにとって、これらが本当に必要なのでしょうか?
「スマホ脳」
スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンが、『スマホ脳』という本を出しました。スマホは最新のドラッグ(麻薬)だと述べています。使ったことがなければ必要ないし、欲しいとも思わないでしょうが、使うと手離せなくなり、気づかないうちに依存症になってしまっていると指摘しています。
主な内容は・・・
・わたしたちは1日平均2,600回スマホに触り、10分に1回手に取っている。
・現代人のスマホのスクリーンタイムは1日平均4時間に達する。
・スマホのアプリは、最新の脳科学研究に基づき、脳に快楽物質を放出する報酬系の仕組みを利用して開発されている。
・10代の若者の2割は、スマホに1日7時間を費やしている。
・1日2時間を超えるスクリーンタイムはうつのリスクを高める。
・スマホを傍らに置くだけで学習効果、記憶力、集中力は低下する。
・世界のIT企業のCEOやベンチャー投資家たちの多くは、わが子のデジタル・デバイスへのアクセスを認めていないか極めて厳しく制限している。
・フェイスブックの「いいね! 」の開発者は、「SNSの依存性の高さはヘロインに匹敵する」と発言している。
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2002年、日本で「ゲーム脳」という言葉が流行りました。日本大学文理学部体育学科教授の森昭雄氏が『ゲーム脳の恐怖』という本を出し、ゲームをすることが脳に悪影響を与えるということを主張して各メディアでも盛んに報道され、教育界でも話題となりました。
「ゲーム脳」とは、6~29歳の男女240人を対象にした実験で、テレビゲームをする時に独自に開発した簡易型の脳波計で前頭前野のβ波が低下した状態を表す造語でした。毎日ゲームを2~7時間する人は、前頭前野の活動低下が慢性化し、「キレやすい」「集中できない」「友達づきあいが苦手」という自覚が多いことも指摘し、「テレビゲームは緊張や恐怖心をあおるものが多く、自律神経などへの影響も心配だ,子供時代はゲームではなく、外で友達と遊ぶことが一番だ」と主張しました。
しかし、その後、その研究方法や主張に対して多数の専門家から疑問が呈され、「エセ科学(疑似科学)」と呼ばれるものとなり、ゲームは脳に悪影響を与えるどころか、むしろプラス面の効果が多いという主張も出てきました。
今では、「ゲーム脳」という脳はないと言われていますが、ゲームにしろ、スマホにしろ、依存症に陥る危険性は高いので、ある程度の距離を置くことは大切だと思います。
アップル創業者スティーブ・ジョブズは、自分の子には、iPadを触らせなかったのだそうです。アメリカでは、インターネットRPGにはまり過ぎて『ゲーム依存症』になってしまう人も相当数いるようで、ゲーム依存症になるとゲームが全てに優先し、寝る間も惜しんで、ろくな物も食べずに、果ては仕事を辞めてまでゲームを続けてしまうそうです。これでは、まともにものが考えられなくなってしまいますね。
スマホ禁止令
オーストラリアでは、2025年12月、16歳未満のソーシャルメディアの利用を禁止する法律が世界で初めて施行されました。TikTok、Instagram、Facebook、X、YouTubeなどの主要SNSが対象で、ソーシャルメディアを運営する企業は、オーストラリアの16歳未満がアカウントを保有しないように「合理的な措置」を講じなくてはなりません。この規制に違反した場合、子供や保護者が罰せられることはありませんが、企業には最大4950万豪ドル(約51億円)の罰金が科されるそうです。
現在、フランスやスペイン、ニュージーランドなども同様の規制を検討しており、世界的にも若者のオンライン安全への意識が高まっています。
ところが、日本ではどうでしょう?
小中学校において、スマホの校内への持ちこみを禁止もしくは制限しているところは多いでしょう。しかし、それは、スマホを通じて、いじめの原因となったり、悪徳業者に引っかかったり、犯罪に繋がったりするケースがあるので、校内にトラブルを持ち込ませないための焼け石に水のような対策でしかありません。
むしろ、小中学校の授業では、児童生徒一人ひとりにタブレットを配布し、活用することが推奨されています。中には、子供たちは1年間、全く字を書くことがなく、ノートは真っ新のままだったということもあるようです。
日本の教育はこのままでいいのか、世界の流れに取り残されないだろうか、危機感が募るのは私だけではないでしょう。
学力低下の実状
2025年7月、文部科学省が小中学生の学力の経年変化分析調査を発表しました。
日本の小学校6年生・中学3年生の児童生徒の学力は、2021年度の前回調査に比べて、大幅に低下しています。

現場の教員や専門家からは、その主な要因として、コロナ禍の影響で、休校やオンライン授業の普及などにより、基礎的な学習習慣が身についていないことも一因として挙げられていますが、最も影響していることとして、①ゲーム・スマホの利用時間増加による学習時間の減少、➁家庭の経済格差、③読解力の低下が指摘されています。
スマホと学力の関係
スマホと学力の関係には負の相関関係がみられることは、多くの民間の研究者から指摘されています。
東北大学加齢医学研究所のデータによると、スマホの使用時間が長くなるほど、成績が下がっていくことが認められています。特に、1日3時間以上の使用で平均点を取れた子どもは〝ゼロ〟でした。

また、仙台市の調査では、1日あたりの自宅学習時間が2時間以上と回答した子どものうち、スマホの使用時間が1日1時間未満の子どもの平均点は75点でしたが、スマホの使用時間が長くなるほど、平均点は低下し、「自宅学習時間が30分未満」かつ「スマホを4時間以上使用する」と回答した子どもの平均点はなんと48点でした。

文部科学省も、2025年に発表した全国学力・学習状況調査の結果において、テレビゲームの利用時間と学力の関係と同様の結果が、スマホでも見られており、スマホの使用時間が一定程度を超えると、学力スコアが低下していることを明らかにしています。

スマホのリスク
非営利型一般社団法人CMOの日本家庭学習支援協会が、スマホのリスクについて、学業成績の低下だけでなく、睡眠時間の不足による健康面の問題や依存性の問題も取り上げています。
また、スマホによって、個人情報の流出やショッピングサイトからの意図しない有料サービスの利用、著作権法などの違反が発生することも多々あります。
さらに、犯罪や薬物に誘う内容、著しく残虐・わいせつな内容の有害情報もあり、それらは決して子どもたちに有益に働くことはありません。
警視庁・警察庁データによると、2025年(令和7年)にSNSがきっかけで犯罪被害に遭った18歳未満の少年は、1,566人(前年比80人増)で、特に小学生の被害が10年で4倍に増えています。その被害の約98%はスマートフォンを利用しており、SNSを通じた性犯罪や児童ポルノ事案が高水準で推移し、深刻化しています。

SNSがきっかけの事件のうち「重要犯罪等(殺人、強盗、不同意わいせつ、不同意性交等、略取誘拐、逮捕監禁)」に限ると、被害を受けた子どもはなんと598人にもおり、不同意性交等、不同意わいせつ、略取誘拐がそのほとんどを占めています。
文部科学省が行った調査では、2024年度(令和6年度)に確認された「いじめの態様」のうち、小学生の9.3%、中学生の13.9%が「パソコンや携帯電話等で、誹謗・中傷や嫌なことをされる」と回答しています。パソコンや携帯電話等による誹謗・中傷は、年々、増加傾向にあり、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校を合わせると、30,000件近い確認がなされています。
このような現状を鑑みると、日本もオーストラリアや世界の先進的な国々と同様、16歳未満のソーシャルメディアの利用を禁止する方策が早急に必要ではないでしょうか!
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まとめ
今や、大人も子供も、パソコンやタブレット、スマホなしでは、生活も仕事も学業も成り立たない時代になっています。しかし、本当に子供たちにとって、これらが本当に必要なのでしょうか?
かつては、「スマホ脳」「ゲーム脳」という指摘もありましたが、スマホの利用時間と学力の関係には負の相関関係が認められています。スマホによる依存は、学業成績の低下だけでなく、睡眠時間の不足による健康面の問題や依存性の問題も引き起こしています。また、個人情報の流出や著作権法などの違反が発生することも多々あります。さらに、犯罪や薬物に誘う内容、著しく残虐・わいせつな内容の有害情報もあり、それらは子どもたちに有益に働くことはありません。
オーストラリアでは、2025年から、16歳未満のソーシャルメディアの利用を禁止する法律が施行されており、他国も同様の規制を検討していますが、日本では小中学校の授業で児童生徒一人ひとりにタブレットを配布し、活用することが推奨されています。
日本の教育はこのままでいいのか、世界の流れに取り残されないだろうか、危機感が募るのは私だけではないでしょう。
